テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―光り輝く神話― 外伝
この小説はいずれ連載予定の小説の試作品です。話はドラマCD『The Best Tales Of The World Radiant Mythology Plus』のストーリーをアレンジしたものです。
あと、主人公の職業は魔法剣士です。
ここはバンエルティア号の食堂。
今、ここで、二人の少年少女がお茶をしていた。
「さあ、お嬢様。お茶とお菓子が用意できましたよ」
そう言ってピンクの髪の少女、カノンノ・グラスバレーにお茶とお菓子を差し出したのは、青い毛並みで妖精にも見える容姿のコンシェルジュ、ロックス。
「ありがとう!ロックス」
「こちらはあなたの分です、ゼノンさん。今日のお菓子は僕の手作りケーキになります。どうぞ召し上がってください」
「ありがとう」
ロックスはもう一人の、白い髪に赤と青のオッドアイの少年、ゼノンにもお茶とお菓子を差し出した。
ゼノンは笑顔でお礼を言った。
「食べよう!ロックスの作ってくれるお菓子はとっても美味しいから!」
「知ってるよ。何度も一緒に食べてるから」
「あ、そうだったね」
「そうですね。ゼノンさんがアドリビトムに来て、ずいぶん経ちますね」
ロックスとカノンノは懐かしむように言った。
「あの時初めて出会ったのは、ルバーブ連山だったよね。あの時のこと、ずっと忘れないと思う。ゼノンは覚えてる?」
カノンノの問いかけに、ゼノンはティーカップを置いて頷いた。
「でも、あの時は本当にびっくりしたよ。だってあなた、空から降ってきたんだもん!」
「そうだったね。それから、アドリビトムの入隊試験を受けて、アンジュたちに出会って、クロエやユーリとかが入ってきたりしてね」
「うん!あなたが来てから、仲間がたくさん増えたね!」
そうして、ゼノンとカノンノはお茶をしながら雑談をしていると、食堂に入ってきた人物がいた。
「あれ?おまえら何やってんだよ?」
「あ、ルーク!」
その人物は、赤い長髪に、白い服を着て、へそを出した男、ライマ国の王位第一継承者で、とある理由でアドリビトムに身を寄せている、ルーク・フォン・ファブレであった。
「なんだよ。おまえたちだけお茶なんてズリぃぞ。オレの分はねぇのかよ?」
「申し訳ございません!すぐにルーク様のお茶とお菓子をご用意しますから」
「当然だろ。……あ、ちょっと待て。オレ、腹減ってるんだよな。もっとガッツリ食えるもんねぇの?」
「そう申されましても……まだ夕食の時間にはまだ早いので、準備が……」
「知るかよ!いいからさっさと作れよな」
ルークはテーブルを叩きながらロックスに言った。
するとまた一人食堂に入ってくる人物がいた。
「ん?どうしたんだ、こんなところに集まって」
それは、ルークよりは短い赤い髪で、薄い格好をした人物で、ギルドアドリビトム発足時からいるメンバーの一人、リッド・ハーシェルだ。
「リッド。どこかに出かけるの?」
ゼノンが尋ねると、リッドは頷いた。
「ああ。ちょっと近くの森まで狩りに行ってくる。ずっと船の中にいたんじゃ、体もなまっちまうしな。いい獲物が獲れたら、みんなで肉食おうな!肉」
「そうなんだ。楽しみだな!」
「良かったね、ルーク。リッドがお肉を獲ってきてくれるって」
カノンノの言葉に、ルークは「はぁ?」と言って答える。
「森で獲ってくるってことは魔物の肉だろ?そんなもん食えるか!」
ルークはテーブルを叩きながら怒鳴った。
「なんでだよ?結構イケるんだぞ」
「そうだよ。僕も前に、リッドと魔物の討伐に行った時に食べさせてもらったけど、美味しかったよ。ウルフの肉」
「嫌だね!オレはイケてない肉が嫌いなんだ!どうしても食ってほしけりゃ、腕のいいシェフでも用意しろよな」
「シェフなんていらねぇよ。新鮮な肉は丸焼きにして食うから旨いんだ」
「そんな下品な食い方できるか!!」
「あのなぁ。肉が食えるってのは幸せなことなんだぞ?」
「知るか!黙ってオレが食いたいもん用意しろっつーの!オレは、鳥かエビじゃなきゃ、食わねぇからな」
「……森にエビはいねぇよ」
リッドは呆れた顔でそう言った。その言葉に、ルークは顔を赤くした。
