事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)で経営再建をめざしていた三光汽船(東京・千代田)は2日午前、東京地裁に会社更生法の適用を申請した。主力船が船主から差し押さえられるなど顧客離れが深刻化。ばら積み船の運賃も低迷し、再生計画づくりが行き詰まった。負債総額は1558億円。同社は1985年にも会社更生法の適用を申請しており、2度目の経営破綻となる。
ばら積み船の運賃低迷で運航船の船主に払う賃料とのギャップが広がり、資金繰りが悪化した。3月に事業再生ADRを申請し再建をめざしていたが、運賃はその後も悪化。外国船主による北米沖での船舶の差し押さえも発生し、貨物を輸送できない事態に陥り、荷主離れが加速した。
用船料の支払い延期要請などが発端となって運航船の船主が用船契約を解約する動きも広がった。ただ支払いの繰り延べ交渉は難航し、燃料費の支払いなども負担となって資金繰りに行き詰まった。
同社は短期の輸送契約が主流。長期契約が主体の大手に比べて好況時は高い収益を見込めるが、不況になると経営が苦しくなる。12年3月期は995億円の売上高に対し、1103億円の最終赤字に陥った。
3月時点では15年3月期にばら積み船の最大船型「ケープサイズ」の運賃が1日あたり3万ドルという前提で黒字転換する再生計画を描いていたが、足元では4千ドル未満で低迷。再生計画のメドが立たなくなった。
三光汽船は新生銀行や三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行など金融機関10行に対して290億円の負債を抱えている。
同社は85年に当時戦後最大となる約6650億円の負債を抱えて会社更生法の適用を申請した。98年には更生手続きを終え、一時は上場もめざしていたが海運不況に耐えきれずに再び経営危機に陥った。
三光汽船
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