関西電力大飯原発4号機で29日午前10時ごろ、2次冷却系の復水器を流れる冷却水をサンプル採取するポンプの試運転を始めたところ、異常を示す警報が作動した。関電と経済産業省原子力安全・保安院によると、ポンプの中にたまった水あかにより、ポンプの回転に抵抗がかかったためという。水あかを除去する措置をとった。
また、大飯原発3号機でも同日午後0時40分ごろから約2時間で計5回、1次冷却系のポンプの部品などを冷やす水量の低下を示す警報が作動した。3号機では起動に向け1次冷却系の温度を上げており、温度上昇に伴い、格納容器内の再循環に使う水量が増加し、ポンプの部品などを冷やすための流量が低下したのが原因。
さらに、4号機で同日午後3時45分ごろに2回、気体廃棄物処理設備に移す気体の流量が多くなったことを示す警報が作動した。設備の腐食防止のため、原子炉補助建屋にある体積制御タンクの中では窒素を水素に置換する作業をしていて、送り出す混合ガスの流量が一時的に増えたためという。
いずれも設備には異常がなく、再稼働の工程も影響はないとしている。