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生レバー“食べ納め”に長蛇の列…15人前注文も

禁止を前に「レバ刺し」を提供する焼き肉店にできた行列
禁止を前に「レバ刺し」を提供する焼き肉店にできた行列
Photo By スポニチ

 生の牛レバー(肝臓)の提供・販売を禁じた食品衛生法の規格基準が1日施行されるのを前に30日、各地の焼き肉店などには、食べ納めで訪れた来客の長蛇の列ができた。現状では安全に食べる有効な対策がないと説明する厚労省に対し、生食文化存続を訴える団体は“脱法レバー”がはびこるだけと主張。安全かつ合法的にレバ刺しを口にできる機会がまた訪れる日は来るのか――。

 東京・蔵前の「ホルモン寺」にはレバ刺し目当ての客が殺到。すでに予約客でいっぱいの中、店外には予約を取れなかった客が諦めきれず長い列。最大約50人が並び、「早く入りたい」と泣く子供の姿も。

 一番乗りは千葉県市原市から来た会社員古屋好宏さん(45)家族。妻と2人の息子とともに午後3時ごろから約2時間10分待った末にありついた。古屋さんは「6人前頼んで、ほとんど僕が食べました。2度と食べられないので、ゆっくり味わった。最後のひと切れはもったいなくて、なかなか口に運べませんでした」と名残惜しそう。

 問い合わせの電話がひっきりなしに鳴る中、レバ刺し作りに追われた寺田穣店長(37)は、「15人前頼む団体もいた。はっきり言って異常」と過熱ぶりにぐったり。「近所の常連さんのためにレバ刺しを続けたが、こんな事態になるなんて。正直、終わってホッとしている」と話した。

 東京・渋谷の「焼肉いのうえ」では普段の3倍のレバーを用意し万全の備え。「予約なしだと、午後11時くらいまで入れない状態です」と田頭慎平店長(28)。

 一番乗りした川崎市の会社員清水久寛さん(26)と東京都北区の北村彰道さん(24)は1人前を2人で分け合い満足の笑み。北村さんは「レバーは焼くと楽しめない。最後と思うとますますうまいです」と話した。

 ◇厚労省による牛生レバー提供禁止までの経緯

 ▼11年4月 焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の3県の店舗で集団食中毒が発生。ユッケなどを食べた5人が死亡、100人以上に症状

 ▼5月 厚労省が衛生基準を見直し、罰則を設ける方針を公表

 ▼7月 生レバーの調査で、食中毒件数がユッケに比べ約5倍。内部から腸管出血性大腸菌O157が見つかったと発表。全国の飲食店に提供自粛を要請

 ▼10月 ユッケなど生食用牛肉の提供基準を厳格化

 ▼12年3月 牛レバーの生食での提供禁止の方針を決定

 ▼4月 食品安全委員会が牛レバーの生食禁止方針を了承

 ▼6月12日 7月1日からの提供禁止を正式決定

[ 2012年7月1日 06:00 ]

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