練習中にDF阿部(左)と話し合うグランパスのDF田中隼=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのDF田中隼磨(29)が29日、“師匠”との直接対決での勝利を誓った。30日に対戦する横浜Mは08年まで在籍していた古巣で、若手時代の田中隼がサイドバックのお手本にしていたブラジル人DFドゥトラ(38)が今季、6年ぶりに復帰している。慣れ親しんだ横浜の地でドゥトラとのマッチアップを制し、成長を見せつける。
サッカー選手として酸いも甘いも味わった。田中隼は「(横浜Mは)自分が育ったクラブ、(日産スタジアムは)育った場所」と振り返る。百戦錬磨の右サイドバックにとっても“特別な試合”。それがアウェーでの横浜M戦だ。「自分の持ち味である運動量で勝利に貢献したい。スペースを見つけて走ります」。語る言葉に力がこもった。
09年の移籍後、古巣とは何度も対戦してきたが、今回久々に顔を合わせるのがドゥトラだ。田中隼とは同じ01年に横浜Mに加入した間柄。当時10代だった若武者に、「サイドバックとはどういうものかを示してくれた」(田中隼)のがドゥトラだった。
積極的なオーバーラップ、正確なクロス、1対1の強さ…。田中隼は「ドゥトラはすべてを兼ね備えている」と語る。練習中からその一挙手一投足に目を凝らした。後に日本代表に上り詰めた田中隼の下地は、このときにつくられたのだ。
横浜M戦では右サイドバックの田中隼と、左サイドバックでの先発が予想されるドゥトラは同じサイドで対峙(たいじ)する。「サイドバック同士なので、直接やり合うことはあまりないんじゃないか」と田中隼は笑うが、展開次第ではガチンコ勝負の場面も出てくるだろう。
「ドゥトラもそうだし、横浜Mには中沢さんや(栗原)勇蔵もいる。対戦するのが楽しみですね」。昨年は“歓迎”のブーイングで迎えられたアウェー戦。田中隼が慣れしたしんだ横浜で大暴れする。 (木村尚公)
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