ヤフオク
2012-07-01 | 日記
先日に続きます
Mさんと知り合ったのはヤフオクでのこと
もう10年近く前になるけど、用事でアメリカに行っては時間を見つけて
田舎のフリーマーケットやスリフト(リサイクル屋)を廻って、ガラクタを集めて
日本に持ち帰り、ヤフオクで売っていたことがあった
白人のおっさんやメキシカンのおっさんから値切って$2〜$3で買ってきた物が
10倍以上の価格をつけても面白いくらい売れた
パブミラーやTin(缶々のこと)や古い時計、ブリキの看板
古い自転車や三輪車、子供のおもちゃ、ビーンボールのゲーム機があったり
古臭いグラスや灰皿、スーツケースなど、今となればよく見かけるアメリカのガラクタ
日本ではアメリカの60年代のガラクタを「アンティーク」と称して法外な値段で売っていた
ボクがヤフオクで売る値段の5〜10倍の価格
こういうのを『末端価格』っていうのでしょうね
ボクの個人的な考えでは、アンティークなんてものは何百年も前の物を指すのであって
たかだか何十年のレベルのものはアンティークなんて呼ばず、それは「ジャンク」
そう思っていたし、今もそう思っている
アメリカみたいな、たかだか200年程度の新しい国にアンティークは存在しないんだよね
余談ですがね
日本には歌舞伎や能狂言、清元、新内、などの伝統芸能がある
イタリアにはオペラがあって、イギリスにはシェイクスピア
でも、アメリカにはそんなものない、だから映画産業なのでしょうね
腕時計はたくさん仕入れてきた
もともと古いパティックやヴァセロンなどを扱う仕事もしていたので
時計を見る目は少しはあると自負しています
$30くらいの古臭い時計、ハミルトンとかタイメックス、
60年代の古いディズニーのとか、そんなのをいっぱい仕入れた
LAのフリマに店を持ってる時計の修理屋の韓国人のおっさんと仲良くなって
家族で家に遊びに行ったり、時にはおっさんの代わりにフリマで店番をしたりもした
ヤフオクのIDは「antique」と「Junk」を合わせて「Juntique」なんて造語をつくってそれを使った
しっかし、本当に売れた
仕入れ値なんて本当に安いんですよ
相手も家に中にあったガラクタを処分しに来てるんだから高いこと言わない
仕入れの総経費は30万〜40万くらいかな
缶々なんかは5セント10セントの世界で、それが1200円とか2000円とかでも売れた
こちらも、本業ではなく趣味みたいな感覚でやってるから真剣に損益なんて考えてなくて
「これ、かっこいい」とか「売れそう」とか、とにかく適当に感覚で買いまくってた
家族も連れて行ったこともある
娘と女房を連れての初めての海外旅行はアメリカだった
物事、最初が肝心だって言うことで、
ビジネスクラスをマイレージ使ってファーストにグレードアップしてゆったり行った
若いころから常宿にしていたLAX近くの超安いモーテルに泊って、
デイズニーランドやユニバーサルスタジオなんかに連れて行ったり、
アリゾナやテキサスやそこからメキシコに入ったりして、
なんやかんやで10日くらい遊んで帰ってきて、総経費でおおよそ150万くらい
当時、向こうで車を買って持ってて、常宿のモーテルに置きっぱなしにしてた
でも、ワーゲンのラビット(日本名はゴルフ)だったから買い付けたガラクタがいくらも入らない
かと言って普通のレンタカーは高いので「U−HAUL」ってトラックやバン専門のレンタカーがあって
それを借りてその辺を走りまわっていた
探してきた獲物は、運送会社の倉庫にコーナーを作ってもらって置かせてもらい
コンテナに混載させて日本に送っていた
向こうで車を買い付けて送ったことも多々あるんです
昔はシェービーか何かのバンを買ったり、ワーゲンを買ったり
昔は車の中に思いっきり古着やガラクタを詰め込んで送ることができた
今はダメみたいだけどね
しかも、一般的なロングビーチから出すよりも、北のオクスナードから出る自動車運搬の帰り船に乗せると
$600位で日本に送れるっていう超裏技もあったんです
日本からアメ車を探しに来てるヒッポホップの兄ちゃん(業者)は、そんなことほとんど知らなくて
みんな車を送るのに20万くらい払ってたんだ
それを15万位で引き受けて、アメリカ人の若い兄ちゃんを使って
LAからオクスナードまで「代行運転」みたいにして車を毎日何台も運んだことがある
これもけっこうなお小遣いになった
業者さんでこれを読まれている方、もしかして今も可能かもしれませんので
調べて着る価値はあると思いますよ
ヤフオクで売ったガラクタは1か月少しでほとんど売り切れてしまい400万以上の売り上げになった
家族で遊んだ経費を差し引いても、250万くらいの純利益が出た
当時のヤフオクやり取りのコピー
ひとつひとつは安いけど、一日に20も30も落札になるんです
それが7〜8万から、多いときで10万以上になる
自分の会社からのサラリー以外に、10万近い現金が毎日入ってくるのは楽しいものです
当時は臨時収入を申告する意識なんぞは全くなくて、全部使っちゃった
10万って、とっても使い勝手のいい金額なのですね
ぶらりと飲みに行っもちゃんと使い切れちゃうし、かと言って
現場の姉ちゃんと恋愛に発展したり、飲みすぎて二日酔いになったりしない
とってもカジュアルで健康な「飲み」ができるのであります
女房と大好きなフグやフレンチを思いっきり食べたのもこの頃だったな〜
この「Juntique 」というヤフオク上のお店にはたくさんの顧客がついてくれた
面白いことに同じ人がいくつも落札してくれるのです
出品したその場でどんどん入札があって、出すもののほとんどは売れていくのです
95%以上の落札率を誇ってたな
ある信州地方の方はボクが入れてくるガラクタを片っ端から買ってくださった
「いったい、どこに飾るんだろう」って他人事ながら心配してたら
なんと、その方、地元にアメリカのガラクタ小物のお店を作ってしまった
さて、お話はMさんに戻ります
Mさんもボクのヘビー顧客のお一人で、メールは面倒だから電話で連絡を取るようになっていた
Mさんはご自宅一階の70坪オーバーのガレージを飾るためにボクのガラクタを買ってくれていた
そうこうしているうちに、仲良くなってMさんから「一度、うちに遊びにおいでよ」みたいな話になった
ボクはその頃、普段はジャガーのドロップヘッド(日本的に言うと“オープンカー”)を足にしていた
黒に限りなく近いブラックメタリックで内装が黒皮、そして幌もブラック
これって「トリプルブラック」って言ってとっても通好みの組み合わせなんだよ
シートに赤いパイピングを入れようと思ったのよ
向島にパイピングの神様みたいな爺さんがいて、その人にレインジのパイピングを頼んだことがあった
だから、連絡を取ったら、亡くなっていた。。。。惜しい人が亡くなった
。。。。。話が飛んでしまった
ある時、Mさんが大きなパブミラーを買ってくれていたので、直接お持ちしますってことで
車の中には入らないから、ジャガーの屋根を開けてパブミラーを突っ込んだ状態で
都立大のMさん邸までパブミラーを運んだ
玄関で奥様と一緒に待っていてくれたMさんはボクの運搬方法を絶賛してくれ
「ジャガーっていいねー」って言って・・・・・
数日後には僕のよりちょっと新しいXJ−Sの屋根開き買ってしまった
最近、またジャガーに乗りたいなと思ってる
原点に戻ろうかなって