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| FGT実用化課題「大阪直通」乗り入れも 長崎ルート | ||
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九州新幹線長崎ルート諫早-長崎の新規着工が29日認可され、ルート全体の整備計画が確定した。2022年度当初の開業に向けて整備が進むが、今後はフリーゲージトレイン(FGT)の実用化や山陽新幹線への乗り入れ実現などが課題になる。 FGTは車輪幅を変えることで、線路幅が違う路線の直通運転ができ、新幹線区間と在来線区間を共用する長崎ルートには不可欠な車両。1997年から本格的な開発を始め、昨年までに開発目標としている新幹線区間での最高速度270キロ、在来線区間での急カーブの安定走行など、基本的な走行性能技術は確立したとしている。現在は香川県のJR予讃線で10万キロの耐久試験に入っている。 国交省は本年度予算に約62億円を計上、実用化に向けた新たな試験車両を製作する。来年度からは新試験車両を使い、「新幹線」「軌間変換」「在来線」の三つのモードを一体的に検証する耐久試験に入る予定だ。60万キロを走る耐久試験では車軸など部品の磨耗などを調べ、安全性やメンテナンスコストなどを検証するが、40万キロ時点で行う予定の中間評価が実用化に向けた目安になる。 さらにFGTに関しては、山陽新幹線への乗り入れによる新大阪までの直通運転の実現も課題になる。佐賀県は長崎ルート整備にあたり、「大阪直通」のメリットと必要性を強調している。国交省も費用対効果を試算する際、鹿児島ルート並みの14往復の乗り入れを前提にしている。 ただ、FGTの最高速度は270キロで、山陽新幹線を走るのぞみの300キロより遅い。受け入れ側のJR西日本は「設備やダイヤ、最高走行速度の問題もあり、今後の検討課題」として前向きな姿勢は見せていない。佐賀県はFGTの最高速度を上げるよう要望しているが、国交省は現時点での270キロでの実用化が先決との立場。JR九州はJR西日本と協議して、14往復の実現に努力していく考えを示しているが、直通運転の本数を含め、今後の課題になってくる。 |
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| 2012年06月30日更新 |