八潮市議会議員やざわえみこのブログです。
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    議会改革道遠し・・・「庭山議員の除名決議可決」に思う
     昨日、「群馬県桐生市議会議員の庭山由紀さんが除名になった」というニュースが入ってきた。記名投票で18名が賛成、反対2名、退席1名だったそうです。

     除名動議のきっかけは、議場外での過激なツイッター発言だったとか・・・ツイッターは、早く拡散できるという便利さもありますが、140文字の制限があるために、詳細に書くことができないという欠点があります。

     選挙で選ばれた議員に対する懲罰には制限があります。なんでも懲罰できるということではなく、慎重に決議する必要があるということです。

     1. 議会の秩序維持に直接関係ない事は、懲罰の対象にならない。議会の運営、または品位の保持と直接関係のある事のみが懲罰の対象になる。

     2. 議会の運営と全く関係のない議員の議場外における個人的行為は、懲罰の対象にならない。 

    3. 行為当時には懲罰の対象とされていなかったにもかかわらず、事後に遡って懲罰の対象とすることは許されない。

    (遡及懲罰の禁止)
     4. 議員の行為を懲罰し、重ねてその他の懲罰を課す事はできない。(二重懲罰は違法)

     5. 一事不再理であり、一度議決された、事を再度、議決はできない。

     6. 懲罰対象の行為の三日以内に、発議(動議提出)しなくてはならない。→その会期中に、そのこと納める主旨

     この基準に照らし合わせても、今回の除名は不可解です。

     懲罰議決に対する救済については、除名処分は「議員の身分の喪失に関する重大事項で、単なる内部規律の問題にとどまらず、市民法秩序につながる問題であるため」司法審査が及ぶそうです。

     従って、除名決議が可決後、県知事に対して取消審決を申請すると共に、処分取消を求めて裁判所に提訴できます。

     私は、何回か庭山さんと会ったこともあるし、勉強会にも誘ったことがあるので、庭山さんのことは理解しているつもりです。

     確かに、彼女のブログ上の発言は過激だけど、(私はツイッターをあまりやらないのでツイッターのことはわからないが・・・)発言の趣旨はまともであり、言行一致の方である。

     一部の先進議会を除いて、大抵の議会は市民感覚からかなりずれています。庭山さんは次のように記しています。

     「言論の府である議会で議論をしようと議会に臨んだところ、実はそこは言論の府ではありませんでした。議員たちは自分たちに都合の良いように議会ルールを決めることができ、伝承のような議会ルールに甘え、市民が生活に負われついついお任せ民主主義に陥っていることを良いこと幸いに、労力に見合わない高額報酬と自宅の新聞購読代まで支払うことのできる政務調査費、年に2回、3回の大名行列のような視察を楽しみ、ハッピーギインライフを満喫していました。

     議会は、事前に当局や多数派会派で打ち合わせされ、結論ありきの質疑討論が形式的に行われ、当局の思惑通りに可決されているだけです。出された議案の99%が可決されるという現状は、芝居・談合・多数決の八百長議会であることを証明しています。」

     まさに、私が初めて議員になった時に感じたこととまったく同じです。

     庭山さんは、こういった議会の現実を前にして

     「このような中で、この現実を市民のみなさまにお伝えしなくては!そして市民のために仕事をする議会に変えて行かなくては!と、徹底した情報公開を目指しました。結果として、行政や議会の内部告発的な活動となり、様々な嫌がらせや圧力がかかりました。それは、私だけにではなく、私を応援・支援して下さっている皆様にも波及してしまいました。」

     既得権に甘んじていたい議員たちの抵抗は、私の経験からもかなり強いものだったと思います。表向きの顔は紳士・淑女であっても、陰に回って陰湿な方法で抵抗。市民から選ばれたはずの議員なのに・・・「こういうことを平然とやるのか・・・」と呆れたことも度々ありました。

     大会派の議員なら問題とされないことも、少数会派、一人会派には厳しく、つるしあげるチャンスを虎視眈々と狙っている、そんな議会は結構あるのではないかと思います。

     庭山さんは
     
     「それでも皆様が議会に関心を寄せてくださり、議会や議員を監視し、議員に『それはおかしいだろう』などと注意してくださったおかげで、昭和42年から議員の半数でしか審議してこなかった予算決算審議は議員全員で行うようになったり、議会報告会をするようになったり、議会広報を工夫したり。桐生市議会は少しは市民のために仕事をする議会になったかと思いました。」

     庭山さんのブログを読んでいる私の知人は、庭山さんのような議員が、議会にいるのといないのとでは全然違う。温室に浸かっている議員には、「何が問題なのか意識されないため、問題提起さえ行われないから、議論の俎上に載らない。庭山さんのような議員がいる議会が羨ましい。」とまで言っていました。

     桐生市議会は、目障りな庭山さんを排除したことで、歩みだした改革への道を再び逆戻り・・・。本当に残念なことだと思います。

     いずれ司法という公の場で、今回のことの決着がつけられるとは思いますが、今回の彼女の表面的な発言だけをとらえて判断するのではなく、底に流れる「改革を阻む勢力にも目を向けて」ほしいと思います。

     桐生市議会が市民のための議会となるためには、庭山さんは絶対に必要な議員です。多分、失って初めてわかるのではないでしょうか。一掃されるべきは、こういった除名決議に賛成した抵抗勢力の議員たちではないでしょうか。

     同じ議員の一人として、今、桐生市民の良識が問われていると思います。 


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