関西電力大飯原発3号機(福井県おおい町、加圧水型軽水炉、出力118万キロワット)は1日夜、原子炉を起動する。昨年3月の東京電力福島第1原発事故後、定期検査に入ったまま長期間停止してきた原発の再稼働は国内で初めて。5月5日以来続いた「稼働原発ゼロ」は約2カ月で終わることになる。
準備作業、検査は順調に進んでおり、当初の予定通り午後9時ごろに原子炉を起動、2日午前6時ごろ臨界に達すると想定している。
一方、再稼働に反対する市民グループは30日に続き1日も原発のゲート前にとどまり、原発につながる道路を十数台の車で封鎖。雨が降る中、抗議活動を続けている。特別な監視体制の責任者として中央制御室で起動に立ち会う予定の牧野聖修経済産業副大臣らは、急きょ船を使って夕方までに原発構内に入った。
反対派による道路封鎖が続いていることについて、経産省原子力安全・保安院の森下泰地域原子力安全統括管理官は「異常な状態ではあるが、要員の交代や食料の輸送などは問題なく行われている」と述べ、起動への影響はないとの認識を示した。