15年くらい前だったと思う
モーガンがほしくなった
モーガンはプラス4とプラス8があるんだわ
レインジローバーと同じエンジンを積んだプラス8よりも
クラシカルなプラス4の方が好きだったけど
女房とのデート車にしようと思っていたからちょい今風な8に決めた
ただセンターロックなんかにはしないよ
「頑張ってる」と思われたくないものね
自然に乗るのが一番かっこいい乗り方だと思ってます
関係ない話だけど、モーガン乗りってなぜか歯科医が多かったな
一度だけモーガンの集会に連れて行ってもらったことがあるけど
キルト履いた奴なんかいて、ちょっと引き気味になっちゃったボクちん
歯科医って自営だから自分勝手な奴が多く
まったくまとまりのない集団で笑った
(歯医者さん、スミマセン)
変にまとまってる軽の集団よりも相当素敵ですがね
モーガンの価格は・・・覚えてないが800万くらいで
なんやかんや合わせると1000万くらいだったと思う
性格的に、一瞬でもほしいと思ったら、どうしてもほしくなる
でも、悩んだところで1000万の金、払えるのかどうか・・・
当時モーガンは5年待ちだった
オーダーしてから5年後に手元に届くのです
長いような気がするけど、モーガンの歴史からしたら
5年くらいどうってことないんでしょう
女房に話したら「買えばいいでしょ」との答え
私は後にも先にも買い物で女房に相談したのはこれが始めで最後だ
ロールス買った時も、船買った時も、
熱川に女を連れ込むマンション買った時も、事後承諾なんです
女房いわく
「5年も待つのなら1000万円くらいできるわよ」
「私がお金は用意してあげる」
さすが割鞘家統領の女房ともなると腹のすわり具合が違うわな
されど、これってモロ見込み発車じゃん
モーガンプラス8
ボディーを森永ミルクココアの色にして、内装はバーガンディ
これでオーダーすることにした
バーガンディって知ってる?
渋みのある濃い赤なんだけど
なんとかって言う映画(タイトル忘れた)でジャンニベルサーチじゃなくて
カプリチョーザじゃなくて、アルパチーノが出る映画
アルパチーノってどこからどこまでが名前で苗字なんだ?
バカンスで家族が留守になった家の老人の世話を若者がするストーリーなんだけど
この老人が物知りで若者にいろんなことを教えるんだ
その中でアルパチーノがポケットチーフの色だったと思うが
「これは赤じゃない、『バーガンディ』という色なんだ」と教えるシーンがある
そのバーガンディにした
ブリティッシュグリーンは「いかにも」であるし、
ソリッドのねずみ色もかっこいいがジジ臭い
オールドイングリッシュホワイトでは車体が大きく見える
ウエストミンスターブルーはつまらない、赤は嫌だ
こういう車は色で目立ってはいけないのです
「おや、まあ!」と思える演出を心掛けないと、ただの嬉しがり屋になってしまう
塗装屋から色見本をもらってこれをイギリスのピーターモーガンに送ってもらうよう
モーガンオート高野に電話してオーダーを入れた
予想通り、5年待ちですがと言われた
「いくらかでも入れましょうか」と聞くと「別にどちらでもいい」との答え
よっし、5年後は女房とモーガンだ!
那須に行こう、帰りに今市あたりの
ビニールのバラバラのカーテンがついてるモーテルに行くんだ!!
モーガンでモーテル、素敵過ぎるではないか!
(3年間お待ちください)
家の電話が鳴った
「モシモシ割鞘ですが」と出たら
「モーガンオート高野です、お待ちの車がさ来月日本に届きます」
モーガン?・・・・お待ちの車?・・・・・・
そうだ!!
俺モーガン、オーダーしてたんだ!!
3年の月日はすべてを思い出に変えてしまっていた
3年前に別れた女のおっぱいなんか覚えてるはずがない
前の月にジャガーのドロップヘッド(“オープン”の英国式呼び名)を
買ったばかり
1000万、1000万、ポケットや机の引き出しや米櫃の中を探したが
“たまたま”無い
女房は「そんなことあったっけ?」とまるで他人事である
さすが割鞘家統領の女房、無責任である
アコムに電話するかモーガンオート高野に電話するか悩んだが
結局、高野に電話した
「あのう、その車って、買った方が・・・いいですよねぇ・・・」
まるっきり弱腰で聞いてみた
でも、いざとなったらどこかから金集めて買えばいいやとい言う気持ちもあった
「あ、別に良いですよ、すぐ売れますから」
そうですかぁ〜、残念だなぁ〜、じゃまた次の機会に
あー、今でもモーガンほしい