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【国際】

中国とベトナム 南シナ海領有争い激化

 【北京=新貝憲弘】南シナ海の領有権をめぐり中国とベトナムの対立が激しさを増している。中国はベトナム近海に資源開発区を設定、南シナ海域の軍事力強化方針を打ち出した。一方、中国とフィリピンの対立も長期化しており、領有権問題は9日から始まる東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議の主要テーマになる。

 国有企業の中国海洋石油(CNOOC)は六月二十三日、南シナ海に設定した総面積約十六万平方キロメートルに及ぶ資源開発区をホームページ上で公開。外資系企業と石油や天然ガスを共同探査・開発する国際入札を呼び掛けた。

 中国外務省の洪磊副報道局長は「正常な企業活動で中国の法律や国際ルールに沿っている」と主張。中国政府はベトナム国会が二十一日、南沙(英語名スプラトリー)諸島などの領有権を明記した海洋法可決に反発。同日中に南沙、西沙(同パラセル)、中沙の三諸島を含めた南シナ海全域を管轄する「三沙市」の新設を発表した。

 資源開発区設定はベトナムへの対抗措置。中国国防省は二十八日の定例会見で「県クラス以上の行政単位(三沙市)には相応の軍事組織を置く」とし、「三沙市」を防衛する軍事力配備を検討していることを明らかにした。「既に南シナ海域を常に軍事パトロールする制度もある」と強調。南シナ海をめぐる中国とベトナムの確執はエスカレートする一方だ。

 また、中国とフィリピンが領有権を争う南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺では両国の艦船などが十五日まで約二カ月間、にらみ合いを続けた。二十日にはフィリピン漁船が香港籍とみられる船に衝突されて沈没、フィリピン人が死傷する事件があり、緊張が高まっている。

 

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