大飯原発3号機 臨界に達する7月2日 7時48分
1日夜、およそ1年3か月ぶりに原子炉が起動した福井県にある関西電力大飯原子力発電所3号機は、午前6時に核分裂が連続して起こる「臨界」に達しました。
国内で長期間止まった原子炉が臨界に達したのは、去年3月の東京電力福島第一原発の事故のあと初めてです。
大飯原発3号機では、1日午後9時に運転員が原子炉の制御棒を引き抜くためのレバーを操作し、およそ1年3か月ぶりに原子炉を起動させました。
そして午前6時に牧野経済産業副大臣と関西電力の豊松副社長らの立ち会いのもと、核分裂が連続して起こる「臨界」に達したことが確認されました。
国内の原発は、5月から50基すべてが運転を止めていますが、長期間止まった原子炉が臨界に達したのは、去年3月の福島第一原発の事故のあと初めてです。
関西電力によりますと、3号機では、今のところ原子炉の状態を示すデータに問題はないということです。
一方、大飯原発のゲートの近くでは運転再開に反対するグループなどが集まって2日未明まで原発に通じる道を封鎖し、抗議行動を行いました。
大飯原発3号機は、臨界に達したあと、発電用タービンの調整に問題がなければ、4日、発電を開始して8日にはフル稼働になる見通しです。
国や福井県は、引き続き現地に担当者を常駐させ特別な監視体制のもと、原子炉の状況を確認することにしています。
牧野副大臣“慎重に慎重重ねて作業を”
大飯原発3号機が「臨界」に達したことを受けて牧野経済産業副大臣は、大飯原発からテレビ会議システムを通じて会見し、「中央制御室で臨界に立ち会い、大変な緊張の中での作業だったが、起動から臨界まで事故もなく安定して推移してきた。これからも慎重に慎重を重ねた作業をしていきたい」と安どの表情を浮かべていました。
そして、「国民に代わって監視するという思いで、福島第一原発の事故の反省も生かしながらささいな変化があったときにも1人で対応せず、みんなで議論するよう指導していく」と述べ、今後も安全管理を徹底する考えを示しました。
また、関西電力の副社長で原子力事業本部の豊松秀己本部長は、大飯原発とオフサイトセンターを結んだテレビ会議システムを通じて会見し、「きのうの原子炉起動から1つステップが進んだと受け止めている。今後も発電に向けて気持ちを引き締めて安全最優先で進めていきたい」と述べ、作業を安全第一で進める考えを強調しました。
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