トップページ社会ニュース一覧医師が200余の論文ねつ造か
ニュース詳細

医師が200余の論文ねつ造か
6月29日 18時38分

医師が200余の論文ねつ造か
K10032182911_1206291944_1206292002.mp4

東邦大学の准教授だった麻酔科の医師が発表した200余りの論文について、日本麻酔科学会は、「ねつ造されたか、ねつ造の疑いが否定できない」とする調査結果をまとめました。
学会では「例のない数の不正で、国にも報告する」としています。

日本麻酔科学会は、東邦大学の准教授だった麻酔科の藤井善隆医師の論文に、「ねつ造の疑いがある」という指摘があったことから、ことし3月に特別委員会を設けて調査を行い、29日、結果を公表しました。
藤井医師が去年までの19年間に国内外の学術雑誌に発表した212の論文のうち、3本を除いて、これまで在籍した大学などの関係者に調査できたということで、「172本でねつ造があり、37本でねつ造の疑いが否定できない」としています。
ほとんどは患者への薬の投与など研究そのものを全く行っておらず、共同執筆者となっていても論文の存在を知らない研究者もいたということです。
学会の2度の聞き取りに対し藤井医師は「ねつ造は1つもしていない」と強く否定しているということです。
特別委員会の委員長を務めた長崎大学の澄川耕二教授は記者会見で、「海外を含め例のない数の不正で、医療機関や専門家同士のチェック機能が全く働かなかったのは問題だ。学術雑誌に論文の抹消を求めるとともに、国にも報告する。学会でガイドラインを作るとともに告発しやすい態勢を整えるなど、再発防止に努めたい」と述べました。

[関連ニュース]
このページの先頭へ