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【採択の危機】教育委員に文書で心理的圧力も 教科書採択、制度の根幹揺らぐ
その後も「女性委員3人」対「教育長と委員長」という構図で議論が続き、市教委幹部職員が休憩を提案。教育長が「それぞれの考えがあり無記名投票にせざるを得ないかもしれない」と発言すると、教育委員長も「無記名投票がふさわしいとも考えられる」と応じた。
休憩中“圧力”
議事録の流れからは、休憩後に投票が行われてもおかしくないが、実際は投票がなかったばかりか、追加議論もないまま第1候補の教育出版が承認された。
休憩中に幹部職員が女性委員らにした「責任を取れるのか」という趣旨の発言がきっかけで、流れが変わった様子がうかがえる。
幹部職員は「休憩中、女性委員3人が話をしていたので、そこで何かがあったのかという気がするが、私の発言でそうなったのか、議論の末そうなったのかは分からない。私の言葉で意見を曲げたとなると、逆に信念はなかったのかとも思う」と語った。
教育問題に詳しい秋山昭八弁護士は「審議中に圧力とも受け取られかねない発言をするのは問題だ。教職員組合などの意向を受けた事務方主導で進められるケースも少なくなく、教育委員は周囲の言動に左右されることなく、判断することが重要だ」と指摘する。
(河合龍一)
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