「う、うるせぇ!羽根生えて、飛んでるエビだっているかもしれねぇだろ?」
「羽根生えて飛んでたら、それはもう鳥か虫だろ?」
「なーっ、うるせぇ!!」
「まーまー!皆さん落ち着いてください!ここはひとまず、お茶をのんでゆっくりなさったらいかがですか?きっと心も落ち着きますよ」
リッドとルークの喧嘩(主にルーク)の間に、ロックスが入り止めた。
「ルークもそんなに怒鳴らない方がいいよ」
「うん。二人とも、喧嘩はよくないよ?」
「喧嘩なんかしてねーよ。怒鳴ってるのだって、こいつがオレの嫌いなイケてない肉を食わせようとするから……」
「オー!このケーキうまそうだな!」
「って聞けよ!!」
ルークは自分の話を無視し、ケーキに夢中になってるリッドに怒鳴った。
「はぁ……お茶の時間くらいゆっくりしたいのに……」
「ははは……そうだね」
カノンノはため息をついて言って、ゼノンは苦笑いをしながら言った。
「あ。いけない!私、あなたにお礼を言わなきゃいけないんだった」
「お礼?なんの?」
「あのね。さっきは私の書いた絵を見てくれてありがとう。いつも本当に、ありがとう」
カノンノは笑顔でゼノンにお礼を言った。
「僕からもお礼を申し上げます。あなたに絵を見てもらってからというもの、お嬢様はとてもいい笑顔をされるようになりました。幼い頃よりずっとお嬢様のお世話をさせていただいておりますが、こんなに嬉しそうなお顔は、僕でも見たことがありません」
「ロックス!変なこと言わないでよ!///」
恥ずかしいのか、カノンノは顔を赤くして言った。
「ふふふ、申し訳ございません。さぁ、リッド様とルーク様の分のお茶とお菓子が用意できましたよ!」
ロックスはクスクス笑いながら、リッドたちにお茶とお菓子を出した。
リッドたちにも加え、お茶をしていると、再び扉が開いた。そこには、黒いタイツを下に着ている少女が息をあげてやってきた。
その人物は、ある出来事で、アドリビトムに入った騎士の少女、クロエ・ヴァレンスであった。
「ゼノン、みんな……ここにいたか」
「クロエ。どうしたの?そんな慌てて」
「ああ、今、アンジュから穏やかではない話を聞いてな」
クロエの言葉に、ゼノンたちは眉を潜める。
「穏やかではない話?」
「ああ、ここのすぐ近くの村が、魔物の襲撃を受けているらしいんだ」
「なんだって!?」
「村のはずれにある洞窟から、魔物が際限なく湧き出ているらしい。強い魔物ではないが、数が多いそうだ。このままでは……」
クロエは途中で口をつぐんでしまった。
このままでは、村が壊滅してしまうと言いたいようだ。
「そんな……そんなの……!このままにしておけない!みんなを助けなきゃ!」
カノンノは立ち上がりながら言った。
「ああ、もちろんだ。騎士として、窮地に陥っている者を放っておくわけにはいかない!」
「僕も行く!苦しんでいる人たちがいるなら、助けにいかないと」
ゼノンもクロエの言葉に同意する。
「やれやれ、そういうことならしょうがねぇな」
「まあ、精々がんばれよ。オレはいかねぇけどど」
ルークの言葉に、クロエは驚く。
「何を言っているんだファブレ!困っている人を助けたいとは思わないのか!?」
「別にぃ。オレには関係ねえし」
「残念だがそうはいかない。これは、アドリビトムへの正式な依頼だからな」
そう言って食堂に入ってきたのは、黒い髪に青い服、ピンクのマントをたなびかせた少年だった。
「あ、リオン!」
その少年は、アドリビトムにいるとある国の王子、ウッドロウの国の客員剣士、リオン・マグナスであった。
「リオンも行くの?」
「ああ、気は進まないが、アンジュに行けと言われてな……」
「なら、よろしく。それにしても、正式な依頼ってことは……」
「お仕事ってことだね。クロエ、リオン、洞窟の場所は?」
「不幸中の幸いと言うべきか、今、バンエルティア号のいる位置のちょうど真下がその洞窟らしい」
「よかった。なら、すぐに行けるね」
「ああ、出発しよう!今すぐに!」
気合いの入っているクロエ。しかしそれは、ロックスの次の言葉で揺らいだ。
「ここの真下というと、海と繋がった洞窟ですね」
「……えっ……海……?」
「ああ、場合によっては泳がなければ進めない場所もあるかもしれないな」
「お、泳ぐ……!」
