中部電力浜岡原発を抱える静岡県内の自治体首長からは、大飯原発3号機の原子炉起動に、疑問を呈する声が上がった。
川勝平太知事は「政府が安全性より安定供給に振り子を振った判断だと受け止めている」と指摘。一方で「浜岡には何ら影響しない」と、再稼働ドミノには至らないとの見方を示した。
さらに再稼働に踏み切った政府には「国民が安心できるような裏付けをもって対処していくべきだ」と注文を付けた。
御前崎市の石原茂雄市長は「国が決めたことだが、説明不足だと思う。安全について地元がしっかり理解できたとはいえない」と述べた。また浜岡再稼働には「今は論議する段階ではない。まずは津波対策が完了してから。議論は早くても来年の夏以降になるだろう」との見通しを示し「国は詳細な津波高や被害想定、防災計画や新たなエネルギー計画などを示すべきだ」と語った。
一方、浜岡原発の永久停止を求めている牧之原市の西原茂樹市長は「おおい町と福井県は、福島の事故を見た上で大飯の再稼働を容認した。万が一事故が起きたら加害者であり、重大な責任がある」と批判。浜岡については「事故の影響は立地自治体だけではない。大飯のように立地自治体だけで再稼働を判断するのではなく、周辺市の意見も聞かなければいけない」と述べた。
菊川市の太田順一市長は「浜岡は、市民の理解が得られない限り、再稼働を認めるつもりはない」と話し、掛川市の松井三郎市長も「確実に安全が担保されなければ、認めるわけにはいかない」とした。
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