6月13日(水)の午後、東京藝術大学(以下、藝大)に伺いました。訪ねたメンバーは、水曜日1限の光藤京子先生の「翻訳実務」の授業を履修している学生14名のうちの11名、光藤先生、当日同行してくださったトニー・ハートレー先生の計13名です。
藝大のアートイベント「藝大アーツ イン 東京丸の内」のパンフレットを翻訳するというプロジェクトを、昨年度に引き続き今年度も「翻訳実務」のクラスを履修している学生が担当させていただくこととなったからです。「藝大アーツ イン 東京丸の内」は本年10月30日(火)〜11月4日(日)の6日間にわたり開催される予定で、今年で6回目です。「東京藝術大学は、キャンパスから飛び出し、社会との強い絆を作り出します!」とのキャッチフレーズの通り、三菱地所との共催で、日本のオフィス街の花形ともいうべき丸の内に今回もアートな空間を出現させるそうです。ピアノ演奏、オペラ、映像作品の上映、教授陣の対談・鼎談などが目白押しです。
翻訳にあたっては、十分に下調べをしてのぞむ必要があり、まずは藝大を訪問することとなりました。今回のイベントの対談・鼎談のテーマとして、岡倉天心、フェノロサ、タゴールが含まれるのですが、私たちはその3者についてそれぞれのチームで調べてプレゼンテーションを行い、知識を深めました。パンフレットには、3者の名はただ講演のタイトルとして載せられる程度なのですが、調べれば調べただけ、訳すときに一番ふさわしい表現も選べるようになります。タイトルは短い分、エッセンスを凝縮する必要もあるのです。岡倉天心は藝大の2代目の学長でもあるのですが、それを調べていたおかげで、藝大見学時に学内で岡倉天心の巨大な像を見つけて「だからここに、彼が!」と納得しました。
藝大では、社会連携センターの瀧井敬子先生をはじめ、美術学部彫刻科の深井隆先生や担当者の方々に、非常に熱心に案内していただきました。伺ってまず、ピアノ科のテスト演奏のリハーサルを奏楽堂にて鑑賞。楽器を専門とする学生の試験は演奏であるという、考えてみれば当たり前のことに驚き、そのリハーサルがあるということにもびっくり。素敵な内装の施された広いホールの雰囲気はピンと張りつめていました。さすが、藝大の学生の演奏は素晴らしいもので、皆しばし聞き惚れていました。モーニング・コンサートなども開かれているようです。
そのあとは、建物の中を通って彫刻科の棟へ。屋外で岩の塊にまたがっている学生あり、屋内の天井のとても高い作業場で、マスクをしながら木を彫っている学生あり。深井先生と院生の方々が、同じ学科の中で行われている様々な彫刻の分野や手法について説明してくださいました。日本の仏像の修復を行っている小さな研究室は、黒光りする板張りの床の小さな部屋で、私たちも靴を脱いで上がります。そこで博士課程の学生さんが修復していたのはおよそ平安時代に遡れる木造の仏像で、仏像から年代が割り出せるのは、眼球の彫り方に特徴があるからということでした。仏像が手に持つ道具によっても、どんな仏様なのかが分かるそうです。
その次には日本画の研究室へ。ここでも、時とともに劣化する絵の修復作業を通じて日本画の理解を深め、技術を習得しているそうです。修復に欠かせない糊を朝7時から炊き出したり、大きな作業台を仲間と協力して運んだりすることで、昔の絵師の文化や協調の心構えも学んでいると聞いて感じ入りました。
藝大を歩き回って程よく疲れたところで、おいしいコーヒーとお菓子を出してもてなしていただき、充実の見学会でした。藝大の瀧井敬子先生は「本学の展覧会やイベントでも、さまざまな言語で作品を紹介したいと考えている。これを機に、学生同士の積極的なコラボレーションが始まれば」とおっしゃっていました。確かにその通りです。このような機会をいただくばかりでなく、私たち学生がもっと主体的に、自分たちが学んでいることや持てるスキルを使って何ができるかを考え、行動していくことが大切だと思いました。
翻訳作業は、これから細部を詰めていく予定です。皆さんも、10月末からのイベントに是非足をお運びください。そして、そのパンフレットにも目を止めてみてくださいね!
2012年6月13日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士1年生
中嶋亜衣
Our first lecture of the spring semester was delivered by Professor Hiroko Tina Tajima, Associate Professor of Shirayuri College, English Department. Besides teaching, she is also an interpreter in three languages: Japanese, English and Mandarin Chinese. Born in Japan and raised in the U.S., Singapore and Hong Kong, she is trilingual as well as tricultural.
Prof. Tajima started by giving an introduction of Singapore. Between the 16th and 19th century, the European colonial powers, such as the Portuguese and the Dutch, gradually took over the Malay Archipelago. In 1819, Sir Stamford Raffles, Lieutenant Governor of the British Colony, arrived in Singapore and soon realized that the island was geographically perfect for establishing a new port. In the next 50 years, the population grew rapidly from 1,000 to 100,000, mostly Chinese and Indian immigrants. Japan briefly occupied Singapore for 3 years in 1942, but Singapore reverted to British control as soon as WWII ended. Singapore became an independent nation in 1965. Currently, the majority of the Singapore population is of Chinese ethnicity, followed by Malays, Indians and others such as Arabs and Eurasians.
Prof. Tajima then moved on to talk about the education policy, explaining the Singapore education system in great detail. Singapore’s national language is Malay, but it recognizes four official languages: English, Malay, Mandarin Chinese and Tamil. The country has a bilingual education policy, where students must learn English and one of the other official languages. The future of Singaporean children is decided very early on. They take various tests in school and getting a high score in these exams allows one to proceed to a good school and subsequently to a university. However, that path may be over for some at the young age of 10, if they do badly at the Primary 4 test. The students also need to produce consistently good results in their PSLE in Primary 6, GCE ‘O’ or ‘N’ Level in Secondary 4 and GCE ‘A’ Level in Junior College. Hence, there is great burden in young children in Singapore to excel academically.
As a result, there is an increasing number of youths who have lost hope in their future. In order to combat this problem, the Singapore government has lowered the education standards, making it easier for students to pass exams. Prof. Tajima then compared the current situation with her own experience studying in Singapore. Back when she was still in school, she spent most of her time studying and getting ready for classes, but nowadays students spend more times pursuing leisure activities, rather than focusing on their studies.
After the 60 minutes lecture, there was a lively Q&A session with the audience. Prof. Tajima and the audience discussed and compared the different education system in the United States, United Kingdom, Japan and Singapore.
All in all, it was a very entertaining lecture and a great experience for us interpreter trainees. All the students in our class were both nervous and excited at the opportunity to interpret live in front of an audience for the first time. I did not have the chance to join my classmates in the booth this time as I was the MC, but I could feel their struggles as they worked hard to interpret and was cheering them on throughout from outside the booth. Nobody gave up and everyone persevered till the very end and I could not be more proud of my classmates. I feel that our class has grown closer as a team through this experience. I am really glad that we managed to survive our first live simultaneous interpreting as a group. We could not have done it without the support of our teachers and fellow course-mates. I would like to thank Prof. Chikako Tsuruta for inviting our guest speaker and providing us with this rare opportunity. I greatly look forward to joining my classmates in the booth for the next lecture.
Last but not least, I would like to express our sincere gratitude to Prof. Hiroko Tina Tajima for the very informative lecture, and to the audience for their attendance and participation.
