飲酒運転の被害者遺族、法改正訴え(2012/06/30 23:05)
交通事故で亡くなった娘2人のパネルを前に、輪禍根絶を訴える井上保孝さん(左)と郁美さん夫妻=30日、八戸市公民館
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 1999年、飲酒運転のトラックに巻き込まれて娘2人を亡くした、千葉市の井上保孝さん(62)、郁美さん(43)夫妻が30日、八戸市公民館で講演した。夫妻は、現行の法制度について悪質なひき逃げなどの場合に刑が軽くなってしまう恐れがあるとし、法改正の必要性を訴え、被害者遺族への適切な支援を呼び掛けた。
 講演は、あおもり被害者支援センター(田ア博一理事長)の主催。井上さん夫妻は当時、トラック運転手に適用された最も重い罪が業務上過失致死罪(最高懲役5年)だったことに疑問を感じ、厳罰化を求める運動に参加。危険運転致死傷罪(同20年)成立に尽力した。
 講演で保孝さんは、厳罰化以降、飲酒運転死亡事故の加害者が危険運転致死傷罪の適用を免れるため、現場から逃走するなどして飲酒の事実を隠匿しようとする悪質な事例が多発していると指摘。飲酒の影響が立証できなければ法定刑は最高でも15年となり、刑が軽くなってしまうとして、「逃げ得≠許さない、さらなる厳罰化が必要だ」と訴えた。
 郁美さんは事故当時の写真などを紹介し、自身の経験を基に、被害者遺族への適切な対応が必要だと強調。周囲で同様のケースがあった場合について「事故から年月が経過しても、遺族が犠牲者について語る場を設けてもらいたい」と述べ、被害者遺族の立場に立った支援が必要だとした。(井上周平)
【写真説明】
交通事故で亡くなった娘2人のパネルを前に、輪禍根絶を訴える井上保孝さん(左)と郁美さん夫妻=30日、八戸市公民館

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