「ヤクルト7-6阪神」(29日、神宮)
守護神藤川を欠く和田虎にさらなる試練だ。阪神・福原忍投手(35)が、腰の異変で1軍登録を抹消されることが29日、わかった。ヤクルト(6)戦で5番手として打者2人に5球を投じたところで緊急降板。今季初黒星を喫した。3年目の二神一人投手(25)が、初めて1軍に昇格する。チームは今季セ・リーグで最大となる5点差を逆転され、今季ワーストの借金4。今季3度目の4連敗を喫した。
無失点で反撃態勢を整え、同点のまま九回の攻撃に勝ち越しを狙う流れだった。悪夢のような光景に、描いたシナリオは砕かれた。八回裏、マウンド上の福原が腰に痛みを感じるアクシデントで緊急降板。そのまま登録抹消となる、重すぎる4連敗となった。
「アクシデントやね。場所が場所だけにね。(腰かと問われて)そうだね。ぎっくり腰じゃないけど、トレーナーがあれ以上は無理だという判断をした」と藪投手コーチ。苦々しく振り返った事態。前夜の福原は中日戦で登板し、この日は移動ゲームだったとは言え、想定外の事態だった。
1死一、二塁の好機で無得点に終わった直後の八回裏だ。福原が5番手で登板。先頭の畠山を2球で二飛に打ち取ったが、続くバレンティンの場面だった。2ボールからの3球目がボールとなると、そこで異変が生じた。福原が屈伸をするなど腰を気にするしぐさを見せ、そのまま投げ続けられない状態に。苦しそうな表情のままベンチに下がり、降板となった。
悪い流れは断ち切れない。代わって渡辺が緊急登板したが、バレンティンと宮本への連続四球と暴投も絡んで1死一、三塁となると、代打・藤本の鋭い打球を平野が捕球しきれず、右前に転がる失策となり勝ち越しを許した。平野は「いやいや、何もないです。見ての通りです」と言葉少なにバスに乗り込んだ。
あまりにも痛い敗戦。帰り際、時折厳しい声を浴びて三塁スタンド沿いを歩いた和田監督は「(渡辺は)1回つくってはいたんだけど、急だったからね」と振り返った。渡辺を責めることはなかったが、5点を先制しながらのまさかの逆転負け。今季、セ・リーグでは5点差以上の展開からの逆転という試合がなかっただけに、不名誉な「今季1号」となった。
試合直後、藪投手コーチは福原に関して「まずはトレーナーの報告を聞いてみないと分からない」と話したが、今季初黒星を喫した上に登録抹消の事態に。今季28試合で防御率0・99という成績を残していた右腕。藤川が負傷で2軍調整中の今、福原の不在はチームにとって大きなダメージとなる。代わって、二神がプロ初昇格の見込みだ。
重すぎる4連敗。福原の離脱…。序盤の5点リードからの「落差」を考えても、あまりにショッキングな敗戦となった。
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