巻き返しを目指す名古屋グランパスがショックに見舞われた。GK楢崎正剛(36)が28日、愛知県豊田市内の病院で左膝外側半月板断裂の手術を受け、全治1週間と診断された。次戦の30日・横浜M戦(日産ス)の出場は不可能で、柏戦(7月7日・国立)以降の出場も流動的。主将にして絶対的守護神の戦線離脱で、チームは苦しい戦いをしいられそうだ。
チームの命運を背負い、ピッチに立ち続けてきた楢崎の膝が悲鳴を上げてしまった。久米GMによると、左膝の故障は長年の「勤続疲労」によるもの。痛みを抱えながらプレーを続けてきたが、19日の練習中に状態が悪化。その後は患部に痛み止めの注射を打ち、23日の磐田戦後には膝にたまった水を抜いてまでプレーを続けてきた。
2点リードを追いつかれて引き分けた27日のG大阪戦後、楢崎は膝の状態について「大丈夫」とだけ言い残したが、実際はもう強行出場を続けられるレベルではなかった。久米GMは「本当は横浜M戦までは出てほしいと思っていたが、違和感が大きくなったようだ」と説明。手術は避けられなかった。
幸い故障は深刻ではない。手術自体は半月板を関節鏡で部分切除する比較的簡単なもの。29日には退院し、週明けには練習を再開できる。順調なら柏戦で復帰できる見通しだが、長い戦いを見据えれば無理はさせられない。第2GKの高木に数試合ゴールマウスを任せる可能性もある。今季は公式戦全22試合にフル出場してきた。楢崎の不在は戦力的にも精神的にも大きなマイナスになることは間違いない。勝ち点7差で首位を追うグランパスが正念場を迎える。
この記事を印刷する