原発事故の際、放射性物質が拡散する方角や範囲を確かめようと風船を使った調査が29日、福井県おおい町成海のホテルうみんぴあ周辺で行われた。
7月1日に予定されている関西電力大飯原発3号機の起動を前に、大阪や京都、兵庫など関西を中心とした有志のメンバー約10人が実施した。
風船は紫外線などで水や二酸化炭素に分解される「エコロジー風船」を使用。「見つけた日時と場所をお知らせ下さい」とのメッセージと担当者の連絡先を記した紙を付けた。参加者らはヘリウムガスのタンクを使って約500個の風船を膨らませ、「せーの」のかけ声で一斉に空へと飛ばした。
風船が飛んだ方角は主に南西の方向だった。参加した20代の女性(大阪府吹田市)は「空はどこにでもつながっているし、風はどこにでも吹くから放射性物質が全国に広がる可能性はある。風船を見かけた人はあらためて危機感を感じてほしい」と話していた。
担当者は、風船の行き先からの連絡を基に方角、範囲を地図にまとめ、7月末をめどに公表するという。