国内最大規模のキリスト教会、シティー・ハーベスト教会の幹部5人が逮捕された。少なくとも2,300万Sドル（約14億円）の資金を流用した容疑だ。

逮捕されたのは、教会創設者でカリスマ的存在のコン・ヒー理事長らで、妻でポップシンガーのホー・ヨースン氏の音楽活動を支援するため、2007年から10年にかけ資金を流用したという。

ほかに逮捕されたのは、タン・イエペン副理事長や経理責任者ら。5人は信託義務違反を共謀した罪で起訴される。最高刑は終身刑。

内部通報に基づき警察の商事調査局（CAD）と、浄財で運営される組織を管轄するチャリティー・コミッショナー（COC）が2年前から調査を進めてきた。

COCによると、コン・ヒー容疑者らは非キリスト教徒への働き掛けなどのため、歌手としてのホー氏を利用するプロジェクトを推進。2007年から10年の間に少なくとも2,300万Sドルの教会資金をプロジェクトに流用した。資金はホー氏の活動拠点である米国に送られた。

資金流用では、◇寄付金をクアラルンプールの支部に移転し、それをプロジェクトに充当する◇ホー氏およびコン容疑者の経費を捻出するため多目的口座を設け資金を移転――などの手口が使われたという。