懐かしのゲーメスト誤植美術館

「ゲーメスト」

 ゲーメストとは、1986年5月20日に創刊されたゲーム攻略雑誌です。
 アーケードの格闘ゲームが大流行した1990年代、業界屈指のアーケードゲーム専門誌として、人気を博しました(創刊当初は、家庭用ゲームの紹介もしていたようです)。
 とにかく、様々な意味で濃いライター陣がマニアックな誌面を展開していたのですが、このゲーメストの最大の特徴というか「名物」に、普通では考えられないような「誤植の山」がありました。
 とにかく毎回毎回、信じられないような内容の誤植が、信じられない数あり、「わざと誤植をした箇所があるので、発見したらプレゼントを進呈」という企画をぶち上げたときは、「誤植の数が多すぎて仕込んだ誤植が埋もれてしまったので、一番面白い誤植を探し出した人にプレゼントを進呈」と、企画の内容が変わってしまうほどのものでした。
 原因は、ライターの手書きの原稿の字が異様に汚かったこと、更に校正の担当者がゲームを全く知らなかったため誤植にきづかなかった、など、様々に言われています。
 このページでは、その伝説の誤植の数々を紹介しています。当時を懐かしむ人も、今からゲーメストを知る人も、笑えることうけあいです。
(ゲーメストは既に廃刊していますが、当時のスタッフの何人かは、現在もアーケードゲーム攻略誌「アルカディア」の編集に関わっており、たまに楽しい誤植をやらかしているようです)

目次



伝説の誤植の数々。

※年代順には並んでいません。強いて言えばインパクト順です。

 ゲーメストの地位を確立した伝説の名誤植。
「ハンドルを右に」 「インド人を右に」。
 もうめちゃくちゃです。

ハ→イ、ル→人。よほど汚い字だったのか……。

 ゲーメストの地位を確立した伝説の名誤植、その2。
「ザンギエフ」 「ザンギュラ」
 さらに、
「ラリアット」 「ウリアッ上」。

 このインパクトあふれるドラマチカ! まるで知らない異国の言葉を聴くようなこの不思議でファニーな響き(編集部・談)には圧倒されるしかありません。
 何がなんだか分からないよ。

 人気漫画の最終回の最後のセリフでまさかの誤植。
 実はこの漫画、連載開始のときも
「中平正彦先生執筆!」 → 「中平正彦宣誓執筆!」
という誤りがあり、「誤植に始まり誤植に終わった漫画」と言われました。

 ちなみにこれ以降、
「ゲーメストに誤植が多いって本当?」
「たしかみてみろ!」
 というやりとりが、ファンの間でお約束となりました。

 あーたたたたたたたたた!
「VOW」でも紹介された有名なネタですね。
 ちなみにこの技、ご丁寧にボイスも「あーたたたたた!」なので、「わざとの誤植ではないか」とも……。

「おまに烈風拳飛ばないし…。」 「おまに烈風拳飛ばないし…。」。
 大きなお世話だ。

 反撃を受けるのか受けないのか、どっちだ!
 似たようなのに、
「上を撃つと速くなり、上を撃つと遅くなる」
 というのもありましたね。

 また、ファンの間では、上の「確かみてみろ!」との合わせ技で、
「ゲーメストの誤植を確かみてみない!確かみてみたりする」
 という上級技も存在しました。

「ジャンプニーキック」 「ジャンニーキック
 どうしたらこうなってしまうのか、どう考えても不明。

「三島平八」 江田島平八」。
  いや、これはわざとだろー! 確かに三島も江田島も、どっちの平八も強烈かつ強力な親父ですが。

「しゃがみ大パンチ」 「しゃがみ大パンツ」。
 真っ先に「すごいよマサルさん」を思い出したが、そんなシーンがあったかどうかは不明。

「レバー+大パンチ」 「レバー+大ピンチ」。
 確かに技を外すと大ピンチ。

「餓狼伝説」 餓死伝説」。
 もうなにがなんだか……。凄惨極まりない四コマ漫画ばかりなのだろうか……。
 ちなみに同じゲームで「飢餓伝説」という誤植もありました。

」  「
  えっらい難しいコマンドになりました。入力しづらいだろうな。

「カラーアイランド」  「アラーアイランド」
 イスラム教徒の憩いの場。
 また、「本名の後にアイランド掲載回数も明記してくださいね」と、サラッと凄いことが。
 編集部では管理してくれないんですか?

