食中毒事件の発生について
課所名: 食品安全課
担当名: 監視・食中毒担当
担当者名: 吉永・渋谷・清水
内線電話番号:3611
直通電話番号: 048-830-3611
Email: a3420@pref.saitama.lg.jp
1 探 知
6月27日13時50分ごろ、日高市内の医療機関から「6月21日に飯能市内の飲食店で会食をした7名中4名が下痢、腹痛、発熱症状を呈している。」旨、狭山保健所に連絡があり、同保健所が調査を開始した。
2 調査状況
(1)利用施設 焼肉 金剛苑(コンゴウエン)
(飯能市栄町1-5)
(2)喫食者数 7名(1グループ)
(3)患者状況 4名(男4名 年齢18歳~20歳)
複数の医療機関に3名受診(入院者なし)
(4)初発年月日 平成24年6月24日1時00分
(5)主症状 下痢、腹痛、発熱
(6)原因食品 6月21日に調理、提供した料理
(牛レバ刺し、カルビ、ロース、タン、ホルモン、ミノ焼、ハツ焼、センマイ焼、野菜焼、
トンソク、ナムル、ビビンバ、冷麺等)
(7)病因物質 カンピロバクター
検査が終了した患者便3名分のうち2名の検便からカンピロバクターを検出した。
残り1名については検査中。
(8)決定 狭山保健所は次の理由により、本件を当該施設が調理、提供した食事を原因とする
食中毒と断定した。
・患者の共通食が当該施設の食事のみであった。
・複数の患者の検便からカンピロバクターが検出された。
・患者の症状及び潜伏期間がカンピロバクターの特徴と一致した。
・患者を診察した医師から食中毒の届出があった。
3 行政処分
平成24年6月21日に上記営業施設が提供した料理で食中毒事件を起こしたことから、食品衛生法第6条違反として、下記の処分を行った。
記
(1)営業者: 黄 日権(コウ ニッケン)
川越市脇田本町24-15-701
(2)施設の名称:焼肉 金剛苑
飯能市栄町1-5
(3)違反内容: 食品衛生法第6条第3号
(4)行政処分の内容:食品衛生法第55条に基づく営業停止命令
(5)処分年月日:平成24年7月1日
営業停止3日間 平成24年7月1日~平成24年7月3日
4 指導内容
狭山保健所では、食中毒の再発防止を目的として、営業者に対して、施設の消毒を指導するとともに、営業停止期間中に飲食店従業員に対する衛生教育等を行う。
参考情報
カンピロバクター
Q. 菌の特徴は
A. この菌は、サルモネラと同じように鶏や牛、豚などの家畜や、犬などのペット類の腸管内に分布しています。そして、これらの動物のふんに汚染された肉や水を介して食中毒を引き起こします。
この菌は、微好気(少量の酸素がある状態)という特殊な条件下で増殖し、常温の空気中では徐々に死滅してしまいますが、4℃以下の温度ではかなり長い間生きています。
また、少量の菌量でも発病するため、飲用水の汚染があった場合には大量の患者発生をみることもあります。
Q. どんな食品が原因となりますか
A. 牛レバ刺し等の食肉の生食や、鶏のささみ、バーベキュー、焼豚などの加熱不十分によることが多く、サラダ、生水なども原因となります。
Q. 症状はどうですか
A. 潜伏期間は約2日から7日で比較的長く、主症状は通常の場合、発熱、けん怠感、頭痛、めまい、筋肉痛などで、その後下痢が起こります。
Q. 予防のポイントを教えて下さい
A. (1) 生肉を冷蔵庫で保存するときは、ビニール袋や容器に入れ、他の食品に接触、汚染し
ないように努めること。
(2) 食品を調理するときは十分に加熱すること。この菌の消毒には、熱湯が有効なため、
包丁・まな板は熱湯により消毒し、消毒後はよく乾燥させること。
(3) 調理のとき、生肉を扱った包丁・まな板などの調理器具は、専用のものを使用し、食
品を汚染しないように使い分けること。また、生肉を取り扱った後は、手指の洗浄・消
毒を必ず行うこと。
(4) ビルやマンションの貯水槽は周辺を清潔にし、ハトなどのふんが入らないようにする
など適正に管理すること。また、井戸水や沢水は動物のふんに汚染されている場合があ
るので、塩素消毒したり、沸かしてから飲むこと。
埼玉県の食中毒発生状況(本件を含む) ※さいたま市、川越市を除く
件数 患者数 死者数
平成24年4月1日~平成24年7月2日現在 2 16 0
平成23年度(4月1日~7月2日 ) 6 35 0
※ 食中毒の原因となる病因物質に関する情報は、県のホームページに掲載しています。
http://www.pref.saitama.lg.jp/page/byouinbussitu.html
※ 牛レバーを生食するのは、やめましょう!!