日本損害保険協会:詐欺対策専門部署を新設へ
毎日新聞 2012年06月29日 20時18分
日本損害保険協会の会長に29日に就任した柄沢康喜・三井住友海上火災保険社長(61)は毎日新聞のインタビューで、保険金詐欺や不正請求に対応する専門部署を新設する考えを明らかにした。柄沢会長は「(不正請求が)善意の契約者の保険料に転嫁される事態を抑制する」と述べた。
警察庁によると10年の交通事故に絡む保険金詐欺事件は251件(前年比39件増)、被害額は6億3497万円(同1億8396万円増)にのぼった。協会は今年度中にも専門部署を作り、罰則強化に向けた法改正の働きかけや英米など海外事例の研究、不正請求のデータベース構築などを進める。
個人向け地震保険の損害認定も現在の、保険金額を100%支払う全損▽50%支払う半損▽5%支払う一部損−−の3区分から、より細かくする検討を進める。一部損とされた時の支払額が少なすぎるとの不満が、東日本大震災の被災者から出ているためで、柄沢会長は「細分化は支払いに時間を要するデメリットはあるが、被災者の要望もあり、見直した方がいい」と述べた。【葛西大博】