2012年6月24日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化4期生
アイミー・サリム
2012年1月27日(金)に、東京外国語大学講義棟204教室にてトニー・ハートレー教授による講演が行われ、本年3月に国際コミュニケーション・通訳専修コースを修了する8名の大学院生が英日の同時通訳を担当しました。今回は、通訳や翻訳のご経験があり、現在は英国リーズ大学にて機械翻訳を専門に研究されているトニー・ハートレー教授にお越しいただき、 “the future of translation”という題目で講演をしていただきました。学生代表を務めた廣瀬がハートレー教授と連絡をとったのですが、ハートレー教授は非常にレスポンスが早く、資料も逐次転送していただいたので、通訳者は準備には困らなかったと思います。また、講演会の準備を行う上で浮かんだ疑問に対しても、丁寧にご説明いただいたり、参考資料を紹介していただいたりしたので、通訳者にとって大変協力的な講演者でした。また、講演会本番の3時間程前にも、当日使用する最新のパワーポイント資料をパソコンのメールアドレスに転送していただき、通訳者に対して気を使っていただきました。
講演会の準備としては、教授からいただいた資料に目を通したり、通訳者でミーティングを行って訳語の統一を行ったりしました。今回の講演のトピックは機械翻訳ということで、テクニカルに陥りやすいテーマなのですが、ハートレー教授は一般的なことしか話さないとおっしゃっていたので、機械翻訳や翻訳の現状に関して広く浅い知識を収集することに努めました。
講演会では、ハートレー先生はアニメーションやウェブサイトを駆使し、視覚的にも聴覚的にも刺激の多いプレゼンテーションをして下さりました。今回の卒業講演会では翻訳に興味のある方が大勢聴衆として参加し、丁寧かつライトな教授のお話に引き込まれていました。
今回の講演会をもちまして、国際コミュニケーション・通訳専修コースの大学院生の同時通訳演習は終了いたしました。卒業講演会のスピーカーを務めてくださったハートレー教授、今までのあいだ厳しくも温かいご指導を賜った鶴田知佳子先生と内藤稔先生に感謝申し上げます。また、講演会の運営を手伝ってくださった後輩の皆様にもお礼申し上げます。ありがとうございました。
2012年1月30日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化4期生
廣瀬まり奈
2011年12月16日(金)の講演会には、米ビルボード誌東京支局長であるロブ・シュワルツ先生にお越しいただきました。シュワルツ先生は日本の音楽や映画などの文化を専門分野としておられ、以前にも2回ご講演いただいています。
3度目にあたる今回は、日本ヌーベルバーグ映画について芸術、社会、政治という観点からお話をいただきました。日本ヌーベルバーグとは1959年から1970年中頃にかけて日本で起こった映画におけるムーブメントや、それらに関わる監督などの人物を指す語です。シュワルツ先生によれば、日本ヌーベルバーグはそれまでの日本映画の構成や技巧を脱し、また貧困や安保闘争などといった問題をより現実的に描写するとともに、日本人たること、日本人らしさを再考する試みを持ったものでした。
質疑応答においては聴衆の皆さまから多くのご質問をいただき、日本ヌーベルバーグが現代や海外の映画に与えた影響、当時の社会における西洋化と日本人のアイデンティティーなどについてのお話をいただきました。また、日本ヌーベルバーグ以前の黄金時代とそれ以降を比較する上での良い材料として、小津安二郎監督の『東京物語』と今村昌平監督の『豚と軍艦』を挙げていただきました。
シュワルツ先生もおっしゃっていましたが、自分たちの文化について何も知らない、と言うのは非常にもったいないことであると思います。日本ヌーベルバーグの時代は日本人の価値観が大きく揺れ動いた時期でもあり、その中で提示された疑問や苦悩というものはどこか現代に通じるものがあると感じました。まずは先生にお勧めいただいた日本の映画を手掛かりに、日本の文化を訪ねて見ようかと考えています。
最後に、師走の慌ただしい折にお越し下さいましたシュワルツ先生、貴重な機会を与えて下さった鶴田先生、内藤先生をはじめ、ご協力、ご来場の皆さま、そして拙い司会や急な振りに対応して下さった通訳コースの仲間たちに感謝を捧げつつ、筆を置かせていただきます。
2011年12月16日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化4期生
福田篤人
12月3日、名古屋外国語大学にて第5回学生通訳コンテストが行われ、10の大学の代表者が日英・英日の逐次通訳の技術を競いました。本学からは僭越ながら私が参加させて頂き、第3位を獲得することができました。
今回のトピックは「文化と医療」で、日本とオーストラリアの医療とその背景にある文化の比較がなされ、私はその中でも「がん治療」というサブトピックを担当しました。日本のがんの完治を目指す治療には目を見張るものがありますが、一方オーストラリアは患者の心のケアに焦点を当てており、緩和医療の導入や検診の促進など、お互いがお互いの医療から学ぶべき点がある、という内容でした。重要であるとはわかりつつも、普段は苦手意識を持って敬遠してしまいがちな「医療」という分野でしたが、今回そのテーマに正面から向き合い、医学についての教養や日本の医療保険制度などの知識を身につけることができたことは、大変良い機会だったと感じています。
出場学生による通訳パフォーマンス後、神田外語大学の柴原智幸先生による同時通訳デモンストレーションが行われ、さらにはこの特化コースでもお世話になっている新崎隆子先生によるご講演がありました。新崎先生のお話は大変ユーモアに溢れた面白いもので、特に「通訳者の喜怒哀楽は、異文化間の相互理解を求める奮闘のあかし」というメッセージが心に残りました。今回の通訳コンテストで、上手くいった点もあれば、反省点やまだまだだなと感じさせられる点もたくさんありましたが、そうした感情が通訳のやりがいや、さらなる魅力の発見につながるのだと実感し、コンテストの経験を今後の学習に生かして努力を続けていこう、という気持ちがますます強くなりました。
また、他の出場学生のみなさんのパフォーマンスにも大変刺激をうけ、自分と同じ通訳を勉強している仲間が増えた事でモチベーションも上がりました。スピーカーの方々や審査員の先生方からも非常に有益なお話を聞くことができ、勉強になったと共に、今回の大会を通して得た出会いを大切にしたいと思いました。
最後になりましたが、お忙しい中時間を割いてアドバイスを下さり、大会に向けてご指導下さった先生方や先輩方、そして先生方とともに引率して下さった金田様に感謝申し上げます。また、日ごろの練習に付き合ってくれた同期の仲間たちの応援にもとても支えられました。本当にありがとうございました。
2011年12月5日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化6期生
河西由香
2011年11月20日外語祭の機会に合わせて、本コースの交流会が開かれました。11人の卒業生の先輩方にお集まりいただき、鶴田先生、内藤先生と11人の在校生を合わせて、計24名が830教室に集まりました。久しぶりに集まった同門の方々と皆さま話に花が咲き、あっという間の2時間半でした。
先輩方のご在学中の様子や、社会に出てからの様々な場でのご活躍を伺うことができ、私たち在校生も大変に刺激を受けました。何事に関してもそうですが、本コースでも先輩方との縦のつながりは、貴重な財産だということを再確認しました。通訳の実習、修士論文・研究の執筆、就職活動など、卒業生のお力添えをいただきたい場面がこれからも多くありますので、今後ともご支援、ご指導の程、よろしくお願いいたします。
このような交流の場を今後も続けていきたいと思っておりますので、今回ご都合がつかず参加いただけなかった皆さまも、またの機会にぜひご参加ください。皆さま方の国内外でのご活躍をお祈りしております。
2011年11月20日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化4期生
恩田南
外語祭期間中の11月20日(日)、2011年度第2回オープンキャンパスが開催され、鶴田ゼミの活動報告を行いました。
まずは、国際コミュニケーション・通訳特化コースの説明を簡単にさせていただいた後に、来年度に本学が学部再編を控えていることから、本発表では新設される言語文化学部・グローバルコミュニケーションコースについての紹介もさせていただきました。とりわけ、本コースに関係のある「通訳論」「コミュニティ通訳論」に焦点を当て、それぞれの特徴や差異などもお話ししました。
また、本コースで行われている研究内容にも触れました。本コースを修了された先輩方が取り組まれてきた研究のテーマや、今年度修士論文・修士修了研究に取り組まれている先輩方のテーマも適宜取り上げました。
最後に、私の研究テーマを紹介させていただきました。最初に「言語的距離」とはどのようなものであるかを先行研究などから考え、その「言語的距離」が同時通訳に与え得る影響についてもお話ししました。先行研究で行われた実験を例に、お越しいただいた方々にもどのような訳出が可能なのかを考えていただきました。
昨年の夏と秋、そして今年の夏はオープンキャンパスで体験授業を担当させていただきました。その際は授業ということもあり、参加型の授業を運営することができたのですが、今回は発表ということで、ご来場の方々とのやりとりを上手く組み込むことができなかったことが残念に思います。また、本コースを修了された先輩方の研究に関する質問を発表終了後にいただきましたが、専門的な内容に関しては十分な説明をすることができず、大変申し訳ない気持ちも残りました。
今回は12月に控えるゼミでの発表、1月の修士論文・修士修了研究構想発表会に向けて、準備を進めるための良い機会になりました。当日に機材の準備や呼び込みをして下さった外語祭実行委員会の皆様、今回の発表の機会を下さった鶴田先生、ご来場いただいた皆様に感謝申し上げます。
2011年11月20日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化5期生
町田智
オープンキャンパスでは、国際コミュニケーション・通訳特化コース6期生3名が「学生による通訳入門」と題して模擬授業を行い、たくさんの方にお越しいただくことができました。
開始時間前から、教室の外には行列ができており、英語・通訳・コミュニケーションに興味を持った方がたくさんいらっしゃることを知り、私たちも大変うれしく感じました。
授業内では、簡単にコース説明と通訳について紹介したあと、実際にお集まりの方々に通訳トレーニングを体験していただきました。シャドウィングや、逐次通訳を行ってピアレビューをするといったアクティビティを体験してもらいましたが、みなさん協力的で、声を出して熱心にトレーニングに参加してくださり、活発な授業になったと思っています。また、日英の逐次通訳ではみなさんもよく知っている「桃太郎」を教材として扱いました。自分が聴いたことがある話でも、英語でなかなか相手にわかりやすく伝えられないこと、ただ伝えるだけではなく、コンテンツ面とデリバリー面の両方に気を配って伝えることは難しいことを実感していただけたと思っています。さらに、在学生のデモンストレーションによって具体的にノートテイキングのコツを紹介しました。特に学生のみなさんは、入試や模試などのリスニングテストで活用することも可能なテクニックだったこともあり、説明に聞き入ってメモを取っていらっしゃる様子が印象的でした。
初めての体験授業で不安もありましたが、みなさんが私たちの説明にうなずき、時には笑ってくださり、とても和やかな雰囲気の中で授業を進めることができました。また、私たちも授業を計画する上で、通訳トレーニングの際に気をつけなければならない点などを再確認することができたので、今後の学習の励みとなったと感じています。今回の体験授業で、少しでも多くの方が英語・通訳・そしてこの特化コースに興味を持っていただけたら幸いです。お集まりくださった皆様、そしてアドバイスをくださった先生方や先輩方に、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
2011年11月27日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化6期生
河西由香
2011年11月4日本学に於きまして、来年5月3〜4日にスイスで行われる、現代のリーダーと未来のリーダーを世界中から集めた会議、サンガレンシンポジウムについての説明会が行われました。運営団体よりJohannes Krempien氏をお招きし、概要や応募方法などについてお話しいただきました。
サンガレンシンポジウムとは
経営学でヨーロッパにおいてトップレベルを誇る、スイスのサンガレン大学にて開催されるシンポジウムで、世界中より経営者、政治家、学者、その他各界のデシジョンメーカー、さらには次世代を担う学生たちを集めて行われます。毎年のシンポジウムにはトピックが定められ、文化や世代の垣根を越えた多種多様な視点から議論が重ねられます。来年のテーマは「リスクに立ち向かう(Facing Risk)」。リスクとは、必ずしも害をもたらすものではなく、成長や革新のためには、むしろリスクを取る必要があるという思いの下、このテーマを決められたそうです。リスクとは、戦争やテロ、自然災害、移民や人口問題、年金やエネルギーの問題など、様々なものを含みますが、どれをとっても現代の日本とは切り離せない問題ではないでしょうか。
学生の応募方法
応募資格があるのは、1982年以降生まれの大学院生で、応募方法は、今年のテーマ“Facing Risk”に関する英語またはドイツ語のエッセイ等の提出です(2012年2月1日締切)。審査を通過した100名の学生は、旅費や滞在費などをすべて含めて、シンポジウムに招待されます。昨年度の日本からの参加学生は、イギリスとアメリカに続き、なんと3番目に多いそうです。詳しい応募方法はこちらのサンガレンシンポジウムのHPをご覧ください。
サンガレンシンポジウムの歴史と運営
来年42回目を迎えるサンガレンシンポジウムは、1969年サンガレン大学で5人の学生が運営団体を立ち上げたとき以来、毎年欠かさず行われています。最初は学生とスイス国内の著名人合わせて100人だったものが、今では世界中から集まった学生200人とデシジョンメーカー600人が集まる、他に類を見ないシンポジウムとなったそうです。驚くべきは、そのすべてが学生NGO団体によって運営されているということ。本学にいらっしゃるのは今回で2度目のJohannesさんも、現在日本各地の大学で説明会を開くとともに、来年スイスに招くスピーカーとの参加交渉に勤しんでいらっしゃいます。そのご活躍にも、同年代のひとりとして大変刺激を受けました。
最後に、今回ご講演いただきましたJohannesさん、この場所を与えて下さった鶴田先生、内藤先生、そして説明会に集まって下さった皆様に、感謝申し上げます。ご興味のある大学院生はぜひ、サンガレンシンポジウムに応募してみてください。
2011年11月4日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化4期生
恩田南
10月28日(金) 後期に入り最初の講演会が開催されました。株式会社日本総研情報サービスの代表取締役専務である辛坊正記氏をお迎えし、日本経済が直面している問題についてご自身の著書とも関連させて『日本経済の不都合な真実−明るい未来のためになすべきこと−』というテーマでご講演いただきました。
新聞やニュースで日本企業の競争力低下や政府の借金増大など日本経済が抱えている問題を見聞きすることがあっても、それらがどう私たちに影響してくるのか、ということまではあまり深く議論なされていないような気がします。また3月の東日本大震災からどのように日本を再び復興させていくかということも現在の日本が抱えている大きな課題だと思います。
辛坊先生は、日本経済が抱えている課題を大きく二つに分けて分かり易く説明してくださり、それらを取り巻く楽観的観測や回避案などを織り交ぜつつ、真に必要なことは何なのかをお話くだりました。日本の現状は必ずしも私たちが思っている程、安定していないのだと様々な側面から説明してくださいました。
現在、世界で起こっている金融危機を初めとする様々な経済危機は日本にとって対岸の火事では済まされないこと、そして円高のように目に見えるものよりも、目に見えないものの法が圧倒的に恐ろしいのなのだと感じ、また今危機に直面している国々が身を持って教えてくれているような気がします。
また、今回の様に深く経済に関する講演を通訳するにあたり、普段あまり使い慣れていない経済用語や概念などを勉強することから始めたので、講演後には以前よりも経済に関する知識や単語が増やせたとともに、多くの課題や改善点を見つけることができたと思います。また私自身は通訳を担当しませんでしたが、講演会準備などを通じて今回の一時間という短い講演ではお話できなかった以上のことが学べたと思います。
