関西電力管内で2日から夏の節電要請期間が始まるのに合わせ、神戸新聞社がインターネットを通して兵庫県内在住者を中心にアンケートを実施したところ、昨年と同じ程度の節電を考えるとする回答が54・4%で最も多かった。「昨年以上に取り組む」との回答は36・8%だった。また、関西電力の計画停電への受け止めでは「(計画停電は)原発を稼働するための口実としか思えない」などと、原発再稼働を進める関電や政府に不信感を募らせる意見が多く寄せられた。
関電は大飯原発3、4号機がフル稼働した場合、この夏の節電目標を当初の2010年夏比15%以上から同10%以上に引き下げるとしている。ただ昨夏の家庭の節電実績は10年夏比で3%減にとどまり、昨年と同程度の節電レベルにとどまれば目標達成が困難になる可能性がある。
アンケートで、夏の節電を「昨年と同程度」とする理由を尋ねたところ、「昨年、目いっぱい節電した。これ以上は無理」「これ以上どうすればいいか分からない」との回答が多数を占めた。「関電の情報が信用できない」「本当に電力が足りないのか半信半疑」との声も目立った。
一方、「昨年以上」とした回答では、「電力不足なので」「計画停電は困るから」などに加え、「(節電によって)原発ゼロでも支障がないことを証明したい」「本気で脱原発を訴えたい」とする声が多く寄せられた。また「不景気なので電気代を節約したい」「子どもたちに資源の大切さを教えることになる」などの声もあった。
計画停電の可能性についての質問では、「どちらかといえば」を含めて「実施されない」と思う人が53・6%を占め、「実施される」の31・6%を上回った。計画停電が実施されないと思う理由では、「大飯原発が稼働するから」「節電意識が高まっている」とする回答が多かった。
(足立 聡)
◇ ◇
【アンケートの方法】神戸新聞の読者クラブ「ミントクラブ」の会員約2万人の協力で、6月29日〜7月1日に実施。1333人(男性59%、女性41%)から回答が寄せられた。
(2012/07/02 07:55)
Copyright© 2011 神戸新聞社 All Rights Reserved.