龍平「あれ、何この状況?」
オレこと、長谷部龍平は転生者である。
どうやって前世で死を迎えたかは非常に曖昧だ。
女の子を、ダンプから自分を犠牲にして救い出したらしい。
その時の俺が何を考えたのかは知らんが……まあよくもそんな事が出来たもんだと思う。なにせ、前世の俺はどちらかといえばヘタレだったもんだから。
……いや、昔、それも前世の事を今更とやかく言っても仕方ない。
とりあえず今は、今の話をするとしよう。
「波動拳!」
力を込め、それを前に押し出す様にして解放。
エネルギー弾が発生し、的に命中した。
まあ、お分かりだろうが……オレの特典としての能力は格ゲー界の主人公オブ主人公、STREET FIGHTERのリュウのものだ。
つまり波動拳、昇竜拳、竜巻旋風脚の「三種の神器」も使用可能。
やったねひゃっほう!なんて思っていた時期がオレにもありました。
転生した世界が悪すぎた。
忘れていたのだが、リリカルなのはである。
砲撃とかがぶっ放され、結構な弾幕戦が繰り広げられる世界である。
そんな世界で格闘家の能力。
「馬鹿ぁ!オレの馬鹿ぁ!何で同じ格ゲーでもKOFとかメルティブラッドとかを選ばなかったんだ!?自分で自分にがっかりだよ畜生!」
いや、リュウは何も悪くないんですよ?
リュウの能力が霞み気味になっちまうこの世界がおかしいんですよ?
……いやまあ。
一応、魔力変換素質を持ってはいるんだけど。
その名も魔力変換素質・疾風。
名前の通り、風を起こせるわけだ。
波動拳とか竜巻旋風脚は、これを利用して実現している。
しかし……雷刃波動拳が使えないのがちと残念……あれ原作だと敵をぴよらせることが出来るから愛用してたんだけど。
ってのはまあおいといて。
俺を転生させてくれたスサノオっつう神様から潜在能力とやらを貰ってるそうだけど未だ使用できる雰囲気じゃないし、また俺の魔力ランクはBらしい。微妙だ。Bだけに。
こんなんで原作介入とか出来んのか?
無理ゲー。
という訳で、訓練である。
とにかく三種の神器を練習し、そして実戦で耐えられるようにする。
やっぱ転生なんてしてみた以上、介入はするべきだと思う。
せっかくの転生なんだし。
『だいぶ魔力弾の生成も速くなりましたね、リュウヘイ』
グローブの形のオレの相棒であるデバイス……チャンプがコメントしてくれる。
「ああ、慣れてきた気がする。……まあ、まだまだだけどな」
目指すは、原作主役組の戦闘について行けるぐらいの強さだ。まだまだ遠い。
とまあ、そんな感じで訓練を続けているわけで。
なんか親には将来のスポーツ選手になるんじゃないかとか、そんな期待を抱かせてしまっている。……申し訳無いのは何でだろう。
ちなみに親は両方働いている。なんでも外資系の企業に務めているのだとか。まあ、そんな頭脳労働系の話なぞ、オレには関係ないけど。
そのおかげで、親が家にいない間は魔法の訓練がマジでやりやすいのだ。波動拳はだいぶ形になった、昇竜拳もだいたいお披露目は出来るレベルだろう。竜巻旋風脚は……もうちょい、滞空時間を延ばすべきかな?
とりあえず三種の神器を完成させれば、後はそこからアレンジで派生させていけば良い。
後、夜のランニングも欠かせない。身体の、そして武術の基本はやはり体力だからな。
そしてある日、いつも通りランニングをしていると。
地面がド派手に揺れた。
慌てたのは一瞬。
目の前の光景を見て、俺は事態を把握した。
あまりにも大きな木。
どうみてもジュエルシードの影響です本当に(ry
なーるほど、原作はもう始まってたのか……これはオレもうかうかしていられない。
……とりあえず、一旦近くに行ってみるかな。
そう思い、ペースを保ちながら走り続けていると。
『リュウヘイ、目的地より少し離れた地点にて弱めの魔力反応を感知。どうしますか?』
チャンプからこんな報告が。
ふうむ、こんな時にあの大木と違う所で魔力反応?確かに気になる。
……よし行こう。
という訳で来てみると。
どこぞのヒーローものの様な奴等3人が1人を攻撃していた。……どう見てもイジメです本当に(ry
というかヒーローの様な奴等が1人をイジメってどうなの?