ともあれ、今回の講演をきっかけに、これから日本を背負っていく若い世代の人たちが新たに将来のあり方について考えることが、辛坊先生が一番伝えたかったことだと思いました。
ご多忙にも関わらず本学まで足を運び、素晴らしい講演をしてくださった辛坊先生に心より御礼申し上げるとともに、このような貴重な機会を与えてくださった鶴田先生、内藤先生をはじめ、ご協力いただいた関係者の方々、お集まりいただいた皆様にも深く感謝いたします。
2011年10月28日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士2年
大村梨花
7月15日(金) トムソン・ロイター・マーケッツ株式会社より、北松克朗先生にお越しいただきました。北松先生は同社にお勤めになる以前に新聞社にて、様々なご経験をされており、通訳を務める学生は「どのようなお話をされるのだろう」と大変苦労したようです。
私たちはテレビや新聞、インターネットなどを通じて「ロイター」という名前に日々接していることと思います。2007年に社名が「トムソン・ロイター」となり、国際的な情報・データベース提供企業として、より充実したサービスが可能となりました。ロイターがイギリスで誕生した企業であるということは多くの方がご存知だと思いますが、その発端は、「伝書鳩」による情報伝達であったというお話には驚きました。
またロイターと言えば、金融関連の報道や、紛争地での活動が多いように思われがちですが、同社の報道部門は、5つの分野にわかれているそうです。市場・経済ニュース、政治・リスク関連ニュース、株式・企業ニュース、商品・エネルギーニュース、そしてスポーツ・エンターテインメントです。ただやはり、金融市場に関連した報道が主流であり、変化するマーケットの情報を1秒でも早く届けるためにはどうすれば良いか、といったお話が印象的でした。また国内の読者を中心に捉えた日本のメディアとは異なり、ロイターはグローバルな面で価値のあるニュースを届けているという点に「なるほど」と納得するところがありました。
北松先生には、私たち学生の希望として「経済」にまつわるお話をお願いしていました。北松先生が注目される項目として、リーマン・ショック後の世界経済、また世界経済における新たなリスク要因と、2つに分けてお話いただきました。
また質疑応答の時間において北松先生の考える経済ニュースの見方についてご意見をお伺いしたのですが、経済全体を把握するには「市場の動きをみることが一番効率的」とおっしゃっていました。マーケットを動かす要因、またマーケットの変化により生じた出来事などを調べれば良いのではないかということでした。
質疑応答の時間においてはさらに、ロイターニュースの速報体制、ナショナリズムの捉え方、また北松先生の過去のご経験についても詳しくお話いただきました。今回の講演会においては、ロイターという報道機関のお話に留まらず、記者という職業についても多くのことが学べたように思います。
最後に、ご多忙中にもかかわらず本学までお越しいただき、ご講演くださった北松先生に心より感謝申し上げます。またこのような貴重な機会を与えてくださった鶴田先生、内藤先生をはじめ、ご協力いただいた関係者の方々、お集まりいただいた皆様に改めて御礼申し上げます。
2011年7月15日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化4期生
良英里子
On July 1, we welcomed Professor Timothy J. Wright from Otsuma Women’s University for the third lecture of the spring semester. Other than working in Otsuma Women’s University, Prof. Wright teaches in Keio University School of Medicine, University of Tokyo and of course Tokyo University of Foreign Studies while at the same time he actively engages in a number of speech contests as a judge.
Prof. Wright treated us to a lecture, which was motivating and laced with humor under the title of “Public speaking in Japan ~with a focus of a speech contest judge and trainer~”. He also shared with us some public speaking methodologies.
In the beginning of the lecture, he introduced to us four Japanese English-teaching experts. They are Kunihiro Masao, a famous Japanese interpreter who writes books on English learning; Toru Matsumoto, a founder of NHK English radio and TV, Michihiro Matsumoto, a Time Magazine specialist and Hyde Yano, a English radio specialist. Prof. Wright said “Eigo no hanashikata (The way to speak in English)”, a book written by Mr. Kunihiro, is his bible, and he recommended it to us.
Following that, he gave a brief overview of Matter vs. Manner. He said that matter is the content of the speech whereas the manner is the way to speech. As for Matter, Prof. Wright mentioned that a speaker has to state a point, reasons, a few examples and finally the point one more time. He also mentioned the significance of an effective opening/introduction, a clear reasoning, understandable examples and a closing conclusion.
Following that, he referred to Manner and talked about pronunciation, accent, articulation, enunciation, dramatic inflection, creative facial animation, dramatic pause voice projection and so on. He took some consonant pronunciations, such as f-v, th, ae, W, as examples. Although he emphasized that many Japanese hesitate to pronounce f-v, the sounds, the main problem for Japanese is W sound. We practiced these pronunciations using some sentences which Prof. Wright gave us. In this part, we could gain a better idea about Manner. Prof. Wright said that sometimes Manner is much more important than Matter.
Many in the audience seemed motivated by the lecture, and they were able to learn about public speaking Prof. Wright gave us some important messages regarding not only public speaking but also our life.
I was especially inspired by the message: “A college is what you make of it”, a comment which Mr. Wright’ mother gave him on the first day of the college. Prof. Wright said that we, university students are lucky. Because if we want to practice English, we can take part in some speech contests or make friends with foreign exchange students on campus. I realized the fact that we already have many opportunities in front of us, but we have not recognized nor made the best of it. I am sure that all of the students were encouraged and received the energy from Prof. Wright.
All in all, it was a very enjoyable and truly funny lecture, and we were fortunate to receive high attendance from both inside and from outside the university. On behalf of the students from the International Communication and Interpreting Course, I would like to express our sincere gratitude to Prof. Wright and everyone who kindly came over to listen to his lecture, as well as to Prof. Naito for presenting us with such a dynamite opportunity.
2011年7月1日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化4期生
杉山真理
The second lecture of the spring semester was delivered by Mr. Masaaki Kameda, Editor of the Shukan ST, a weekly newspaper for English language learners published by The Japan Times.
The first half of the lecture was a general introduction to the various English newspapers in Japan in which Mr. Kameda took us through a timeline of the establishment of different English newspapers from the Nagasaki Shipping and Advertisers in 1861 to the present. The Nagasaki Shipping was the first newspaper to be published in Japan and the first Japanese newspaper, the Kanpan Batavia Shimbun, was published the following year. In the latter half, he covered the history of The Japan Times- the founders, the aims behind its inception, the various publications and so on. The Japan Times, although established in 1897, can be traced back to the Nagasaki Shipping, making it the oldest extant English newspaper in Japan, as well as the oldest Daily. Unlike other newspapers which mostly contain articles translated from their Japanese counterparts, a majority of the articles in The Japan Times are original pieces authored by a mostly Japanese staff.
We also gained a better idea about the Shukan ST, which used to be known as Student Times till 1990 but currently has a much broader readership. It runs articles ranging from the main news items of the week to entertainment and TOEIC preparation material, most of which either have the gist or the difficult word meanings given in Japanese. Weeklies like the Shukan ST, designed specifically for English language learners, are unique to Japan.
Mr. Kameda also gave a brief overview of the history of Japanese newspapers, expressing concern about the future of newspapers, as an increasing number of newspapers are focusing on online versions and exiting the world of print. His enthusiasm for his work and the paper were evident throughout the lecture.
Mr. Kameda brought copies of all the newspapers and editions he talked about and had the full attention of the audience with all the interesting tit-bits of information and questions interspersed throughout the lecture. Most people in the audience seemed surprised at the fact that the total number of employees in The Japan Times is just 140, including around 30 non- Japanese staff members. Towards the end of the lecture, we also had a pop quiz with prizes including a copy of the very first edition of The Japan Times.
