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2012年6月30日10時45分

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長崎新幹線「ノーサンキュー」 在来線沿線住民、恨み節

図:長崎新幹線のルートと主な駅の乗客数拡大長崎新幹線のルートと主な駅の乗客数

 九州新幹線・長崎ルート(長崎新幹線)が10年後に全線開業する見通しになった。国にお金がないなかで、便利になるのは大都市間のみ。わずかな時間短縮のために新たな新幹線が本当に必要なのか。取り残される形の並行在来線の沿線住民からは、うらみ節も聞かれた。

■在来特急本数激減で「犠牲」

 「消費税増税のどさくさに紛れての認可。我々を切り捨ててでもやらなきゃいけないのか」。佐賀県鹿島市に住む久原正之さん(72)は、やりきれない思いだ。地元・肥前鹿島駅を通るJR長崎線は特急が1日約25往復走るが、開業後は約5往復に減る見通しだ。

 2007年、工事凍結を求める市民グループ「なし?会」をつくった。政権交代後も民主党政権に期待をつなぎ、10年には4965人分の署名を提出した。

 ところが、署名提出後はなしのつぶて。「民主政権は『見直す』と言うが何も変わらない。タチが悪い」

 「5千億円を投じ、我々を置き去りにしてまで造る必要があるのか」。前鹿島市長の桑原允彦さん(66)も無念さを口にした。

 長崎線を走る特急かもめを、存亡の危機にある「絶滅危惧種」と名付け、異議を唱えてきた。長崎新幹線を走るフリーゲージトレインは、ほかの新幹線ほどは速度が出ず、九州新幹線のように山陽新幹線へ乗り入れられるかどうかもわからない。「こんな新幹線のために犠牲になると思うと残念でならない」

 佐賀駅から博多駅に通勤・通学で在来線を使う人も多い。特急で35分だが、新幹線でも8分短縮されるだけだ。約10年間、福岡・博多の職場に通う太田清之さん(49)は「今のままで全く困らない。料金も上がるだろうし、いずれにしてもノーサンキューです」。

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