走りも食も楽しめる全国屈指のロングライド

「一周」。なんて響きのいい言葉だろう! 老若男女、どのサイクリストにとっても、ちょっと背伸びすれば手が届く1日の走行距離150km、それがこの淡路島一周の道のりだ。
それゆえ、関西圏のサイクリストにとって「あわイチ」は特別な存在。淡路島ロングライド150が今年もパワーアップして開催される!
淡路島を走る魅力を元プロロードレーサーの三船雅彦は「上りもあるのでしんどいけれど、それを越えるといい景色に出合える。癒されるところがいい」と言う。そして、「ビギナーにとっても150kmはなんとか帰ってこれる距離」とオススメの理由を話してくれる。

淡路島は、「島」ならではの交通量の少なさ、静かさがサイクリストにとってはこのうえない魅力だ。昨年の参加者たちは、地元の人たちの温かな声援にホントに感激したし、全体を通しての信号の少なさ、迷いやすい交差点での誘導も特筆モノ。走りやすさは全国のロングライドでも屈指だ。
そして、各エイドステーション(AS)のグルメぶりがその評判に拍車をかける。おにぎりにパン、地元のおまんじゅうにそうめん、タマネギスープ……。食べきれないほどの種類が用意されていて、これはもうグルメライドだ!
コースのカギを握るのは中盤の山岳部だが、距離は全体のおよそ3分の1ほど。むしろこのコースは、長距離にチャレンジしたいサイクリストが、コース序盤や終盤の平坦をどう楽しむかにかかる。

コース最後の目標は誰がなんといっても明石海峡大橋だ。多少天気が悪くても、いつかは前方に橋が見えてくる。「帰ってきたな
ぁ!」という感慨は、ツール・ド・フランスにおける「パリまで○km」の道路標識となんら変わらない。
向かい風でも、橋が見えたら頑張れる。不思議だけど本当だ。92%という高い完走率は、150kmという距離だけじゃない、島や橋や、いろんなことが助け合って、僕らを完走に導いてくれるのだ。
ウソだと思うって? じゃあ、走ってみよう! 1日150kmは短くないけど、走ってみたら本当に走れちゃうんだってば!
超充実のエイドステーション

数多くのロングライドイベントを楽しむ参加者たちが口をそろえて絶賛するのが、昨年の淡路島エイドステーションのグルメぶり。
おにぎりやパンはそれぞれ何種類もの味が用意され、目移りしてしまうほどだが、さらにトン汁やそうめん、名物のタマネギスープなど、ASごとに特色を打ち出した品ぞろえで大満足。
「メニューを出してくれれば、それに合わせて走りたい」なんて声も聞かれたほど。おそらく今年もさらにパワーアップした内容で参加者を迎えてくれるに違いない!
●洲本AS/27km地点 |
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●灘AS/54km地点 |
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●慶野松原AS/96km地点 |
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序盤にあるこのASでは温かいトン汁が振る舞われた |
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のどごしのいい地元福良のそうめんは温かいおつゆで |
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阿万下町のうかれまんじゅう「うかれこまち」の甘みで元気に |
爽快感と達成感が味わえるコース

1周150kmの淡路島は、まず27km地点洲本ASまでの国道28号線を行く平坦部、そして79㎞地点、大鳴門橋越えのうずしお峠までの山岳部、最後が淡路サンセットラインを行く西海岸区間に大きく分けられる。
洲本港まではほぼ平らで、50km以上続く南海岸の山岳コースはキレイな景色にアップダウンが続く。西海岸は信号も少なく快適
な70kmだが、向かい風になると苦しめられる可能性も。最初の上りは洲本城、最後にも明石海峡大橋を眺望できる坂が待っている。
左図:コース全体図/右図:コース高低図
※クリックすると拡大して表示されます
主要4峠を走破せよ!
●由良の峠/41km地点と44km地点
上り1.7km、標高差130m/上り1.3km、標高差60m
福良峠(70km地点)洲本から朝イッパツ目の坂、三熊山ドライブウェイをムリせずこなし、静かな由良の集落を過ぎると道幅が急に狭くなり、由良の峠が始まる。二段の坂をこなすと海まで一気に下るが、かなりのワインディングなので要注意だ。
●灘大川の坂/62km地点(写真左)
灘ASの先から始まるのが灘大川の坂。海を背にした上りは最初が急でビックリするが、距離はさほど長くはない。ローギヤに入れてこなしてしまおう。風が強い日なら、下り坂はコーナーを曲がった先の突風などに気をつけたい。
坂の続く灘地野エリアは踏ん張りどころだ
●福良峠/70km地点 上り1.5km、標高差90m
(写真左)
阿万塩屋町のロングストレートから福良峠の上りが始まる。左、右と大きくカーブを描き、T字路を右へ。二段坂となっているがすぐ先がピークだ。ここを下りきればコースはほぼ中間地点の福良港となる。
リズムに乗ってクリアしたい福良手前の上り勾配
●うずしお峠/79km地点
上り2km、標高差110m
(写真右)
大鳴門橋を眺めながらのこの峠がいちばん長く、キツい。福良港からすぐに急坂があり、さらにゆるく上って大鳴門橋記念館へと続いていく。何段も上りが続くので、気を抜かずに上りきろう。この峠を終えれば残りはほぼ平坦だ。
手強いうずしお峠はガマンして走り抜こう
PRESENTED by CYCLESPORTS
※このページは自転車専門誌
サイクルスポーツの協力を得て
同誌2011年8月号の記事をベースに制作しました