「……何してるんだ?」
そう言うと、4人が一気に振り返った。
うわ、イジメられていたやつ血の涙流してんじゃん。
「ん?あー、気にしなくて良いよ、大したことじゃ無いし」
「いや、人の話も聞かずに襲いかかってくるのが大したことじゃないってのはないわー」
赤い奴の言葉にすぐさまツッコむイジメられていた奴。
「やれやれ……まあ、3対1とか卑怯だしな……それに、魔道師の戦いなら、俺も参加せざるを得ない」
「「「!?」」」
驚くコスプレ野郎3人を余所に、俺は腕輪をかざす。
「しょうがない……チャンプ、セットアップ!」
『Stand by、set up!』
チャンプがグローブに変形、俺の拳に装着される。
そしてバリアジャケットも装着。ちなみにデザインは、格闘着と学ランを足して違和感を無くしたような形だ。
「これで3対2……さっきよりマシだけど、あんたいける?」
「んー、まあ何とか」
よしゃ、と拳をぶつける。
幸い人気の無い場所だ、多少暴れても問題は無い……はず。
「……仕方無い、邪魔するというのなら……君も排除させてもらおう!」
「微妙にフラグっぽいからなその台詞!」
赤い奴の言葉に律儀にツッコむ血涙野郎。ツッコみ体質なのか?
と、それはそうとその赤い奴がオレ目掛けて走って来た。
出来るだけ引き付けろ、引き付けろ……!
「おおおお!」
赤い奴が剣型のデバイスを振りかざし、跳びかかって来る!
……ここ!
「昇竜拳!」
「ふごあっ!?」
魔力を込め、振り上げた拳が見事に相手の顎に直撃した。
相手はノックダウン。
「「「「……」」」」
思わず一同沈黙。
「……暗転見てから昇竜余裕でした!」
とりあえず、キリッとして言っておく。
ごめんなさい、冗談です。
少なくとも一撃はオレも食らうと思ってました。まさかあんな綺麗にカウンター決まるとは。
「……き、貴様!レッドをよくもこんな目に!許せん!」
「今こそ俺達の力、見せる時!」
待て、何で士気が上がってるんだ君達。
そこはさっさと退散してくれるんじゃ。
「カット!」
しかし相手は内心動揺しまくっていたらしい。
血涙野郎の一撃を見事に緑の奴が回避失敗、食らってしまう。
これで2対1?
「……ま、まあ待て」
「波動拳!」
「コンナハズハー!」
そして俺の魔力弾も面白いほど綺麗に、慌て気味の青い奴にクリーンヒットした。
いやあ、スカッとするね、こういうの。
「く、くそう、覚えてろよー!」
「俺達が諦めると思ったら大間違いだからなー!」
そして見事な捨て台詞を残し、2人は絶賛気絶中の赤い奴を回収、逃げていった。
そして、オレは思わず呟かずにはいられなかった。
「……テンプレ台詞乙」
もう、段々開き直りながら書いているドラゴマキナです。
んー。
何かおかしいような……あれ~?
そうか、ラストが味気なさ過ぎるのか。
まあ、あの三人はモブなのでしょうがない。
さてさて、やっと予告の奴3人目ですよ!
ううむ……。後3人いるのか……それに、重要な立ち位置キャラ増えてる感じがするし……(オイ
さてさて、感想やツッコミはいつまでもお待ちしております。
それでは。
……アンケートとかいつしようかな。
そろそろかな……。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。