「ストリートファイターEX2」(格闘ゲーム)は、私もPS版でけっこうプレイしたはずなのですが、「殿」も「りんご」も「大戦車」も「ビル」も「戦闘機」も、まったく記憶にありません。アーケード版は違うジャンルだったんですか?
 秘かに備考欄の「ノルマ235」も謎。なにと混ざったんだ、これ。

 格闘ゲームの連続技の解説なのですが、「たった三段(連続技)からこの減り!」と言われても、体力ゲージが写ってないので、肝心の威力がわかりません。
 花火から想像しろと?

 こちらにも体力ゲージが写ってません。
 なにが凄いって、
「写真が重なって体力ゲージが見えなくなった」のではなく、
「もともとの写真に体力ゲージが写ってない」ってのが凄すぎる。

「動きまわれ!」 「動きままれ!」。
 噛んじゃいました。

 これは一般には「カイザーウェーブ」と呼ばれる技です。
 小技をガードさせてこの技が入ったら、クラウザー使いは狂喜します。

 ブライダー三段ボケ一発目。
 この時点では、

技名:ブライダープラズマボルト。
コマンド: + BC同時押し


 でした。しかし……。

 ブライダー三段ボケ二発目。一回訂正されて、

技名:ブライダーオーバードライブ。
コマンド: + BC同時押し


 になりました。
 さすがに怒られたのか、「もうしません。許して」「今度は間違いない」と書いてあります。
 ところが……。

 ブライダー三段ボケ、ラスト三発目。更に訂正されて、
技名:ブライダーブレイク。
コマンド: + BC同時押し

 になってしまいました。
 なにげに「超必殺技のコマンドが〜」と書いてありますが、見ての通り、最初から技名ごと根こそぎ間違ってます。
 ちなみに、正しいコマンドが分かるころには、ゲームがゲーセンから消えてました。

「スパインバスター」 「スペインバスター」。
 ご丁寧に技表でも誤植。
 スペインでもいいような気もするけど。

 ザンギエフ   ザンギエ。基本。

 如月影二とテムジンの記事のキャッチが入れ替わってます。「わしも舞うダス」は、本当は隣のテムジンの記事のキャッチ。
「わずかながら出るまでのスキが比較的少ないようだ」など、日本語も馬から落ちて落馬したような混乱ぶり。

 これは確か「ストリートファイターZERO2」というゲームだったと思うのですが。

「大臣としか」→「大臣年か」。よけいなお世話だ。さらに、
「キャラクター」→「きゃらくクター」。脱力系。

 ファイヤァアー! ものすごい気合を入れながら攻略記事を書いたのでしょうか。




その他、主な誤植




その他、誤植ではないが強烈なネタ




最後に

 テキスト資料は、「2ちゃんねる」の関連スレッドのテンプレに、自分で発見した誤植を加えて纏めなおしたものを掲載しています。
 この場を借りて、無名投稿者の方々に感謝いたします。
 そして、これを読んでゲーメストに興味をもたれた方、今すぐ古本屋に走って「新声社」の項目を探し、「ゲーメスト」本誌か、ゲーメスト関連のゲーム攻略本(特にアーケードゲームの攻略ムックがオススメ)を読んでみてください。
 ゲーメスト関連では、書籍の数が多いことと、誤植の種類や数があまりにも多いため、まだ埋もれている誤植も多いはずです。
 その一つ一つを自分で発見してみるのも、面白いかもしれません。

 なお、新声社の出版ジャンルは多岐にわたっており、実は入試参考書なんかも出している模様。
「ゲーメスト」とは違う著者だろうな、とは思いつつ、私は以下の名言が思い浮かびました。

「健康の本は信じすぎるな。誤植一つで死にかねないから」