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2012年6月30日 06:00

【書評】『うぶんちゅ!』―オープンソースの OS「Ubuntu」をコミックで学ぶ?

「Ubuntu Magazine Japan」に連載中の Ubuntu コミック「うぶんちゅ」が単行本としてアスキー・メディアワークスから出版された。

「うぶんちゅ」は、ある県立高校の「システム管理同好会」を舞台にした学園コメディ。古い Windows Me パソコンを Ubuntu サーバーとして再利用するための奮闘を描く「お嬢様は老執事がお好き?」や、コマンドラインの楽しさをアピールする「CUI とコビトとお姉様」など、初心者が Ubuntu を学ぶためにも、達人が読んでにやにやするためにも有益なエピソードが詰まった作品となっている。

イメージ
うぶんちゅのエピソード「お嬢様は老執事がお好き?」
(C)瀬尾浩史 氏

Ubuntu Magazine 読者には、雑誌連載中にすでに同コミックを読んでしまっており、いまさら単行本を買う必要はないと考えている人もいるだろう。また、同コミックは著者である瀬尾浩史氏の Web サイト「架空線」で無料で読むこともできる。だがこの単行本には各エピソードの後ろに「クリエイティブ C 調マンガ それ行けセオペン君!」というおまけの四コママンガが追加されている。また、リチャードフリードマン氏をたたえる「フリーソフトウェアソング」が登場するスペシャルコミック「仁義なきミス壱宮コンテスト!」や、あとがきマンガ「逝ってら!うぶんちゅ道場!」などの番外編も掲載されており、既読者が買っても十分楽しめるよう工夫されている。

話は大きく飛躍するが、米国 Red Hat はかつて Red Hat Linux と呼ばれていた OS を、現在は Fedora Linux として無償で公開している。一方、企業向けには基本部分は Fedora Linux と同じものを RHEL として提供し、そのサポートとアップデートで収入を得ている。これは、現在のオープンソース業界の標準的なビジネスモデルになりつつある。

コミックうぶんちゅも、ある意味では同じモデルを目指しているといえる。作者である瀬尾氏は同コミックを無料で一般公開しつつも、付加価値をつけて単行本として販売しているのだ。

できれば、このコミックが1冊でも多く売れて欲しいと思う。そうすれば、このコミックだけでなく、Ubuntu とオープンソースの将来も(いろんな意味で)すこし開けると思うのだ。地味で遠い道のりではあるけれど。

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