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ダウンロード 罰則化には疑問も残る 06月28日(木)

 開会中の国会で著作権法が改正された。違法配信と知りながらインターネットのサイトから音楽や動画をダウンロードし、自分のスマートフォンやパソコンに取り込むと刑事罰が科される。2年以下の懲役または200万円以下の罰金だ。

 罰則化したからといって違法配信はなくなりそうにない。「通信の秘密」にも関わる問題だ。運用を注意深く見守り、必要なら法の再改正も考えたい。

 ネット上には著作権者の許諾を得ていないデータがあふれている。日本レコード協会によると楽曲が違法にダウンロードされる件数は年間43億6千万件。正規の音楽配信の10倍で、損失は6683億円にのぼるという。

 現状を放置したのでは音楽、映像の文化や産業の将来も危うくなる。対策は必要だ。

 だからといって一直線に罰則化することには疑問も残る。

 ネット上の音楽、映像のどれが合法でどれが違法か、普通の人には見分けがつきにくい。利用者には未成年も多い。軽い気持ちで取り込んだらいきなり刑事罰―となるようでは困る。

 改正法では、違法ダウンロードは親告罪とされた。被害を受けた側の告訴を受けて、警察が捜査することになる。

 ネットからのデータ取り込みは誰もが日常的に行っている。「捜査のため」として、個人のパソコン、スマホに強制捜査が及ぶようになれば「通信の秘密」が脅かされる心配も出てくる。

 日本弁護士連合会が会長声明で今回の改正を白紙に戻すよう求めているのも、国民の基本的権利に関わる問題があるからだ。

 仮に違法なファイルのダウンロードであっても、私的利用にとどまる場合は刑事罰の対象としないのが著作権法の原則だ。2年前の法改正のときにも再確認され、罰則化は見送られた。

 今回の法改正はもともとは、写真にたまたま写り込んだ著作物の使用をある程度まで許容するのが目的だった。違法ダウンロードの罰則化は予定されていなかった。一体改革がらみで政局が揺れる中、自民、公明両党が罰則化を求め、十分な審議のないまま可決、成立した。

 法改正の経緯からいっても運用は慎重にすべきだ。関連業界は合法・違法を見極めやすい表示に努めてもらいたい。

 違法データの氾濫を減らすには、アップロードの取り締まりを強める方が効果的だろう。

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