All in all, it was a great lecture and a great experience for us interpreter trainees. I would like to express sincere gratitude to Mr. Masaaki Kameda, for the very informative lecture.
2011年6月3日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士2年生
ニシャ・パラメシワラン
5月6日(金) 今年度最初の講演会が開催され、修士2年の学生が初めての同時通訳実習に臨みました。今回は、米国大使館文化・交流担当官を務めておられるデール・ラージェント公使をお迎えし、日米文化関係について “Japan-U.S. Cultural Relations: Looking Back, Looking Ahead” というテーマでご講演いただきました。
昨年、日米安全保障条約同盟が50周年を迎えましたが、日米関係のこれまでの歩みをふりかえると、安全保障に限らず経済、科学、教育、文化といった多くの分野で両国がかかわってきたことがわかります。特に文化面に関しては、スポーツ、美術、クラシック音楽からポップカルチャーまで多岐に亘る例を挙げてくださいました。日本に住んでいる私たちでも初めて知る現代美術や文化施設の情報が多くありました。通訳を務めた学生も大変興味を持ち、準備中に「直島に行きたい!」という声が上がるほどでした。
また、普段当たり前のように目にしていますが、東京は実に多くの米国文化に触れる機会に溢れている、とラージェント公使はおっしゃっていました。確かに国際映画祭をはじめとしたイベントが日々開催されていますし、テイラー・スウィフト、レディー・ガガの名が出たときオーディエンスの学生の多くがうなずく姿が見受けられました。いかに私たちが、身近なところで文化的なつながりを享受しているのかを再認識することにつながったと思います。
人と人とのつながりに目を向けてみると、教育交流プログラム、今や200を超える姉妹都市交流などに私たちは恵まれています。その一方で、米国への留学生数が減少傾向にあることも事実です。そこで、これからの日米関係を考えていく必要があり、その際 “outreach” が重要になってくるそうです。ラージェント公使の日本勤務は今回が2度目ですが、前回、1990年代にいらしたときと比較し、従来の交流プログラムが現在のニーズと合わなくなってきていることにお気づきになったそうです。新しい取り組みとして、米国大使館のツイッターや、Connect USAというウェブサイトを紹介してくださいました。また、学生と直接かかわることのできるJapan America Zadankaiについてのお話もありました。
インターネットの普及により、つながりを作り、広げるための手段と機会は多様化しています。Eメール、ウェブサイトに加え、フェイスブック、ツイッター等は、個人間だけでなく政府関連機関や支援団体とのネットワークも可能にしました。こうした機会を利用するか否か、またどのように利用するかが私たちの世代が対処すべき問題であると感じました。
Q&Aの時間には、日米文化、東日本大震災、9.11、留学と様々な質問が挙がり、一つ一つ丁寧に回答してくださいました。この講演会が、学生の見識、考えを深めるきっかになったようで嬉しく思いました。
Your generation ultimately decides.
という言葉が印象深く残っていますが、まさに私たちに委ねられた選択だと思います。今後も日米関係が発展していくというラージェント公使の確信を、実現させるのが私たちの世代なのではないでしょうか。
お忙しい中、本学まで足を運び、示唆に富む素晴らしい講演をしてくださったラージェント公使に心から感謝しております。初めての同時通訳実習の講演会は決して忘れられないものとなりました。このような貴重な機会を与えてくださった鶴田先生、内藤先生をはじめ、ご協力いただいた関係者の方々、お集まりいただいた皆様にも深く御礼申し上げます。
2011年5月6日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士2年生
平賀陽子
2月4日(金)、今年度最後となった卒業講演会が開催されました。鶴見大学国際交流センター主任の永坂哲先生にお越しいただき、『UNHCR・鶴見大学・FRJ共同「難民申請者支援無料歯科治療」への取り組み』というテーマでご講演いただきました。当日は、修士2年の学生9名が通訳を務めました。
永坂先生は多彩な経歴をお持ちであり、外国語学部をご卒業後、銀行員から歯科医師に転身されました。歯科医師としてのスキル、そして英語のスキル等を活かして多方面に働きかけ、1年前に難民申請者への無料歯科治療支援プロジェクトを立ち上げ、統括していらっしゃいます。このプロジェクトは、鶴見大学・国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)・難民支援NGO団体“なんみんフォーラムジャパン(FRJ)”の連携のもとに運営されており、日本に滞在しながらも就労ビザがなく、生活保護を受けることもできず、歯科治療費を払うことができない難民申請者を対象としています。医療系大学が無料歯科診療に取り組むという国際的社会貢献活動は日本初であり、また、UNHCRという国連機関がこのような目的で歯科大学と連携するのも初めてのことです。永坂先生はこの講演を通して、日本国内にあっても国際的社会貢献、国際協力はできるということを示してくださり、また、国内にいるからこそ、支援を必要としている人たちに確実にその支援を届けることができるというメッセージを伝えてくださいました。
また、永坂先生の熱意のこもった講演を通じて、新たな発見が多々ありましたし、心を打つメッセージが随所にこめられていました。「本当に大切なことは目に見えない」、「身近な、自分にできる小さなことからやっていく」、「誰かがやるだろうと待っていては始まらない、自分が始める」、「語学力は絶対に武器になる」、など、印象深かったメッセージを挙げれば枚挙にいとまがありませんが、示唆に富むご講演でした。
国際機関やNGOなどに就職しないと国際協力ができないということはなく、自分の身近にできることがまだまだあるし、自分にできることを模索して続けていけばそれも社会貢献になるのではないかと改めて感じました。
お忙しい中、本学まではるばる足をお運びくださり、素晴らしい講演をしてくださった永坂先生に心より御礼申し上げるとともに、このような貴重な機会を与えてくださった鶴田先生、内藤先生に感謝申し上げます。また、今回は、学生代表と通訳を同時に務めていたため、杉山さんをはじめとする修士1年の皆様にも運営面でご協力いただきました。ご協力いただいた関係者の方々、また、お集まりくださった皆様にも深く感謝申し上げます。
2011年2月4日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士2年生
藤野りつこ
It was a great pleasure to welcome Mr. Rob Schwartz for the second time this semester. This time he told us about his father, Prof. Morrie Schwartz, who many of us already knew from Mitch Albom's book, Tuesdays with Morrie, and the television movie of the same title, produced by Oprah Winfrey and starring Jack Lemmon and Hank Azaria.
Morrie Schwartz was a sociology professor who has become an inspiration for countless people all over the world. In 1995 he succumbed to amyotrophic lateral sclerosis (ALS), commonly known as Lou Gherig's disease. In his last months, he gave three interviews for the ABC TV program Nightline with Ted Koppel, which struck a chord with viewers across the United States. Then his former student Mitch Albom wrote a book about his own series of conversations with his favorite professor, covering a variety of topics, such as love, family and friends; values, culture and money; regret, acceptance and forgiveness; and ultimately the fear of aging and death.
However, Mr. Rob Schwartz gave us a somewhat more personal perspective on his father's extraordinary life and legacy. He shared with us facts on Prof. Schwartz's Jewish identity and turbulent childhood and adolescence, which we couldn't have learned elsewhere. He explained to us how for his father the most important thing in everyone's life was their way of connecting with other people, and how his understanding of any human interaction as a mutually beneficial relationship was a theme that defined him as a person, scientist and educator.
We learned that Morrie Schwartz did a great deal of volunteer and community work as a teacher and therapist, but did not perceive helping others as a one-way process. Rather, he regarded it as a reciprocal relationship and an opportunity for learning something new, for introspection and self-improvement as well. As a teacher, he recognized each student as an individual, realizing that everyone learns differently. As a father, he raised his children to always ask themselves how they feel and understand why they feel that way. As a person, he managed to retain a sense of childlike wonder about the world to the very end.
On the other hand, Mr. Rob Schwartz also stressed on his father's political views that have been intentionally left out in Mitch Albom's book. We had a glimpse into Morrie Schwartz's life as a humanist and pacifist, as well as staunch supporter of nuclear disarmament, justice, equality and civil, gay and women's rights.
It was a very informative and truly emotional event and we were fortunate to receive high attendance from both inside and outside our university. On behalf of the students from the International Communication and Interpreting Course, I would like to express our sincere gratitude to Mr. Schwartz and everyone who kindly came over to listen to his lecture, as well as to Prof. Tsuruta and Prof. Naito for presenting us with such a wonderful opportunity.
