「いただきます」。今日となっては，宗教性は随分漂白されてしまって，単なる道徳に…，あるいは既に形骸化したものになっている場合も多いのではないだろうか。それに付随する行為は，そもそも神様との交信であったといわれるらしいから，やっぱり宗教行為だ！と言われればそうだろう。尤も，どんな宗教でも何らかの形で「いただきます」や「ごちそうさま」をするかどうかは明言できないが…。

　しかし，だからといって太鼓や笛はないと思う。どうしても，合掌・いただきますなど，諸々が宗教行為と言うのなら，それぞれの宗教で「いただきます」をしていけばいいんじゃないのか？戦後，宗教や道徳を切り捨ててきた私たち自身をもう一度見直すためにも，何故「いただきます」の行為をしてきたのか，それぞれが考えてみるのもいいんじゃないだろうか？