福島が好き

あの日からの希望を紡ぎだすために

「福島市に住む2才の娘の母」さんからの手紙

2012-06-30 02:32:54 | 福島の声
編集部へのお便り−1
「あなたの声を聞かせて下さい」
という呼びかけにこたえて送って下さったものです。

「一人の母親の気持ちを知って欲しかったのです。」
と今の想いをつづって下さいました。
多くの皆さんに読んでいただきたく、
この場に全文を紹介させていただきます。
(改行はこちらでさせてもらいました)

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

◆「福島市に住む2才の娘の母」さんより
 いただいたお手紙です。


「福島が好き」のチラシを拝見しました。
私は福島に住んでいます。
娘は、今年2歳になって毎日放射能を意識する生活を送っています。
今の想いをつづらせて下さい。

私たちは避難していません。
経済的に続けられないだろうと原発事故後からずっと福島にいます。
私の住む福島市は、毎時1・3マイクロシーベルト(家の近所)ほどあって、
きっと危ない場所なんだと思います。
小さな子供もいるし、毎日不安です。

ただ、何となくですが近所の方々や保育園等で会うお母さん方と、
放射能のことは話さない(話せない)ような雰囲気が今あって、
この度このチラシを頂き、少し心がホッとしたのです。
福島に住むということは、誰しも不安があることなのだから、
あえて原発事故、放射能、子供の健康についての不安を口にしていくのを
ためらっているような、そのような状態です。

私はまだ働いていないため子供を連れて、
できるだけ放射能の低い所へ連れていき、外遊びさせる毎日です。
これがどのような事か想像できるでしょうか?

毎日車で30分かけて、すべり台やブランコなど、
ごく普通の遊具のある公園へ行くのです。
そこも毎時0・3マイクロシーベルトほどはあるんですが、
家の近所では、放射能が高くて遊ばせられないので、
少しでも子供に外遊びをさせてやりたい、
ストレスを減らしてやりたいと半日ほどつれていきます。

屋内遊具で満足できればよいのですが、
全力で走って体を動かしたい2歳の娘は外遊びさせないと
寝つけなかったり、イライラしたり、ぐずってしまったりするのです。
時間も多く費やすし、外出すれば何かと費用がかかるのですが、
福島のお母さん方はそのようにしているんです。

例えば、公園を除染したといっても、
前からあった遊具を取り払われて、何もない“さら地”で、
子供はどうやって遊ぶのでしょうか。
近所には除染後の公園もありますが、
汚染させている土にさわらせたくないので、
ただ歩くだけしかさせてません。
ボール等は、こわくて遊ばせたくないのです。

子供のストレスを少しでも少なくして、
放射能に負けない強い体でいてほしい。
福島で生活する者が、
できる限りのことはしてやりたいと思っていることの一部です。

ですから東京や他地域の方が「放射能がこわくて、遊ばせないです」
とTVでやっているのを見ると むなしくなります。
「私たちはどうなるの?」と。
「こわい放射能が24時間出ているところで
ヒバクしながら生活してるんだよ」と。

福島市は60キロ近く原発から離れているのに、
ここまで放射能が高いのは、北西に風が吹いてしまったから。。。
あの当時、水も止まり、私も娘をおんぶして
2・3時間給水車に並んでいたんです。
かなりの線量に違いないと思うんです・・・
公表されてないですが。

くやしいです。
福島を福島でなくしたことが。

ですが、私は浜通りの方々とちがい、家があるし、
生活している地域も異なっているわけではありません。
私なんかまだ良い方で、津波や原発ともっと大変な方がいるんだと、
そう思って今までやってきた所があるように思います。


あともうひとつ・・・
原発が危ないと危機感を持ったのは管元首相が福島へ来た時でした。
視察して、現場が混乱したなどと「福島に住んでない方々」は言いますが、
管さんがすぐに動いたことで、「政府の要人がこんなに急に視察するのは
大変なことが起きているというサインなんじゃないか」と全国に示したと、
私や私の周囲の人たちは思っています。