2011年1月17日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士2年生
アントニヤ・マンゴヴァ
先日12月18日、明海大学主催の商談をテーマとしたペア形式による通訳コンテストに参加、2位になることが出来ました。鶴田先生、内藤先生をはじめとする先生方、温かく応援してくれたクラスメイトの皆さん、ありがとうございました。 コンテスト出場に際して、今まで授業で扱ったビジネス関連の課題や、スピーカーの先生方の著書を参考に練習を行いました。忙しい中、練習に付き合ってくれたクラスメイトのアドバイスを基に準備に励みました。
当日は、私が予選の順番で一番を引き当ててしまい、少し焦りました。予選では無我夢中で訳出し、予選通過のアナウンスで、名前が呼ばれた際には二人で飛び上がって喜びました。決勝では、聴衆のみなさんの応援を感じ、最大限の力を出し切ることが出来ました。
今回のコンテストを通じ、ビジネス通訳を実践的に体験することが出来たと思います。特に今回はパートナーと協力する大切さと難しさを感じました。素晴らしい審査員の先生方から批評を戴けたこと、他大学で研鑽を積まれている学生の皆さんにお会いできたこと、全てが最高の経験です。今後も特化コースとして、通訳コンテストに参加し続けてほしいと思います。
最後に、パートナーに立候補してくれた良さん、心から感謝しています。最後まで諦めないで、自分たちの力を信じることが出来たのは良さんのおかげです。
応援して下さった皆様、本当にありがとうございました。
2010年12月18日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化4期生
杉山真理
12月17日(金)、イギリスに拠点を置くエネルギー関連会社BP社のグループ会社であるBPジャパンの社長でいらっしゃるチャールズ・ポッスルズさんをお招きし「企業のリスク管理」というテーマで講演会が開催されました。
ポッスルズさんは、リスクの定義、査定方法、管理・対処の仕方など企業が直面するリスクに関してあらゆる角度から自社の事例も踏まえて具体的にお話してくださいました。また導入部分はオーディエンスとのダイアローグ形式で行われ、活発な議論が交わされました。
個人的に興味深かったのは「スイスチーズモデル」です。穴の空き方が異なる薄切りにしたスイスチーズを何枚も重ねると貫通する可能性が低くなるのと同様に、リスク管理においても、視点の異なる対策を何重にも組み合わせることで、事故や不祥事が発生する危険性を少なくすることができるという理論だそうです。しかし一方で、この理論は、いずれの対策にも、どこかに穴があいており、たまたま穴の位置が重なると事故は発生することも示しています。これを聞き、これから社会に出て働く上で、リスク管理だけではなく例えばプロジェクトを行う上でも、成功させるためにはどこか見落としているところがあるかもしれないと自分に対して批判的になることが必要なのではないかと思いました。
また今回私は通訳を担当しませんでしたが、今回下調べにおいて難しいと感じたことは訳語の統一です。表題のrisk managementは金融や国の政策などさまざまな分野で使用されており、インターネットで調べたところ、「リスクマネジメント」とカタカナで表記しているところもあれば「リスク管理」としているところもあります。またmanageabilityという言葉は「管理容易性」、「管理可能性」など他にもさまざまな訳語が当てられていますが、皆で話し合い、結局のところ「管理のしやすさ」としました。一番大事なことは、オーディエンスが耳で聞いてわかりやすいかどうかであるなと思い大変勉強になりました。
「リスク管理」は学生の私にとっては今まで考えたことがないテーマでしたが、ポッスルズさんのお話を拝聴し、これから社会人として生きていく上で欠かせないことだと強く認識しました。
大変お忙しい中、ご講演にいらしてくれたチャールズ・ポッスルズさんに心より深く感謝するとともに、このような貴重な機会を与えてくださった鶴田先生、内藤先生をはじめ、オーディエンスとして活発に発言してくださった後輩の皆様にも厚くお礼申し上げます。
2010年12月17日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士2年
石津知貴
先日12月4日、名古屋外国語大学において第4回学生通訳コンテストが行われました。主催校の名古屋外国語大学をはじめとする十の大学の代表が集まり、本学からは僭越ながら私が出場させていただきました。
今回のコンテストのテーマは「日本と英国におけるビジネスの世界―The World of Business in the United Kingdom and Japan」です。終身雇用や株式公開、企業買収などビジネスに関する様々なトピックについて日本と英国の見方の比較を英日、日英双方に通訳する形を取っていました。2010年12月4日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化5期生
池田理恵
11月29日(月)、東京・大手町の日経ビルで行われた経済産業省主催の「社会人基礎力グランプリ関東地区予選大会」にクラスメート2人とともに参加しました。「社会人基礎力」とは、「職場や地域社会で活躍するために必要な基礎的な力」として経済産業省が提唱しているもので、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの力と12の能力要素で構成されており、この大会では各大学・大学院がゼミ、研究、授業などを通して「社会人基礎力」をいかに育成・成長させることができたかをスライドを使いながら発表します。
今年は去年の2倍、約100校が大会に出場しました。私たちは幾度かにわたりミーティングを開き、今までの通訳実習を振り返り発表の準備を進めました。最も苦労したのは、社会人基礎力の成長ぶりをどのようにしたら12分という短時間で伝えることができるかを考えることです。具体的な数値として示すことができるものではありません。結局、オーディエンスを引きつけるような印象的な失敗例と成功例それぞれ1つ挙げ、写真を使いながら視覚的に、わかりやすく短い言葉で表現する案でまとまり、その後は時間の調整やデリバリーの練習を何度も行いました。 本番で驚いたことは、他大学のプロジェクトの規模の大きさです。出場者の多くが経済学部や商学部に所属する学生さんたちで、地域の特産品の開発による街おこしや地域交流型のプロジェクト、伝統文化を披露するイベントの企画・運営などビジネスの現場により近い実践的なものばかりでした。また聴衆に訴えかけ説得力のあるプレゼンの仕方そのものにも圧倒されました。そのようなビジネスやマーケティングの専門知識や専門スキルが豊富な強豪相手に「通訳」の実習を通して培ってきた社会人基礎力を果たしてうまく伝えることができるのだろうかと不安に思いましたが、自分たちの出番が来ると、今までやってきたことに対し自信と誇りを持って挑もうと気持ちを切り替え、発表では自分の思いを頑張って伝えました。2010年11月29日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士2年
石津知貴
11月26日(金)、学生版のダボス会議とも呼ばれているサンガレンシンポジウムの運営を担当するサンガレン大学International Students' Committee (ISC)のJohannes Krempien氏にお越しいただき、シンポジウムの概要、また参加するための応募方法などについて、非常に分かりやすく紹介していただきました。
サンガレンシンポジムは、毎年5月にスイスで開催され、世界的な影響力を持つ600名の「現在のリーダー」と「将来のリーダー」である若者200名(内100名は論文等の審査を通過した大学院生)が、一つのテーマの下に意見交換をするという国際的なシンポジウムです。
次回のシンポジウムのテーマは、「Just Power」。このテーマの副題であるJustice and Power, Rethinking Leadership, Public Goods and Valuesのいずれかに関する論文(あるいはビデオ等)を提出し、審査を経て選ばれた100名は、シンポジウムに無料で招待されるとのことで、応募しないのは損であると思わせる内容でした。対象は1981年以降生まれの大学院生(シンポジウム開催の前年11月〜2月に大学院に在籍している学生)です。
もともと学生による暴動が盛んであった約40年前に、投石して抗議するのではなく、その状況に責任のある政策決定者と対話をすることで解決を図ろうとしたことが、シンポジウム設立のきっかけだったとのこと。このような対話の場が40年も前から設けられていたということにも感銘を受けましたが、これほど大規模なシンポジウム運営を学生が担っているということも、非常に興味深かったです。
今回の説明会を機に、一人でも多くの学生がシンポジウムに応募し、参加することができればと思います。
最後に、今回ご講演いただきましたKrempien氏、そして、このような講演会の機会を与えて下さった鶴田先生、内藤先生、集まって下さった皆様に、感謝申し上げます。ありがとうございました。
2010年11月12日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士2年
竹内葉子
11月20日(土)、21日(日)外語祭のイベントの一環として、鶴田ゼミの活動報告を行いました。ゼミのテーマである通訳・翻訳研究より、今回は絵本翻訳に焦点を当て、エリック・カールのThe Very Hungry Caterpillarと日本語版『はらぺこあおむし』のもりひさしさんの訳を比較しながら、1時間弱の発表を行いました。平易な英文を訳すので、一見簡単そうに見える絵本翻訳ですが、絵との調和やことばのリズム、表記の方法など配慮すべき点が多く、また、だからこそ工夫できる面白さがあることを紹介したいと思い、このテーマを選びました。
両日ともに多くの方にお越しいただきました。小中学生とその保護者の方々、外語大志望の高校生、絵本の読み聞かせ活動をされている方、絵本翻訳のコンテストに参加される方など様々でしたが、驚いたのは、皆さんことばに対する感性が鋭いということ。まずは原文の英語だけを見て翻訳を体験してもらい、マイクを回して訳を発表するという参加型をとったのですが、翻訳者顔負けの素敵な訳をいくつも聞くことができました。
発表終了後も高校生から受験勉強や外語大に関しての質問を受け、こちらも初心を思い出すよいきっかけとなりました。外語大に入学してから早4年、特化コースに入ってからももうすぐ2年が経とうとしていますが、希望を胸に外語大に入学してくる後輩たちの期待に応えられるよう、私たちも日頃の勉強や研究、その他の活動など、ひとつずつ丁寧に頑張っていきたいと改めて感じました。
最後に、今回ゼミ発表の場を提供し、呼び込みやビデオ撮影などもしてくださった外語祭実行委員の皆さま、どうもありがとうございました。
2010年11月21日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化4期生
恩田南
2010年11月12日(金)、ビルボード誌東京支局長のロブ・シュワルツさんをお迎えし、講演会を開催しました。テーマはHistory of Japanese Pop Music Industry, Past, Present, Futureということで、日本の音楽業界のお話をしていただき、修士2年の学生7名が通訳を務めました。
「音楽」は私たちの生活に溢れているもので、テーマとしてはとっつきやすいのですが、ロブさんはそれを歴史の視点、お金の視点、デジタル化の視点など、普段私たちがあまり考えない方向から話をしてくださいました。世界に共通する音楽業界の構造や、日本特有の制度など、非常に興味深い内容が盛り込まれた、充実した講演会だったと思います。60分の講演の後、観客からの質疑にも丁寧に多くの情報を加えて答えてくださりました。また、通訳にあたった学生はこの講演会の準備にあたり印税など音楽業界の仕組みを調べておりその複雑さに戸惑っていたのですが、実際その業界で働いているロブさんの口から説明されることで「なるほど」と感じることが多くあり、非常に勉強になったと講演会を振り返っていました。
私は学生代表として今回の講演会に携わり、ロブさんと連絡をとっていく上で、ビルボード誌の東京支局長として以外の面でもご活躍されていることが分かりました。Tuesdays with Morrieというベストセラーになった本の主人公であるMorrie教授の息子さんということで、そのテーマについても多くの講演会をされているとのこと。是非そのテーマについてもまたお話を伺ってみたいと思いました。
