2010年11月、下関市彦島福浦町のアパートで保育園に通う女児=当時(6)=が殺害された事件で、殺人などの罪に問われた同市向洋町、無職男(28)の裁判員裁判が18日、山口地裁で始まる。公判日程は県内の裁判員裁判で最長の38日間。許被告は否認し続けており、「犯人性」が最大の争点。事件と向き合う裁判員は長期の日程という負担に加え、難しい判断を迫られることになる。
争点を事前に絞り込む公判前整理手続きは、昨年11月から今年6月12日まで計17回を数えた。凶器など被告の犯行を裏付ける直接証拠がない中、DNAの鑑定結果などの状況証拠を積み重ねて有罪を立証しようとする検察側。一方、同被告は逮捕時から一貫して事件への関与を否認。DNAの鑑定結果について弁護側は「完全一致はしていない」として無罪を主張するなど真っ向から対立し、手続きは長期に及んだ。
12日に山口地裁で行われた裁判員選任手続きで県内では過去最多の候補者315人から選ばれた裁判員6人、補充裁判員4人が、裁判官とともに審理に臨む。
公判は予備日を含めて12回。検察と弁護側の双方から述べ22人の証人が出廷する予定で、女児の母親が被害者参加制度に基づき意見陳述をする。
初公判では、冒頭陳述や女児の鑑定医の証人尋問などがある。7月11日に論告求刑、最終弁論があり結審。同被告の量刑を決める5回の評議を経て、同25日に判決が言い渡される。
被告人が犯人であるかという犯人性が争点となった全国の裁判員裁判で状況証拠を元に審理された事件では、10年12月に鹿児島地裁が、強盗殺人の罪に問われ検察が死刑を求刑した被告に無罪を言い渡した。今年4月の首都圏連続不審死事件の判決公判ではさいたま地裁が検察の求刑通り死刑を言い渡している。 |