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ずっと、石巻を見続けた 巨大鯨缶タンク解体

重機を使って切断される巨大な「缶詰」

 東日本大震災の津波で流され、石巻市内の県道の中央分離帯に横倒しとなっていた巨大な缶詰型のタンクが30日、現地で解体された。
 午前8時すぎ、関係者や地域住民ら約50人が見守る中、周辺の県道約300メートルを全面通行止めにして作業が始まった。高さ10.8メートル、直径9メートルの鉄製タンクは弘前市の解体業者によって特殊な重機2台で少しずつ切断された。7月1日、撤去される。
 タンクを所有するのは地元の水産加工会社「木の屋石巻水産」。飼料用の魚油貯蔵タンクだったが、2007年、缶詰「鯨大和煮」のデザインに塗り替えられた。石巻漁港近くにある本社工場から津波で約300メートル離れた現在地まで流された。
 津波の威力を象徴する「震災遺構」として保存を求める声もあったが、被災者感情に配慮し、撤去を決めた。タンクの一部は同社工場のベンチなどに活用する。木村隆之副社長(57)は「作業を見て、胸がいっぱい。大きな区切りになった」と語った。


2012年07月01日日曜日


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