お忙しい中素晴らしい講演会をしてくださったロブさんに心より感謝すると同時に、このような貴重な経験の場をつくってくださった鶴田先生、内藤先生、そして当日来てくださった皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。
2010年11月12日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化3期生
高木美奈
2010年11月5日(金)、国際コミュニケーション・通訳専修コースの学生7名は本学平和構築・紛争予防英語修士プログラム(PCS)主催のイベント「Der WeisseRabe白いカラス」上映・討論会において同時通訳の面でお手伝いさせていただきました。
「Der WeisseRabe白いカラス」は、ホロコーストを生き残ったマックス・マンハイマー氏と彼を取り巻く人々を撮った映像作品です。マンハイマー氏の「誰のことも憎まないし、恨まない、けれども同じ悲劇が繰り返されることのないようにしなくては」という想いと、オットー監督の映画製作にかける想いが重なった映画でした。
今回の実習では、いつも以上に「つながり」が生み出すパワー、感動の大きさを痛感させられたような思いがあります。まだ学生だったオットー監督が、駐車場で銀行の預金カードを落としたこと。それをアウシュビッツからの生還者マンハイマー氏が拾ったところから二人の友情がはじまり、この出会いをきっかけに「白いカラス」は作られることになりました。晴れて完成した映画は国際基督教大学のスーヤック先生のご尽力の甲斐あって日本各地の大学で公開されることになり、オットー監督は遠路はるばるドイツからお越しになりました。そして東京外国語大学では、上映会全体及び質疑応答の部で私たちは通訳の機会をいただいたわけです。
アウシュビッツの歴史をはじめ、世代が進むに連れて薄れ行く記憶があり、それに対して決して同じ過ちを繰り返させはさせぬという強い気持ちを持ち語り継ごうとする人達がいます。そんな中、「世代の壁」や「言語の壁」を超えてメッセージを伝えるのはまさに「つながり」なのではないかと思います。今回、その「つながり」のほんの一部を担う中で私たちは、改めて通訳者の担う責任というものを再認識すると同時に、さらなる技術向上のために力を尽くしたいと感じました。
今回このような貴重な機会を与えてくださった鶴田先生、内藤先生、岩崎先生そして上映会全体の運営をとりまとめて下さったPCSの石田様、Maja様に、8名を代表して感謝申し上げます。
2010年11月5日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化3期生
小川美佳
10月22日(金)に、後期第2回目となる講演会が開催され、本学教授でいらっしゃる渡邊啓貴先生にお越しいただき、『文化力の発信』というタイトルでお話していただきました。 日本の文化外交について、先生自身のフランスでの経験も交えながらご講演していただき、本コース修士2年の学生7名が同時通訳をしました。
渡邊先生は2008年から2010年の2年間、在仏日本大使館で広報文化担当行使としてフランスで勤務されていました。2008年がちょうど日仏外交の記念の年にあたったということで、フランス全土でそれを祝う催し物が開かれ、1年間で実に750もの行事があったというお話をしていただきました。
その中でもジャパン・エクスポについては、たくさんの写真も交えながら紹介していただきました。やはり、日本を代表するものとして漫画やアニメが大々的に展示されていました。先生のお話の中で特になるほどと感じたのは、この漫画やアニメというソフトパワーがいかに大きな力を持ちうるかというお話です。海外にもっと日本の伝統的な部分を伝えたいと考えている日本人が多いことは世論調査などでわかっています。しかし、今注目されているのは伝統的なことではなくいわゆるソフトパワーの漫画やアニメといった文化です。それをダメだと感じるのではなく、日本についてもっと知りたいと思ったり、興味をもつ突破口になればいいのだという話をしてくださり、なるほどなと思いました。日本の文化について、またそれを利用した外交について改めて考えさせられる講演会となりました。
渡邊先生の、具体例をたくさん交えた聴衆を惹きつけるお話により、「外交」という少し硬いイメージのあるテーマを違った側面から考えてみる非常にいい機会になったと思います。また、同時通訳をつとめた7名にとっても、とてもいい経験になったと思います。
お忙しい中、本コースの講演会でお話してくださった渡邊先生に心より感謝すると同時に、こうした貴重な機会を下さった鶴田先生、内藤先生を始め、当日お集り下さった皆様にも厚くお礼申し上げます。有り難うございました。
2010年10月22日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化3期生
高木美奈
10月8日(金)に後期初めての講演会が開催され、カナダ大使館のEric Petersson氏(学術交流担当 一等書記官)にお越し頂き、お話を伺いました。
テーマは、カナダ全般の歴史や地理、それからカナダの多文化主義・多民族国家等についてご講演頂き、本コースの学生8名とフランスのESITからいらした寺嶋さんの9名が同時通訳を行いました。
Petersson氏はカナダのオンタリオ州にあるロンドンという街のご出身で、昨年の夏から日本のカナダ大使館にてご勤務され始めました。
カナダと言えば、やはり多くの方がメープルシロップを真っ先にイメージすると思います。ですが、実際カナダには、その多文化主義であったり、多民族国家という背景を持つことから生まれた多彩な特徴や個性があり、それらを今回のPetersson氏のご講演を通じて沢山知ることが出来ました。
また意外にも、日本とカナダ間の交流というのは深く、昨年は日加修好80周年の年でもあり、天皇皇后両陛下もカナダへご訪問されたのが皆様の記憶にも新しいかと思います。なかでも、75の姉妹・友好都市が日本とカナダ間で結ばれていることには驚きました。今後も日加両国の友好関係がより一層発展することを願います。
他にも、英語とフランス語の2カ国語が公用語であることについてや、カナダの林業への取り組みなど、普段滅多に知ることの出来ないことも沢山学ぶことができました。
日本からの英語圏への留学先としては、今日においてもアメリカがまだ主流かもしれませんが、本日の講演会をうけ、今後、本学からもカナダへの留学を希望する学生が増えればと思います。多種多様の文化がそれぞれの個性を活かしながら共存しているカナダでの暮らしを体験することは、その後、学生の皆様にとっても素晴らしい経験となることと思います。
とても興味深く分かりやすいご講演の内容と、親しみやすいPetersson氏のお人柄により、今回の講演会を通じて、皆様カナダにより関心を持たれたことと思います。同時通訳を担当した修士2年の学生にも非常に充実した講演会になったことと思います。
ご多忙中にも関わらず、本学へお越し下さったPetersson氏に心より感謝すると同時に、こうした貴重な機会を下さった鶴田先生、内藤先生を始め、当日お集り下さった皆様にも厚くお礼申し上げます。有り難うございました。
2010年10月8日
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士2年生
浜田真美
去る7月24日、学内でオープンキャンパスが行われました。本学のオープンキャンパスの目玉と言えば体験授業ですが、今回は鶴田先生の「同時通訳に挑戦」という授業でお手伝いをさせて頂きました。
1時間目(11:00)という比較的早い時間ながらも、多くの方が参加下さり、101教室は超満員となりました。お越し下さった皆様が、英語・通訳・言語によるコミュニケーションに大変興味を持っていらっしゃるということがわかりました。
まず、同期の高山さんと僕はそれぞれ英語で簡単な自己紹介、その逐次通訳をさせて頂きました。突然のことで驚きましたが、大勢の方の前でパフォーマンスをするという貴重な機会を頂くことが出来て、個人的には大きな収穫となりました。
いらっしゃった皆様にペアを組んで逐次通訳をやって頂いた際には、教室中から声がよく聞こえ、多くの方が熱心にやって下さっていたのだと思います。
参加して下さった方の中からお一人に逐次通訳をして頂きました。人前で何かをするというのは、なかなか容易なことではありませんが、通訳して頂いた方の素晴らしい且つ堂々たるパフォーマンスにただ感心するばかりでした。僕としましては、パブリック・スピーキングの観点からも大変勉強になりました。
この度、お声をかけて下さいました鶴田先生、授業の準備をして下さった入試課の小笠原様、そして体験授業に足を運んで下さった皆様に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化5期生
町田智
この度、特化コース5期生として初の大舞台だったとでも言えましょうか、同期の町田くんと一緒に鶴田先生の体験授業のアシスタントを務めさせていただきました。
40分間という短い時間ながらも、参加者の方々にはシャドーイングや逐次通訳、集大成として最後に同時通訳を体験していただき、通訳者がどのように聞こえてきた情報を処理しているか体感していただけたのではないかと思います。
お一人前に出て逐次通訳と同時通訳を実演していただいた際には、私と町田くんでパフォーマンスに対する簡単なコメントをコンテンツ面とデリバリー面でさせていただきました。ほとんど完璧な訳出だったため、私からのアドバイスも重箱の隅をつつくような細かなことでいくぶん申し訳ない気もしましたが、参加者の方々がその箇所を意識して練習してくださっていたのが嬉しかったです。
また、パフォーマンスへのコメントは毎週通訳の授業の際にクラスメート同士で行っていることなので、当日も落ち着いて対応できた点がよかったと思います。
私個人としましては、シャドーイングやサイトトランスレーションなどの通訳訓練法は受験対策も含めた英語力向上に非常に有効だと感じています。今回の鶴田先生の授業を通じて、多くの学生や保護者の方々にこの訓練法を紹介できたと思いますし、また皆さんが今後ご自分の英語学習においてこれらの手法を参考にしてくだされば幸いです。
私自身も、特化生として今後も精進していきたいと強く思いました。今回貴重な体験をさせていただいたことを心より感謝申し上げます。
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化5期生
高山千晶
暑さ厳しい7月24日、オープンキャンパスの日に合わせ、通訳コースの懇親会が開かれました。今までコースの在籍生の間で懇親会を開くことはありましたが、卒業生の方々も交えて行うのは今回が初めての機会となりました。
当日は半ば急拵えではありましたが、特化在籍生は固より、多数の卒業生の方々にご出席いただきました。この日この時に限って冷房の具合が悪く、幾分暑い中ではありましたが、先輩方も久々の再会に思い出話に花を咲かせ、私自身も卒業生の先輩方から進路のこと、授業のことなど貴重なお話を伺うことができました。
気が付けば日も暮れ、予定していた終了時刻を大幅に過ぎてしまいましたが、もしかしたらそれは時間が気にならない程に、参加者の皆様には楽しんでいただいたからなのかもしれません。もしそうであれば、お手伝いとして準備した立場としても、参加した立場としてもとても嬉しく思うところです。
このような機会を設けてくださり、また準備をするにあたってもサポートしてくださった鶴田先生、内藤先生、さらに参加してくださった皆々様に深謝すると共に、今後もこのような懇親会が通訳コースの恒例行事となれば、と思います。 また、私自身も、卒業し帰ってくる立場になった時に、いい思い出として振り返ることができるよう今後も努めていきたいです。
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化5期生
秋田大樹
7月24日(土)、本学で大学院進学説明が開催され、本コースの受験を希望される方々が多数お見えになりました。私は受験生の皆さんの相談員を努めさせていただきました。相談員を担当させていただいて今回で3回目になるのですが、毎回さまざまな質問を受けます。1次・2次試験の対策方法、第2外国語の勉強の仕方、本コースの授業内容、そして中でも鋭いと感じるのは「大学院と通訳学校との違いは何か」という質問です。もしこうした質問に対する自分の答え・アドバイスが少しでも皆さんのお役に立てるものであったのなら嬉しく思います。
