原発:50基の廃炉費1.2兆円不足 年度内全廃の場合
毎日新聞 2012年06月28日 22時17分(最終更新 06月28日 22時26分)
全国の原発50基を今年度中に廃炉にする場合、電気事業者10社が積み立てている廃炉費用が計約1兆2300億円不足することが28日、経済産業省資源エネルギー庁のまとめで分かった。電力各社は発電量に応じて毎年、廃炉費用を積み立てているが、トラブルの多い原発ほど廃炉費用の積み立てが進んでおらず、早期再稼働を求める理由の一つになっているとの指摘も出ている。
エネ庁によると、廃炉には1基あたり約300億〜700億円かかり、50基で総額2兆7900億円が必要となる見込み。しかし、10社が11年度末時点であらかじめ資金を積み立てる引き当て処理をしたのは計約1兆5600億円。不足額は、東京電力約4000億円(福島第1原発の廃炉費用は除く)▽東北電力約1500億円▽関西電力は約1460億円−−にのぼる。仮に原発全廃が決まった場合、各社はこれらの費用を特別損失として計上する必要が生じる。