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【採択の危機】教育委員に文書で心理的圧力も 教科書採択、制度の根幹揺らぐ
教科書採択をめぐり、石川県加賀市の審議で「圧力」があった疑いが浮上した。採択の現場ではこれまでも、委員の自宅に電話や文書で心理的圧力をかけるケースも報告されており、識者は「採択制度を脅かしかねない行為」と指摘している。沖縄県教委では圧力を通り越し、政府見解をねじ曲げて指導する異常事態が続く。採択制度の根幹が揺らいでいる。
不自然な経緯
「特定の教科書を採択させないために言ったのではない」。石川県加賀市教育委員会の中学歴史と公民の採択審議で、教育委員に圧力とも受け取れる発言をした同市教委の幹部職員はこう釈明する。だが、採択の審議はこの発言を境に不自然な経緯をたどった。
議事録によると、7月22日に行われた採択審議は、教育委員長が冒頭、採択委員会が推薦した第1候補について意見交換し、問題がなければ承認するという方法を提案。「場合によっては投票もある」とした。歴史と公民以外はほとんど議論はなかった。
問題の歴史の審議で、女性委員の1人が第1候補の教育出版について「日本の国自体を必要以上に卑屈に感じさせてはいないか」と質問した。
教育長は「そういうふうに読み取れるかもしれない」と述べた。さらに女性委員が「日本を背負っていける意識付けができる教科書が選べたらいい」と発言すると、教育長は「そういう宣伝を一番やってきたのは育鵬社と自由社だ」と指摘し、「理念は誰しも賛成だが、学校現場に教育委員会として説明できる教科書にしないといけない」と述べた。
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