皆さんの受験に対する不安や本番まで残りわずかしかないという焦りは、私もかつて同じ思いをしたことがあるのでよくわかります。懇談会はこうした気持ちを和らげるためにも大切な場であると考えます。
また相談員は学生だけではありません。先生方も参加され親身になって具体的なアドバイスをくださるので、懇親会は大変貴重な機会です。今度の11月にもまた開催されるので受験を考えている方はぜひお越しになってはいかがでしょうか。パンフレットやウェブサイトだけでは得られない情報がきっと得られるのではないかと思います。
最後になりますが、受験を希望される皆さんのご健闘を心よりお祈り申し上げます。
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士2年生
石津知貴
7月24日(土)、大学院進学説明会が開催され、受験生との相談会に参加しました。猛暑にもかかわらず、本当にたくさんの方がいらしていました。全体説明会では開場を今か今かと待つ方も多く、そして過去問印刷コーナーには終了時間を過ぎても長蛇の列ができていました。
先生、そして在籍している学生と話ができる機会ということで、相談会でも熱心な受験生の姿が多く見られました。ちょうど一年前、私もこの進学説明会に来ていましたが、先生、学生との相談会は別々の会場になっていました。(前回から変わったようですが)同時に話を聞けるというのは、受験生にとってより有益だったのではないかと思います。
相談の多くは入試について、そして国際コミュニケーション・通訳専修コースの授業についてでした。過去問があるとはいえ、大学院の入試は具体的にどのような対策をすればいいのかと、皆さん悩んでいました。去年は私もその一人でしたので、自身の体験からアドバイスをさせていただきましたが、少しでも参考になればと思います。授業内容や時間割についての質問も受けました。ちょうど前期の授業が終わったタイミングで、こうした質問に答えることで、私自身、今学期を振り返る良い機会となりました。
今回、オープンキャンパスにいらした方が本コースを受験し、来年の4月、後輩となってくれれば嬉しいです。また、良い先輩となれるよう私も頑張ろうと思います。
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士1年生
平賀陽子
7月23日に開催された講演会では、横須賀海軍施設で政治顧問・通訳官として勤務されている、John Niemeyer氏にお越し頂き、お話を伺いました。
今回は、”Japan's Security and the U.S. Navy”というタイトルで、安全保障についてご講演頂き、本コース学生9名が同時通訳させて頂きました。
日米安全保障について、特に最近では、普天間基地移設問題をめぐり、大きな議論が交わされ、ニュースでも大々的に取り上げられてまいりました。また、2010年は日米安全保障条約改訂から50年という節目の年でもあります。このような時に、在日米軍基地関係者の方にお話をいただけたということは、非常にタイムリーであり、勉強になったと思います。
特に印象的だったのは、Niemeyerさんが日本で働く米軍士官へ与えられるという、”8 Navigation Points”というアドバイスについてのお話です。その中には「在日米軍は日本人にとって敗戦の屈辱を思い出させるよそ者である」「在日米軍はメディアの監視下にある」など、厳しい現実がありのままに描き出されていました。また、日本人が在日米軍に対して感じている、ネガティブなステレオタイプについても書かれていました。
日本人として、日本に暮らし、日本のメディアを通して物事を知ろうとすると、どうしても一元的な見方に偏ってしまいがちになります。米軍基地の問題についても、多くの場合は日本人の立場からしか語られません。その中で、在日米軍の方々が、日本での勤務をどのように受け止め、どのような思いを抱いて働いていらっしゃるのかということを知ることができたのは、本当に貴重な機会だったと思います。
また、通訳官としてのご経験から、通訳を学ぶ私たちにアドバイスも頂けました。個人的には”Use it, or lose it”という言葉が印象深く心に残っています。言葉は使わなければ錆ついてしまうものだということを改めて感じ、今後ともクラスメイトと切磋琢磨しながら、積極的に言葉を使い、言語能力と通訳スキル磨いていきたいと、思いを新たにいたしました。
今回は慣れない軍事用語や条約条文などもあり、事前の準備が大変ではありましたが、Niemeyerさんのあたたかく、ユーモラスなお人柄にも助けられ、講演会を成功裏に終えることができました。通訳コースの学生としても、学び多いひとときだったことと思います。
夏休みに入りましたら、ぜひ横須賀基地を訪れてみようという計画も進んでおります。このように、講演会の後も勉強に繋げていこうというモチベーションも頂け、大変実り多い講演会でした。
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化3期生
早野文菜
7月5日、本学204教室で国際コミュニケーション・通訳専修コース主催の講演会を開催しました。
今回は、元外務省職員の井上秀隆さんに「外務省から国連へ 〜スーダンで考えたこと〜」というタイトルで、一個人としての立場から講演していただき、本コースの学生8名が通訳しました。井上さんは、在スーダン日本大使館に2年間勤務された後、帰国。本省中東アフリカ局中東第二課への勤務の後、2009年12月末に同省を退職なさいました。本年3月より国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所法務部にインターンとして勤務なさっておいでで、本年9月より、London School of Economics and Political Scienceに留学予定です。
本講演では、1.外務省勤務、2.(スーダンから見た)国際政治の現実、3.国際機関への勤務(就職希望者の視点から)という3本の柱をもとにご講演いただきました。外務省を目指したいきさつや、入省一年目の職員の生活など、非常に興味深く聞かせていただきましたが、中でも一番印象に残っていることは通訳の仕事についてのお話です。「通訳にはもちろん語学力も必要だが、それ以上に大切なのは背景知識を含めた事前準備である。」というメッセージは、通訳を学ぶ者としてクラス全員が共感したと同時に鼓舞されたのではないでしょうか。
今回の講演会は、本コースの学生以外にも外務省・国際機関への就職を目指す学生も参加しましたが、それぞれにとってよい刺激となったと思います。
留学を控えご多忙中にもかかわらず、講演を引き受けて下さった井上さんには心より感謝すると同時に、月曜日の貴重な授業の時間を実習に当ててくださった鶴田先生、内藤先生を始め、通訳の準備で忙しい中会場準備を手伝ってくれたクラスメイトにも御礼を申し上げます。ありがとうございました。
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化3期生
小川美佳
On June 26, Ms. Ginger Vaughn, an environmental journalist and keynote speaker at this year's TUFS Student Interpreting Contest, treated us to an insightful and refreshingly optimistic lecture under the title of “Sustainability and Green Business in Japan - Reporting on Japan's Green Initiatives”.
Taking a cue from the “The Year of Biodiversity” label that the United
Nations have chosen for 2010, Ms. Vaughn's lecture offered several
interesting examples of how each and every one of us can help promote
sustainable living in Japan as our country of residence. These
included the Ginza Honey Bee Project, as one in a number of urban
green businesses, which create so-called “green corridors” for birds
and insects throughout the city, and at the same time produce useful
and even financially viable products, in this case honey. Another
example would be the White Storks Project in Toyooka, Hyogo
Prefecture, which reintroduced the region's stork population while
reducing pesticide levels in rice farming. Yet another case worth
mentioning is the Japan Orange Project in Odawara which has
revitalized the local orange farms and discovered new applications,
and thereby also a market, for the orange flowers as resources in
cosmetics and pharmaceutics.
What all of these projects have in common
is that they have not only solved an immediate environmental problem,
but also bolstered the role that sustainable communities play in
developing and maintaining products in an environmentally friendly and
sustainable manner.
Amid the woes of global warming, pollution, deforestation and all the other disheartening environmental problems we are facing today, Ms. Vaughn shed light on the more positive and hopeful aspects of current environmental developments, by focusing on the initiatives that are being put to practice on both local and governmental level in Japan. It was all the more encouraging that these were not simply plans or ideas but specific, practical examples of why and how communities, businesses and the government need to work together in order for conservation efforts to be able to bear fruit. Interestingly enough, the lecture emphasized the importance of raising awareness among the populace, and this is precisely what makes environmental journalists, such as Ms. Vaughn herself, so indispensable.