リオンの言葉で、クロエは顔を引きつらせ、体を震えさせる。
「よかったな、ルーク。エビが採れるかもしれないぞ?」
そんなクロエをよそに、リッドはからかうように、ルークに言った。
「なんでオレが自分で採らなきゃいけねえんだよ!?」
「諦めろよ。クロエやゼノンがやる気なんだ。オレたちが、じゃあ、いってらっしゃいなんてわけにはいかないだろ?」
「それとも、ライマ国の第一継承者ともあろうものが、魔物ごときに怖じ気づいた、というのか?」
「なんだと……いいぜ、やってやろうじゃねぇか!魔物なんかすぐにぶっ潰してやるよ!」
リオンの挑発じみた発言に乗って、ルークは立ち上がる。
「そういうことだ。行くぞ、クロエ」
そう言ってリッドはクロエの肩を叩くが、クロエからは反応がなかった。
「……おい、クロエ?」
「へっ……?あ、ああ!」
「どうしたの、クロエ?すごい汗だよ?」
「大丈夫、怖くない、落ち着け!大丈夫、怖くない、落ち着け!大丈夫、怖くない、落ち着け!」
クロエはまるで、念仏のように繰り返した。
「大丈夫?クロエ?具合悪いなら、無理しない方が……」
「ち、違う!!私は、決して水が怖いわけでは……!」
「……誰も聞いていないのに、自分で告白しちゃったよ」
「何をぐずぐずしている。さっさと行くぞ」
怯えているクロエを、リオンとリッドが引きずっていく。
「離せ!離してくれマグナス、ハーシェル!こ、心の準備がーーー!!」
クロエの涙目の叫びも、リオンとリッドには聞く耳を持たなかった。
「と、とにかく!私たちも行こう!」
「そ、そうだね!」
「お嬢様、どうかお気をつけ下さい!」
「うん、大丈夫。みんなが一緒だから」
カノンノはロックスに言うと、ゼノン、ルークと一緒に、クロエたちを追いかけ、魔物がいる洞窟に向かった。
*
ゼノンたちは、魔物がいる洞窟の中を進んでいた。
「結構、遠回りになっちゃったね」
「ふん。どこかの誰かが、さっきの池に飛び込むのを拒否しなければ、こんな遠回りをする必要がなかったのにな」
リオンはクロエを横目で睨みながら言った。
「バカなことを言うな!!途中で、て、敵に襲われたらどうするんだ!?だから、絶対に水はダメだ!誰がなんと言おうとダメなんだ!」
「オレも嫌だね。オートクチュールの服が台無しになっちまう」
「どうでもいい理由だな」
クロエとルークの言葉に、リッドは呆れながら言った。その言葉に、クロエが即座に反論した。
「どうでもよくない!!私は、命に関わるのだぞ……」
「「クロエ、落ち着いて」
ゼノンはそう言って、クロエの手を握る。
クロエの顔はすぐに赤くなった。
「あ……ああ……///」
「みんな、静かに」
カノンノ言葉に、みんなは静かになる。
耳をすませると、魔物のうめき声らしき声が聞こえる。
そして、ゼノンたちの先には大量の魔物の群れがいた。
「どうやらお出ましまたいだな」
「そのようだ」
そう言いながら、リッドは剣を、リオンは剣と短剣を構える。
「魔物か!?」
「くそっ!やるしかねェのかよ!」
そう言ってルークとクロエも剣を構える。
「みんな、気をつけて!」
「一緒に頑張ろう!」
ゼノンは剣と盾、カノンノは大剣オータムリリィを構える。
「来るぞ!」
リオンの言葉と同時に、魔物たちはゼノンたちに襲いかかった。
*
「魔神剣!」
リッドは魔物に地をはう衝撃波を放つ。魔物たち数匹は巻き込まれ倒れる。
「月閃光!」
リオンは三日月を描くように魔物たちを斬り裂く。
「双牙斬!」
ルークは斬りつけから斬り上げの連続攻撃をする。
「散沙雨!」
クロエは連続の突きを繰り出す。
「虎牙破斬!」
カノンノはオータムリリィで斬り上げから斬り下ろしの連続攻撃で魔物を倒していく。
「瞬迅剣!」
ゼノンは大きく前進し、ものすごい速さで魔物を突き貫いた。
ゼノンが周りを見ると、すでに魔物はあらかた片付いた。
「ようやく片付いたな」
「ああ。これで村の人々も安全だろう」
リッドとクロエがそう言って剣を収めた。
「待って!あれは……」
カノンノが突然声を上げた。
カノンノの声に全員がカノンノの見る方向を見た。
そこには、赤い靄のような煙が、まるで生きてるかのように、動いていた。
「赤い煙……?」
