空我「どうしてこうなった」
「……でけーなオイ」
それが、この現象を見た俺の最初の一言だった。
町の真ん中にそびえ立つ、巨木、という表現も小さく感じてしまいそうな、そんなでかさの木。
さっきまで、俺は自室で小学生は本来寝るべき時間にも目を開けたまま、自分の時間を過ごしていたのだが。
急に地震が起きたので慌ててカーテンを開けた。
そしたらこの光景、という訳だ。
……ちなみに、早く寝ることで有名な(?)我が両親は、全然起き上がる気配を見せなかった。……熟睡し過ぎだろあんたら。
……しかし。
これはジュエルシードによるものな訳だが。
……不覚だった。
木がそんなに成長すりゃあ、根っこの影響でそりゃ地震も発生するわ。
んな事位気付けっつの俺。
原作知識すらも曖昧な結果がコレだよ。
しかしまあ……こんだけデカけりゃ、前ほど近づかなくても原作を眺められるな。
リビングの方も気になるけど……。
やっぱり、傍観しに行くべきでしょ。
という訳で、またもやこっそり家を抜け出す俺であった。
「おーおー、やってるやってる」
家から徒歩10分未満の場所。
そこから、俺は木の方向を眺めていた。
時たま見える桃色の光はなのはで……蒼の閃光は神楽、だろうか。
空を飛びながら、対策をたてているようだ。
「んー、今回はどうなるのかなー」
タタリよろしく、外からの傍観を続ける。
「おい。お前……何してる」
「!?」
何だ!?
何で俺は後ろから話しかけられている!?
慌てて振り向くと。
「レッド!」
「グリーン!」
「ブルー!」
「「「我等3人、原作守り隊!」」」
……。
「うん、俺は何も見ていない。何も知らないし、何も聞こえていない」
「「「ちょい待てい!」」」
「こっちのセリフじゃゴラァ!?何なのその服装!?喧嘩売ってんの!?馬鹿なの!?死ぬの!?」
俺の目の前にいるのは、どこぞの特撮ヒーローのような服装の3人組だった。色は名前のまんま、順番に赤、緑、青だ。……せめて後2人連れて来いよ……イエローとか、ブラックとかさ……。
「黙れ!貴様のような原作介入をしようとする輩には何も言われたくない!」
「しかも、なのはちゃんの席の隣とは……羨ま……げふんげふん、原作介入をする気満々の証拠!許しておけん!」
「ならまずお前等のそのだだ漏れの心の声を何とかしろや!っつか俺もホントは関わりたくねぇよ!俺は傍観してたら十分なの!何でなのはと同じクラスになってんだよ!?俺ふらふらしてたいんだけど!?」
「「「問答無用!」」」
怒鳴り合っている俺達。実に大人気ない。まあ、9歳だけどね!
あーもう!
これはあれか!あの台詞を言えば良いのか!?
良いぜ言ってやる!よーく聞けよお前等!
せーの!
「不幸だーッ!!」
「「「羨ましいわゴラァ!!」」」
殺意高ぇよ!?っつかやっぱり欲望丸出しじゃねえか!?
って、こいつ等ツッコんで来やがった!
「どわぁっ!?」
間一髪でかわす。っつかまたデバイス持ちかよ!そっちの方が羨まし過ぎるわ!っつかバリアジャケットがその格好ってどうなの!?これ大事だよ!
「ええい避けるな!死にはしない!」
「主人公格のレッドがそれ言っちゃ駄目だろ!?っつか言葉と態度矛盾してるよ!?殺意だだ漏れだからな!?」
「大丈夫だ!今は非殺傷設定だ!」
「いつまで殺傷設定だったの!?っつか俺バリアジャケット着てないよ!?十分ヤバいって!!」
ここまで騒がしい戦闘というのもまず無いんじゃないだろうか。
……でも流石にめんどくさい。
実戦では初めてだが……やってみるか。
体の中で魔力をイメージ。
その力を手に集中させる。
……目から血が流れ始めるのが解る。が、気にしていられねぇ!
「カット!」
右手を振り下ろし、その軌跡通りに爪痕のような赤黒い衝撃が発生、レッドに掠り傷を負わせる。もういっちょ!
「ブレイク!」
今度は左手にさっきより多めに魔力を込め、そして振り上げる。
その軌跡通りの赤黒い爪痕が敵を切り裂こうとするが……くそ、今度は避けられたか!
「お前、それ……」
ブルーが今の俺を見て、少し声を詰まらせる。
「おいおい、こんなんで動揺するぐらいなら襲わないでくれよ。こちとら代償払ってるだけだぜ?」
代償、というのは……まあ間違ってはいない。
血を流せば流すほど、俺は血をより欲してしまうのだから。……まあ、まだ我慢出来る。それほど問題じゃない。
「……なるほど。なら、長引かせるほど俺達の有利、と」
グリーンの指摘。まあ、そうなるわな。……でも諦め悪いね……めんどくさい。
「さっきも言ったけど俺は介入しようとなんてうおっ!?人の話聞けやコラ!?」
ったくもう、マジ不幸だ。
そう思いながら、魔力をまた集中させようとした時。
「……何してるんだ?」
また、新たなお客人がそこに佇んでいた。
赤髪に何故か鉢巻きを巻き、少し茶がかった瞳をした、トレーニングウェア姿のこれまた同年代っぽい少年。
ランニング中だったのだろうか、少し息を上げている。
「ん?あー、気にしなくて良いよ、大したことじゃ無いし」
「いや、人の話も聞かずに襲いかかってくるのが大したことじゃないってのはないわー」
レッドの言葉にすぐさまツッコむ俺。
すると客人は、やれやれと溜め息をついた。
「あー……まあ、3対1とか卑怯だしな……それに、魔道師の戦いなら、俺も参加せざるを得ない」
「「「!?」」」
魔道師、つったか。
つまり、こいつは……。
「しょうがない……チャンプ、セットアップ!」
『Stand by、set up!』
一瞬の光。
それが収まると、そこには、いかにも格闘家です、といった感じの少年がいた。
「しがない格闘家、長谷部龍平!推して参る!」
空我がツッコミキャラになりました。ほんとにどうしてこうなった。
もうすこしシリアスな戦闘にするつもりだったのに……どんどん路線がずれていくorz
さて、このヒーローもどき達はモブキャラなので、そうそう出てこないキャラです。っつかこんなんが主役でたまるか。
ラストは、主要人物の一人ですけどね。
さてさて、マジでアドバイスとかくださる事を望んでいます。
だって、迷走の空気になってきたし……。
おかしいな、必ずどっかで狂いが生じる。
俺の文才ェ……。
感想とかもぜひどうぞ。
では。
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