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士2年生
アントニヤ・マンゴヴァ
本日は、沼田貞昭元カナダ大使にお越しいただき、「対外発信と英語―外交の現場から」というテーマでご講演いただきました。
沼田大使の長年にわたる外交経験から引き出されるお話は、一つ一つがとても興味深く、あっという間の1時間半でした。また、英語を学び始めたのは中学からと仰っていた大使の豊富な英語表現力にも、感銘を受けました。私たちは、今回のテーマの英訳からして、四苦八苦していたわけですが、大使は、“Projecting Japan to the World in English: A Diplomat's Account”という、我々では思いもつかないような英訳を提供して下さいました。また、かつてある会議の場で、原話者が「以心伝心です」という日本的で難しい表現を使用した際、大使は通訳者として、一瞬考察した後、We have a Japanese version of telepathy. と訳したという逸話も披露いただきましたが、まさに「簡にして要を得た」訳出だと思いました。
言語を手段とし、いかに世界に日本のメッセージを、正確かつ分かりやすく届けるかということを念頭に、お仕事をされてきた沼田大使のアドバイスの中で、私が一番印象に残ったのは、「自分の伝えたいメッセージを明確に持ち、それを書くことが大事である」という点です。現在、学校教育の場では「英語を話す」という点に軸足が傾きつつありますが、大使は、自分の伝えたいメッセージが相手にきちんと伝わるように、順序立てて簡潔に書けることが、実は大切であると仰っておられました。そのためには、自分の語彙力の範囲内で、実際に書いてみることが重要であると。通訳において、話者のメッセージを正しく理解し、別の言語で伝えるためには、実は自分自身が、「思っていることを簡潔に書ける」必要があるのではないかと、改めて書くことの重要性を感じました。
今回の講演は、大使ご自身が通訳経験者でおられたということから、通訳の歴史を垣間見るようなお話も数多く登場し、私たち通訳翻訳を学ぶコース生にとって、関連深く、内容の濃い講演会だったと思います。ありがとうございました。
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士2年生
竹内葉子
本日の講演はナレーター、そしてフリーの翻訳者としてご活躍のBonnie Waycott氏をゲストスピーカーとしてお招きし、普段知ることのないナレーターという仕事について、そしてナレーターに必要な資質が通訳訓練にどのようなヒントを与えてくれるかについての貴重なお話を伺うことができました。
特に印象に残っているのが、Q&Aセッションで、ナレーターとしてのキャリアを選んだことについて後悔はしていないかとの質問へのお答えです。Waycott氏は元々翻訳者としてのキャリアを希望していて、自分の声を使うナレーターとなるのはあまり気が進まなかったそうです。ですが、始めるにつれて、翻訳とは違ったナレーターの魅力を感じたといいます。それは、職場で生まれる人と人とのコミュニケーションだったそうです。日本語と英語の二つを使いこなし、
ひとつの番組にかかわる様々な人とコミュニケーションをとりながら、情報をいかに正確に分かりやすく伝えるかを考え、口頭で伝える。そこには主に一人で作業を進める翻訳者にはない魅力がある、というWaycott氏の言葉には、口頭でのコミュニケーションで成り立つ通訳を学ぶ私としても大いに共感しました。
原稿を読む際も、常に視聴者を意識することが大切、とWaycott氏は言います。スタジオの中でマイクに向かって喋る時、どのような視聴者が聞いているのかを想像するそうです。英語を勉強している学生、英語ネイティブの外国人、英語でしか情報を手に入れられない他言語話者、耳の遠いお年寄りなどを視聴者として想定し、どうやったらそういった人たちに分かりやすく伝えることができるかを考えながら話すようにしているそうです。これは、普段教室の中で通訳訓練を受け、「対人コミュニケーション」を忘れてしまいがちな私たち学生にとって大切なことだと思いました。
修士2年の我々にとって初めて公の場で同時通訳を行う機会となりましたが、興味深い講演内容と親しみやすいWaycott氏の人柄により、皆にとってとても充実した講演会となったことと思います。
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士2年生
遠藤宗生
今日は、元NHKアナウンサーであり、現在NHKグローバルメディアサービス国際研修室の統括をされている浅見忠司先生によるご講演「日本語ボイスオーバーのためのアナウンス演習」に参加しました。「人に言葉を伝える」ために最も基本的な要素として、発声練習や音読をはじめとする様々なトレーニング方法を紹介していただきました。パブリック・スピーキングにおいては、言葉を発する器官としての体を鍛えることも重要であると改めて感じました。
また、個人的に様々な新しい発見をすることもできました。当たり前に自分が標準語だと思っていた言葉が実は方言だったということもあります。「いっとう」という言葉は国語の教科書に出てくるなど、少し古い言葉なのかもしれないという考えはありましたが、東京の方言であったということは知りませんでした。
今回のアナウンス演習を通じて、誰にでも伝わる言葉を習得するのは難しいものだと痛感しました。単純に単語や文法などを知っていればいいというものではありません。発音や発声、イントネーションなどの細かいルールが実は日本語にはいくつもあるそうです。それらのルールを知ることが必要です。これはなかなか自分で身につけることは難しいかもしれません。今回の演習でほんの少しかもしれませんが、それらのルールを知ることができて良かったです。
さらに自分が持っている日本語に対する常識を常に疑う必要があると思いました。 自分が「標準語」だと思って話している言葉が実はどこかの方言であるといったこともそうですが、または自分の日本語が適切な日本語ではないこともあります。正しい日本語と自分の日本語のギャップを埋めるためには、常に他の人が話す言葉に耳を傾け、吸収する努力が欠かせないのだと思います。
「伝わる言葉」を習得しようとするならば、そのような努力を何十年も継続することが必要なのでしょう。私も、正しい日本語を追求する努力を続けていきたいと思います。
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化3期生
田畑博章
NHKバイリンガルセンター長の江口義孝様の講座「メディアの大転換時代」の最 も印象深い点は「読み手の情報に対する緊張感」の重要性についてのお話でした。
江口様が述べたように、その「緊張感」を育てるためには、何でもうのみにする のではなく、十分な知識を有し、根拠のある意見を持つことが非常に大事なこと だと思います。
今回特に考えをめぐらせたのが、新聞の発行総数が急減したことによる影響につ いてです。新聞を読む人が減ったからといって、新聞を読まない人は必ずしも 「Yahoo! News」から情報を得ているとは限らないのではないかと思います。
多くの新聞社は立派なウェブサイトを持っており、そのウェブサイトなどを利用 している人が少なくありません。逆に、インターネットが登場する前の新聞しか なかった時代よりも現代のほうで情報を有効的に使い、見識を広めることができ た人も多くいます。
しかし、それよりもさらに、情報のデジタル化がもたらした最も重要な結果は
「知識の民主化(democratization of knowledge)」だと思います。世界には、
新聞を購入・購読する余裕がない人は、その余裕がある人よりもかなり多いです。
確かに情報デジタル化は出版社の利益を損なう可能性がありますが、ある産業が
衰えた際に別の産業が発展することも可能ですから、出版社の利益よりも、金銭
上、あるいは手段上、新聞や本を購入する余裕のない人々の利益を考えるべきで
はないかという気がします。
また、新聞のデジタル版や、今日も挙げられたKindleなどの電子ブックリーダーは、紙の無駄遣いを画期的に減らすためにも有用となると考えられており、様々な意味で好ましい変化をもたらすのではないかと思います。 本日の講演ではジャーナリストの仕事の様々な側面について聞かせていただき、実に興味深かったです。
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士2年生
アントニヤ・マンゴヴァ
桜を意味する「花」というのは、日本人にとって、特別な言葉であると思います。春先の憂鬱な曇りも、気温の上がらない日も、「花曇り」「花冷え」という言葉を与えるだけで、どこか情緒的な感じをもたらされるような気がします。そんな日本人と桜の関係において、「花見」もまた特別な存在であると言えます。
今回のお花見は、インド出身の新入生、ニシャさんが「お花見をしたことがない」ということで、特化コースの杉山さんが中心となって企画してくれました。特化コース4期生と新しく入った修士1年生3人で集まることになり、最終的には鶴田先生、内藤先生、そしてTAの金田さんも参加してくださり、にぎやかな会となりました。
当日はあいにくの雨で、室内で「お花見」をすることになりました。皆で持ち寄った料理は実にインターナショナルで、「外大らしいな」と感じました。沢山の料理が並ぶテーブルを囲み、「花より団子」という風に見えたかもしれませんが(桜のほとんど見えない教室で、そして実際にお団子も食べました。)、とても良い「お花見」でした。というのは、解釈によっては日本における「お花見」は、春、新しく出会った人と楽しく語る席、仲良くなる機会でもあるからです。この辺りに、日本のお花見が「日本のお花見」であり、海外で言うところの “Cherry Blossom Festival” ではない所以があるのではないかと私は思います。
これから2年間、一緒に頑張っていくので皆と早く仲良くなりたいと思っていたので、話に花の咲いた会がとても嬉しかったです。桜自体はありませんでしたが、ニシャさんにも日本のお花見の良いところが伝わったのではないでしょうか。
忙しい中、このような機会を作り歓迎していただき、本当に感謝しています。おかげで新学期の第一日目、良いスタートを切ることができました。助け合い、切磋琢磨しながら、これから一緒に頑張って行きたいと思います。通訳コースの皆さん、先生方、どうぞよろしくお願い致します。
国際コミュニケーション・通訳専修コース 修士1年生
平賀 陽子
通訳コースでの一年間を振り返り、収穫の多い充実した時間であったと感じます。
本コースの1年目にあたる大学3年次には、学期中に7コマ、集中講義に1コマ、合わせて8コマの必修授業があります。授業の内容は、新聞やニュースを用いた時事英語、スピーチや朗読を学ぶパブリックスピーキング、ビジネスプランや株式について学ぶビジネス英語、文学、政治、経済等幅広い分野についての日英、英日翻訳基礎、サイトトランスレーションや逐次通訳訓練を行う通訳基礎、そしてパーラメンタリーディベートです。
毎週のテストや課題に加え、少人数制のクラスなので、発言の機会も多くあります。授業を通して様々な題材を扱うので、国際、国内情勢に興味を持ち、日本語と英語で自分の意見を論理的に説明する力がつくと思います。
実習や講演会の機会も多くあり、毎日楽しく充実した日々を過ごしています。期末試験では、コース生6人で初めて対談の通訳を担当し、日ごろの通訳訓練で感じている訳出等の難しさに加え、事前準備の打ち合わせや下調べなど、実践的に「通訳とは何か」を学ぶことが出来ました。またコース主催の講演会では運営などのサポートを通じて、大学院で勉強されている先輩方の通訳パフォーマンスに刺激を受けています。
授業では常にパフォーマンスを評価される厳しい環境です。しかし、自分を信じて地道に勉強すれば必ず成果はついてくると思います。先生方はどなたも第一線で活躍される現役の通訳、翻訳、教育者で、迷ったときには適切なアドバイスを受けることが出来ます。
また、クラスメイトもかけがえのない存在です。授業中にはお互いを批評しあい、競い合うライバルですが、授業の空き時間や休みにはみんなで集まり勉強しています。
最近では国連や東京アメリカンセンター等、学外での協力の機会もあり、普段学んでいることを応用しながら、様々な経験を積むことが出来ます。さらに、本コースと留学の両立も可能で、私自身スペインへの交換留学を経て、昨年の9月から特化コースに復帰しました。この留学も先生方の温かい応援なしでは難しかったと思います。
このように本コースには、異文化コミュニケーションの架け橋となるために必要な環境はそろっています。それを生かせるかどうかは本人の努力次第なのだと感じています。決して楽なコースではありませんが、自分の能力を知り、伸ばし、生かすことのできる最高のコースだと思います。
国際コミュニケーション・通訳専修コース 特化4期生
杉山真理 (スペイン語専攻4年)