リオンが呟いた瞬間、ドスンという何かの落ちた音がした。
「な、なんだこの音は!?」
「クロエ、後ろ!」
後ろを振り返ると、そこには巨大な魔物がいた。
「デケェー!!なんだこいつ!?」
ルークが声を上げながら言った。その魔物は先ほどまでゼノンたちが戦った魔物とは比べ物にならない大きさだった。さらに、魔物の身体の所々は結晶のようなものに覆われていた。
「多分、赤い煙のせいで、姿が変わってしまった魔物だよ!」
「もしや、魔物が暴れだしたのは全て……」
「こいつが元凶のようだな」
そう言っていると、魔物はゼノンたちを視界に捉えた。
「うわっ!こっち見たぞ!」
「来るよ!」
ゼノンたちは再び武器を構える。
*
「カノンノ!僕と魔術で攻撃しよう!クロエたちは足止めをお願い!」
「わかった!頼んだぞ、ゼノン、カノンノ!」
ゼノンとカノンノは後方で魔術の詠唱を行い、クロエたちは魔物の足止めを始めた。
「幻昌剣!」
「空襲剣!」
クロエは回転しながら剣を振り回し、リオンは空中から斬りかかり、魔物を攻撃する。
しかし二人の攻撃は結晶の装甲によって阻まれた。
「ちっ……!」
「固い……!」
「こいつでどうだ!紅蓮剣!」
次にリッドがジャンプしながら魔物に向かって炎を放った。
炎は魔物の結晶の装甲に当たるが、魔物はわずかにのけ反った。
「効いてる!」
「炎が効いてるようだ!」
リッドは着地しながら言った。
「行くよ!」
「うん!」
「「バーンストライク!」」
詠唱が完了し、ゼノンとカノンノの魔術の複数の火炎弾の雨が魔物に降り注ぐ。
魔物はほとんどの攻撃を受けて大きくのけ反った。
「今だ!一気にいくぞ!」
リオンの言葉に、クロエ、ルーク、ゼノンは青白い闘気、オーバーリミッツ状態となった。
「やってやるぜ!うおおおおおっ!」
ルークは魔物に自身を中心に巨大な闘気を放出する。
「これでも、くらえーっ!」
そして手を突きだし、闘気を一気に放出した。
魔物の結晶の装甲にひびが入る。
「次は僕だ!」
そう言ってリオンは前に出る。
「目障りなんだよ!僕の目の前から……消えてしまえっ!」
リオンは魔物に紫色の闘気をまといながら連続で斬り裂く。
「魔神…煉獄殺!貴様らに何がわかる…!」
止めに強力な突きを放った。
装甲のひびが更に広がる。
「次は私だ!覚悟を決めよ……!」
クロエが次に衝撃波を連続で放ち、剣を突き刺す。
「あらぶる心、無風なる水面のごとく、静まれ……斬る!」
囁くような言葉で、剣を引き抜く。そして剣撃を繰り出す。
「我が剣の前で、安らかに眠るがいい」
魔物の結晶の装甲が所々砕けた。
「止めを、ゼノン!」
「うん!行くよ!」
ゼノンは周りに白い魔方陣を描く。そして、周囲が光の力が放たれる。
「はあああああっ!光に飲まれろ!シャイニング・バインド!」
一気に光が放出される。
魔物は四人の秘奥義を受け、動きが止まった。
「ゼノン、今だよ!お願い、あなたの力で……!」
カノンノの言葉に、ゼノンは自らの力、ディセンダーの力を使った。
ディセンダーの光を浴びた魔物は、結晶はなくなり、段々と小さくなっていく。
「スゲー!魔物が元の姿に戻っていく」
「これがディセンダーの力……か」
ディセンダーの力を目の当たりにした、リオンとリッドは驚いた。
魔物の元の姿はとても小さく、先ほどの姿が嘘のようだった。
「赤い煙は生きたいって気持ちに反応するんだよね。この魔物もただ生きたかっただけなのに」
カノンノは小さくなった魔物を見ながら言った。
ルークはため息をつきながら口を開く。
「そんなのどうでもいいつーの。終わったんだし、さっさと帰ろうぜ」
「依頼も無事すんだ。ここにいる理由はないだろう」
「そうだな。帰ってファラの飯でも食いてえや」
「じゃあ、帰ろうか……」
カノンノはそう言って歩き出すが、何かに気づき立ち止まった。
「どうした?カノンノ」
「危なかった~。ここにも大きな池があったみたい」
カノンノの言葉に、クロエが反応した。
「えっ!?池!?う、うわっ!」
クロエは滑り、池に落ちそうになったが、ルークとリオンの服を掴み、踏みとどまる。
「うわっ!何しやがる!?オレに捕まるな!」
「なっ!離せ!僕を掴むな!」
「お、落ちる!」
「落ちる~~!」
「クロエ!」
ザバーン!!
