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マリ 武装勢力が世界遺産を破壊
6月30日 23時43分

西アフリカのマリで、世界遺産に登録されているイスラム教の指導者の墓が反政府武装勢力によって破壊され、分離独立を求める武装勢力の攻撃の活発化に国際社会の懸念が広がっています。

マリ北部のトンブクトゥでは、6月30日、15世紀から16世紀にかけて活躍したイスラム教指導者の複数の墓が破壊され、マリ北部で分離独立を求めて活動する反政府武装勢力がフランスのAFP通信に対して犯行を認めました。トンブクトゥには、合わせて16の宗教指導者の墓のほか、イスラム教の寺院=モスクが数多く残されており、1988年に一帯の遺跡がユネスコの世界文化遺産に登録されています。
この反政府武装勢力は、国際テロ組織・アルカイダとつながりがあるグループで、偶像崇拝を禁止するイスラム教の教えを厳格にとらえ、地元で崇拝の対象となっていた墓を破壊したとみられています。マリでは、政府軍によるクーデターが起きたことし3月以降、武装勢力が混乱に乗じて北部の都市を次々と制圧し、ことし5月にはトンブクトゥにある別の指導者の墓を破壊するなど攻勢を強めています。
このため、ユネスコでは先月28日、トンブクトゥの世界遺産で被害が広がるおそれがあるとして、危機にひんしている世界遺産のリストに登録したばかりで、武装勢力の攻撃の活発化に懸念が広がっています。

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