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除染モデル事業 目安下回らず
6月30日 4時5分

除染モデル事業 目安下回らず
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福島県の避難区域で、効果的な除染の方法を探るために国が行ったモデル事業の結果がまとまり、原発に近い地区では放射線量が最大8割下がったものの、依然として年間50ミリシーベルトを超える厳しい結果となりました。

国が直轄で除染を行う福島県の避難区域では、効果的な方法を調べるためのモデル事業が行われ、環境省は最終結果を公表しました。
このうち、原発に近い大熊町の夫沢地区では、農地、宅地、森林など5つの区分で除染が行われ、年間の積算線量が▽農地で328ミリシーベルトから65ミリシーベルトまで80%下がったほか、▽宅地でも290ミリシーベルトから76ミリシーベルトまで下がりましたが、いずれも目安としていた50ミリシーベルトは下回りませんでした。
また、方法ごとのコストや効率も明らかになり、農地では表面の土と下の層の土を入れ替える方法は、表面を剥ぎ取る方法と比べ処理の必要な土が出ず、コストも大幅に低い一方で、1日に除染できる面積は10分の1にとどまりました。
一方、雨どいの除染では、高圧洗浄と拭き取りの方法でコストや効果はほとんど変わりませんでした。
環境省は「放射線量の特に高い場所では、除染に限界があると言わざるをえない。今後はより効率的な技術を取り入れることなどで、効果を上げていきたい」と話しています。

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