池に落ちた音が盛大に響いた。
落ちたのはリオンとルークだった。
クロエは間一髪ゼノンに掴まれ、落ちずに済んだ。抱き締められた状態で。
「大丈夫?クロエ」
「ゼ、ゼノン!?あ、あ、ああ…大丈夫…だ…」
真っ赤な顔で弱々しくクロエは頷いた。
「そう。よかった」
ゼノンはそう言って微笑んだ。
「お、お前ら!早く助けろ!」
「だから、僕のマントを掴むな!」
水で溺れながらルークとリオンは叫ぶ。
「やれやれ。そんなに水遊びが好きなのか?」
「これが、楽しそうに見えるか!?」
「わかったわかった。ほら、掴まれ」
リッドに捕まり、ルークとリオンは引き上げられた。
「はぁ……はぁ……お前のせいで、散々な目にあった……」
「服が台無しじゃねぇか……」
「あ、済まない……」
クロエは申し訳なさそうに二人に謝った。
「でも、これで村のみんなは安全だね。よかった。私たち、自分のしたことを誇っていいんだよね」
「当然だよ。僕たちは、誇っていいんだ」
「うん、ありがとう。あなたのおかげで、魔物も元に戻ったし。もちろんそれだけじゃないけど。あなたがいてよかった。心から、そう思えるんだ」
カノンノは満面の笑顔で言った。
ゼノンたちは、怒るルークとリオンをなだめ、バンエルティア号に帰った。
*
一行はアンジュに報告を済ますと、食堂に入った。食堂にはロックスが出迎えてくれた。
「おかえりなさいませ!皆様ご無事で何よりです!おや?ルーク様とリオン様だけ、なんでそんなにびしょ濡れなのですか?」
「ああ…えーっと、ちょっとな」
「……もうこりごりだ」
「びえっくしょん!!う~ちくしょー、風邪引いたかも……」
「それは大変です!少々お待ちください。すぐに温かいお茶をお入れしますから」
「茶なんかで服や髪が乾くかよ!……オレ、風呂行ってくる」
「僕も失礼する……」
そう言ってルークとリオンは食堂を出ていった。
「さてと、オレも腹減ったし。部屋に戻ってファラになんか作ってもらおうかな。悪ぃなロックス。お茶はまた今度にするよ」
ルークたちに続くように、リッドも食堂を出た。残ったのはゼノン、カノンノ、クロエだった。
「言ったゃったね」
「じゃあ、私たちだけでもう一回お茶飲もうか。クロエもね」
「ああ、頂こう」
「いい?ロックス」
「もちろんです」
「ありがとう!」
「いえいえ」
そう言ってロックスは三人のお茶をいれはじめた。
「戦いはこれからも続いていくんだね」
「そうなるだろうな」
「私たちが頑張ることで、本当にこの世界は平和になれるのかな……?」
自身なさげに言うカノンノに、ゼノンは答えた。
「なれるよ。僕らが自分を信じて、平和を望む心があれば」
「……そうだよね!私たちが自分を信じなきゃ、平和なんていつまでも来ないよね。ありがとう。あなたにはいつも勇気をもらえるよ」
「ゼノン、私からも言わせてくれ。ありがとう」
「私、信じることにするよ。みんなと一緒なら、あなたと一緒なら、きっと未来を作れる。そう信じることにするね」
「僕も信じるよ。カノンノを、クロエを、このアドリビトムを!」
そう話してうると、ロックスがゼノンたちにお茶を出した。
「さあ、お茶が入りましたなよ」
「ありがとう、ロックス。じゃあ、飲もうか。いただきます」
「「いただきます」」
三人はお茶を口にする。
「……おいしいな」
「うん。また明日も、お仕事頑張ろうね」
「うん!……また、明日!」
ギルドアドリビトムの物語はこれからだ。
いかがでしたか?感想などありましたら、是非ともお願いします。評価次第で連載するかもしれません。お楽しみに!
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