国にとって、管さんの行動は迷惑だったのでしょう。
いろんな批判がされ、責任も「東電」でなく
「管さんが現場を混乱させた」という・・・
一人の人に責任をおしつけているとしか思えません。
もし、管さんが東電にまかせきりにしたら、
事態はもっとひどいことになっていたと思います。

なぜか・・・それは東電の対応をみれば明らかです。
福島を見捨てようとしたのは東電で、
あの時の管さんは、福島を本気で助けよう、
どうにかしようと思ったと、私は思っています。
どうぞ地方紙の方にもきいてみて下さい。

結局、「福島に あの時 住んでいなかった者」が、
「人ごとにしか考えていない」事故調であったり、
今の首相であったり ということなのです。

だから、あきらめているんです。
福島をなおざりにされて 何も考えてもらえない。
東電は、もっとひどくて、誠意が全く感じられない。
私だけかもしれませんが、全てあきらめているのかもしれません。

当然、子供にはできる限りのことはやっていきます。
ですが、福島に住んでいるだけで、差別のようなこともききますし、
京都の方でも大文字焼きで「放射能がついている嫌だ!」
とガレキ(岩手)を燃やすのをやめるなどと去年ありましたし、
人におきかえたら「いじめ」のように
福島を嫌がっている感もありますよね。
だから、「あきらめています。」

そのような気持でいたので、
今回このようなチラシが届いたのは驚きでした。
福島でなく県外の方がしてくれたもの、内容も充実していて
できたら県外の方々にも読んでほしいという内容ばかりでした。

福島のことを想い、作って下さり ありがとうございました。
言葉が荒く、文字も汚くなってすみません。
どうか次号も届くように願っています。
どうか私一個人の意見を率直に書いただけですので、
傷つける内容でしたら申し訳ありません。
一人の母親の気持を知って欲しかったのです。。
では、失礼いたします。
ジャンル:
社会
キーワード
マイクロシーベルト 大文字焼き 声を聞かせて
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3 コメント

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ネタじゃなかったら (福島在住)
2012-06-30 05:17:22
このようなお母さんを作り出したのは、あなたたちですね。

まぁ、エアお母さんだろうけど。

よかったですね (jun9sato)
2012-06-30 06:44:48
周回遅れの情報しか載っていないチラシでも、ありがたいと思ってくれる方がいて、良かったですね。

重箱のすみをつつくようですが、この方の誤りを2点訂正しますね。このまま誤解が広がるのも迷惑なので。

>あの当時、水も止まり、私も娘をおんぶして
2・3時間給水車に並んでいたんです。
かなりの線量に違いないと思うんです・・・
公表されてないですが。
→福島県のHPで放射線量は公表されてますよ。一番線量が高かった3月15日は30分おきに線量が載っているんじゃなかったかしら。

>京都の方でも大文字焼きで「放射能がついている嫌だ!」
とガレキ(岩手)を燃やすのをやめるなどと去年ありましたし
→燃やそうとして中止になったのは、陸前高田の薪です。

ついでにいうと「大文字焼き」じゃなくて「五山の送り火」って言うんじゃないでしたっけ。神奈川県民の私が言うのもなんですが。この点だけはいただいたメールの内容を直したうえで掲載してもよかったんじゃないですかね。
Unknown (Unknown)
2012-06-30 07:13:51
最初のコメントが全て。
エアとまでは言わないでおくが、編集部はあのチラシによってこのような人を生み出す一端を担っているという自覚はあるのか。
あのチラシを読んでほっとする、という心境まで追い詰めているという自覚はあるのか。
しかも、二番目の人がいうように事実誤認もあるし、手紙内部にも疑問符がつく文章がある。
なぜそんなものを使う?使うという事は、編集部もそう理解していると判断されても仕方がないと思うが?
やってる事や判断があまりにもいい加減すぎる。

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