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「つばさ」とともに

(上) アイドルの夢のせて

2012年06月28日

写真

 ∞ 「東京女子流」メンバー・庄司芽生さん
 週末、東京へ「あっという間」

 「盛り上がっていくよぉー」。5月下旬、仙台市内のライブハウス。ピンク色のペンライトが揺れる客席から声援が飛ぶ。ステージでは、5人の少女がマイク片手に跳びはねる。

 10代の少女たちでつくるダンス&ボーカルグループ「東京女子流(とう・きょう・じょ・し・りゅう)」。質の高い楽曲とダンスで、AKB48に続く次世代アイドルとして注目を集めている。

 グループに、山形新幹線に乗って活動を続けるメンバーがいる。山形県在住の庄司芽生(め・い)さんだ。

 平日は県内の学校で授業、週末になると山形駅から「つばさ」で東京に向かう。そこから全国各地に飛び出し、ライブやイベント、レッスンなど目まぐるしい日々を送っている。

 幼稚園の頃、たまたまスタジオ見学に行ったことがきっかけになり、ダンスを始めた。「恥ずかしがり屋で、最初は見ているだけだった。ある日、踊ってみると、気持ちよくて楽しくて」。安室奈美恵さんに憧れ、歌って踊れるダンサーになるのが夢になった。

 2009年夏。東京で開かれる音楽フェスティバルのダンサーに応募すると、音楽事務所エイベックスの目に留まった。ガールズグループをつくろうとしていた同社のオーディションに誘われ合格。厳しいレッスンを積んで翌10年、東京女子流の一員としてデビューした。

 「経験したことのない世界。不安もあったけれど、周りも背中を押してくれ、ワクワクドキドキした」

 以来、週末の「新幹線通勤」が続く。片道約2時間半。車内では勉強したり、次のライブでの動きを確認したり、ブログを更新したり。「寝てても起きても、あっという間」と笑う。

 デビューして2年。最初はライブに来てくれるファンは200人くらいだったが、今やライブツアーやイベント、テレビなどにも数多く出演。発表したシングルは10枚を数え、台湾などアジアでも発売されている。今年12月の日本武道館コンサートも決まるなど活動は波に乗っている。

 それでも東京へは引っ越さず、山形から通い続けたいと思っている。「家族も地元も好きだから。山形と東京は全然違う。行ったり来たりできるのが楽しい」

 もっと歌やダンスに磨きをかけ、ステージを見に来てくれるファンに元気と笑顔を届けたい。本格的なアジア進出、そして紅白歌合戦出場が目標だ。

 東京、全国、そして世界へ。どんどん広がる活動を、山形新幹線がつなぎ、支える。「『つばさ』が芽生の夢を運んでくれる」。そういって目を輝かせた。

   ◇

 1992年に開業した山形新幹線「つばさ」が7月1日で20年を迎える。乗り換えなしで結ばれた山形と東京の距離は一気に縮まり、人やモノの流れは大きく変わった。「つばさ」に様々な思いを託す人たちを訪ねた。(中野龍三が担当します)

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