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維新議員に高額備品目立つ…大阪府、市議政調費大阪府議会(定数109)と大阪市議会(同86)は2日、2011年度分政務調査費の収支報告書と領収書を公開した。昨春の統一地方選で大量に初当選した大阪維新の会1年生議員の使途公開は初めてで、本革のいすや英国製高性能掃除機など、高額な事務所備品を購入するケースが目立った。「政策立案能力の向上」を名目に大学院学費に政調費を充てた維新、自民市議も2人いた。 議員1人あたりの月額政調費は府議50万1500円、市議51万3000円で、支給総額は府議会6億5489万円、市議会5億2942万円。うち府議会2531万円、市議会4780万円が使われずに返還された。 初当選組の池下卓維新府議(37)は本革のいすや机などの購入費計20万円の9割を政調費から支出した。「事務所に来る方に失礼のないように、中古品でできるだけ安い物を選んだ」と話す。 梅園周維新市議(33)は「安物を買って壊すより、良いものを長く使い続けた方がいい」と、英ダイソン社製高性能掃除機7万4800円の8割を政調費から支出し、事務所に置く。丹野壮治維新市議(39)は「坂が多い選挙区を普通の自転車で回るのはしんどい」と言い、電動アシスト自転車7万9800円の75%に政調費を充てた。 市位謙太維新市議(31)は、タブレット型端末とパソコンを2台ずつ計37万3000円で購入、8割を政調費で支払った。「資料をペーパーレスにして自分と秘書で情報共有するため」と話す。武直樹民主系市議(39)はスマートフォン5万円の85%を政調費から充て、「私用携帯をスマホに機種変更すれば済むが、使いこなせそうにない。インターネットの調べものに限って使っている」と言う。 府・市両議会とも事務所備品の購入を認めているが、府議会では1点10万円以上、市議会では同30万円以上の購入は「資産形成にあたる」として禁じている。ただ、エアコン3台を買い替えて政調費負担が31万2000円に上った民主系市議もいた。 政調費で認められた「地方行財政に関する調査研究費」にあたるとして、川嶋広稔自民市議(45)は、市立大大学院創造都市研究科の入学金22万2000円全額を政調費で支出。「都市政策について知識を深め、市政に還元するため」と話す。京都大大学院経営管理教育部に入学した今井篤維新市議(27)は、入学金28万2000円の半額が政調費からの支出だ。「経営学や組織の経営管理を学ぶ。議員として必要だ」と言う。 政調費の支出は議会事務局が書類チェックを行い、問題点を指摘するが、最終的には各会派、議員の判断が優先される。 市民グループ・見張り番の松浦米子代表世話人は「政調費の使い道は政策立案・調査に限定するべきだ。議員の資産になる備品は、議員報酬で買うのがあたりまえで、政調費を充てるのはお門違いだ。税金を使っているという意識が抜け落ちている」と話している。 (2012年7月2日 読売新聞)
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