ソニーは29日、英音楽大手EMIグループの音楽出版部門の買収が完了したと発表した。人気歌手のビヨンセやノラ・ジョーンズなど、管理する楽曲の著作権数は約200万となり、米ユニバーサル・ミュージック・グループなどを超え、世界首位となる。
ソニーは昨年11月、中東の投資会社などと組んで、総額22億ドル(約1750億円)でEMIの株主である米シティグループから買収することで合意。4月下旬には、市場が寡占化しないかどうかを調べる欧州連合(EU)の欧州委員会が、一部出版権を売るという条件付きで買収を認めた。
音楽出版事業は、楽曲の著作権を管理し、CDやネット販売、映画などに使うときに使用料をもらうビジネス。ミュージシャンを発掘し、そのCDなどを販売する事業とは異なる。音楽業界ではCDの売り上げは低迷しているが、音楽出版事業は市場規模が広がり、収益性も高いとされる。(ニューヨーク=畑中徹)