下関市彦島福浦町のアパートで2010年11月、保育園児の女児=当時(6)=が殺害された事件で、殺人などの罪に問われた同市向洋町、無職の男(28)の裁判員裁判の第2回公判が20日、山口地裁(長倉哲夫裁判長)であった。女児の曽祖母や母親で同被告の元交際相手の女性(31)らの証人尋問があり、同被告のものと同型のDNAが検出された衣類やおもちゃの入手時期などについて証言した。
女児の曽祖母は、遺体の足元に裏返しで置かれていたトレーナーについて、女児のために事前に購入し、曽祖母方で保管していたと証言。「事件前日に自宅で初めて着せた」と話した。
女性はおもちゃについて、事件の約1カ月前に、女児の兄が小学校の祭りの景品でもらったと説明。事件前に誰が触ったかを聞かれると、家族以外はいないとした。
トレーナーやおもちゃなどから検出されたDNAをめぐり、検察側は同被告が事件当日現場にいたことを示すと主張。一方、弁護側は同被告が現場アパートに一度宿泊したことがあり、かつて別の場所で女性と同居していたことを挙げ、DNAが物から物へ付着した可能性があると反論している。
証拠物を押収した警察官の証人尋問では、裁判員が押収物ごとに手袋を変えるのか質問。警察官は「変えることもあるし、汚れていなければそのまま使う」と述べた。
第3回公判は22日で、検察、弁護側の双方が申請したDNA鑑定の専門家が証言台に立つ。 |