韓国企画財政部(省に相当)は30日、韓国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)発効1周年を期に分析資料を発表し、昨年7月1日の発効から今年6月15日までに対EU輸出は、前年同期比12%減少したと発表した。貿易黒字は18億ドルで、前年同期(140億ドル)の8分の1にとどまった。
一方、EU製品の輸入は13%増加した。品目別ではバッグ(35%増)、靴(31%増)、時計(51%増)など欧州製ブランド商品が輸入増を主導した。ただ、家電製品、ワイン、ブランド商品などは、FTA発効後も価格が下がらず、問題点として指摘されている。
韓国政府は、期待ほどFTA効果が表れていない理由について、欧州財政危機による景気低迷を挙げた。企画財政部貿易協定国内対策本部のパク・イルヨン総括企画チーム長は「欧州地域の内需が低迷しており、韓国の主力輸出製品が苦戦した。時期的にどうしようもない面がある」と述べた。FTAが締結されていなければ、対EU輸出はさらに低迷した可能性もある。韓国政府は税制上恩恵があった一部品目で輸出が大幅に増えたことから、「韓国が損をした」と考えるのは総計だと判断している。
品目別では、過去1年間で最もFTAの恩恵を受けたのは自動車だった。自動車はFTAの発効後、対EU輸出が38%増え、自動車製品の輸出も16%増えた。価格競争が激しいポリエステルは4%の関税が撤廃されたことで、イタリアで韓国産のシェアが3位から1位に浮上。ベルギーでは韓国産が80%のシェアを占めた。
FTAは欧州各国から韓国への投資増加にも貢献した。FTA発効後の11カ月間で、EU域内から韓国への外国直接投資(FDI)は37億ドルとなり、前年同期に比べ35%増えた。
専門家は「FTAの恩恵をさらに受けるためには、対EU輸出の増大に努力し、関税が引き下げられた欧州からの輸入品の価格に対する監視が必要だ」と指摘した。