写真特集:地井武男さん「みがき砂」で格好よく 〜人生は夕方から楽しくなる〜 2010年7月16日
2012年06月29日
女優だった前妻、真木沙織(本名・地井佐和子)さんを9年前に乳がんで亡くした。数カ月後、テレビドラマ「北の国から」の主人公・五郎(田中邦衛さん)の親友・和夫役を演じた。偶然にも妻ががんで亡くなるシーンがあった。俳優を演じているのか、自分を演じているのか分からなくなっていた。そして、6年前には「自分の幸せを少しは考えてもいいよな」と再婚した。
後日、「男の作法」を開くと、こう記されていた。
<仕事、金、時間、職場や家庭あるいは男と女のさまざまな人間関係、それから衣食住のすべてについていえることは、『男のみがき砂として役立たないものはない……』ということです。その人に、それらの一つ一つをみがき砂として生かそうという気持ちさえあればね>
自然や周囲の人への敬意、撮影スタッフを統率する力、社会へのまなざし、旺盛な好奇心、朗らかさ……。格好いい男になりたいと言わずとも、今のままで十分に格好いいですよ、地井さん。【中山裕司】
■人物略歴
◇ちい・たけお
1942年千葉県生まれ。俳優。テレビドラマ「太陽にほえろ!」「刑事貴族」「北の国から」などに出演し、NHK「双方向クイズ にっぽん力」で司会を務めた。