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国際
北、遺骨で外貨稼ぎ 返還費狙い対日工作 米から22億円
北朝鮮に残る日本人の遺骨について北朝鮮が昨年7月、外貨獲得手段とみなし、返還交渉を進めるよう内部決定していたことが1日、6カ国協議筋などへの取材で分かった。遺骨返還では朝鮮戦争に参戦した米、英、オーストラリア、トルコとも交渉し、20億円超に相当する資金が北に渡ったとされる。日本側にも「邦人墓地」を公開するなどしてきたが、背後には金正恩(キム・ジョンウン)第1書記直轄の工作機関の指令があったという。人道を盾にした外貨獲得工作の実態が浮かび上がった。(桜井紀雄)
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北朝鮮に残る遺骨をめぐっては、朝鮮戦争(1950~53年)で行方不明になった米兵について93年に米朝が遺骨収集を行うことで合意、約220柱が米に送還された。収集費用などとして約2800万ドル(約22億円)が北朝鮮に渡ったとされ、国際社会から経済制裁を科されている北朝鮮が「遺骨はカネになる」と判断した可能性が高い。
北朝鮮の内情に詳しい消息筋や6カ国協議筋によると、昨年7月の内部決定で日本にも目がつけられた。日朝関係は拉致被害者の再調査をめぐり行き詰まっており、「遺骨問題は日朝間の重要な人道問題だと日本世論を誘導する」(消息筋)ことに重点が置かれたという。
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