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【コラム 私は見た!】

大相撲全体が優勝候補

2012年5月18日

 大相撲の仕組みは、日程が進めば進むほど優勝候補が限られてくるものなのだが、今場所はその原則はどこへやら、とんでもない逆転現象が起こって、日程が進むにつれて優勝可能者の数が増えてきている。こんな場所は記憶にない。一体、どうなっているのだろうか。ざっと数を番付表であたってみたところ、2敗力士1人、3敗2人、4敗9人が、一応は優勝可能の範囲内に入っている。

 突然仕組みが変わって、優勝の規約が変化してしてしまったようなものだと考えた方が分かりやすい。しかも、そこへ持ってきて、先頭を切る力士が正直に言って頼りない。本命視されていた白鵬があんなことでつまずいたばかりに、優勝レースが全く読めなくなってしまった。一応先頭に立っている稀勢の里があっけなく2敗目を喫してしまい、さらに先のことが読めなくなったと言っても良さそうだ。

 こういった競争のあり方は、面白いと言うのか、しまりがないと言うのか、正直なところ、私も表現に困る。こんな優勝争いを見せられると、正直なところ腹が立ってくる。

 たとえば、一番先に名を挙げたいのは、稀勢の里である。序盤戦以来優位を保っていた先頭ランナーの名誉を惜しむ気もなく、栃煌山に星を渡してしまった。相手がひとかたならぬくせ者で、警戒しなければならないことが、どうやら全く計算に入っていないような相撲ぶりだった。

 把瑠都の琴欧洲戦も、攻めがきちんと型にはまっていなかった。この力士には、攻めるにも守るにも、どことなく天衣無縫といったところがある。しかし、それが型にはまらないと、救いがたいものになってしまう。そうしないブレーキのようなものを働かせることもあるのだが、常時必ずどれかが作用しているとは限らない。しかし、それが把瑠都の相撲だというのなら仕方がないだろう。辛抱強く待つより仕方ないのだろう。 (作家)

 

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