日本政府が建設許可した核燃料再処理工場の実態

六ケ所村再処理工場、2兆円投入するも運転中止

近くに活断層が存在する可能性も

 日本政府が新たに建設を許可したMOX(混合酸化物)燃料加工工場は、青森県六ケ所村に建設される。同村は日本の原子力施設の心臓部と呼べる所だ。全国の原子力発電所で使われた使用済み核燃料が同村に集められ、そこでプルトニウムを抽出し、保管しているためだ。日本は核燃料の再利用という大義名分の下、これまで同村に2兆1930億円を投入してきた。同村にある核燃料の再処理工場は、2004年から試運転を開始したが、放射能漏れ事故が相次ぎ、現在運転は事実上中断している状態だ。

 今回新たに建設が許可された、高速増殖炉用のMOX燃料を大量生産する工場は、2016年の完成を目標としている。だが、MOX燃料を使用する高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)は、2050年にようやく商業運転が可能になる。日本政府は、MOX燃料を一般の原発にも使用する、と発表したが、現在MOX燃料の需要はほとんどない状態で、MOX燃料を使用する原発を新たに建設する計画も、福島第一原発の事故を受け撤回されている状況だ。

 日本では最近、六ケ所村の再処理工場近くに活断層が存在する可能性があるため、同工場を廃止すべきだという声が高まっている。活断層がある地域は、そうでない地域に比べ、地震が発生する可能性が極めて高い。地震専門家の渡辺満久・東洋大教授は「六ケ所村の再処理工場がある地域にも活断層がある可能性が高く、マグニチュード8程度の地震が発生する恐れがある」として、対策を講じるよう求めた。

 六ケ所村には、核燃料の再処理に用いられる有毒な化学物質が数多く保管されている。化学工場を思わせるような、さまざまな配管が張り巡らされ、精密機器も多い。このため専門家たちは、再処理工場が大地震に対し、原発以上に弱いとの見方を示している。それにもかかわらず、活断層についての詳しい調査を行わないまま、新たに再処理工場の建設を許可したのは、日本政府が関連施設の維持を事実上決定したためだ、と専門家たちは指摘する。原子力業界は「『もんじゅ』や六ケ所村の再処理工場を廃止する場合、放射性物質の処理費用だけで19兆円が掛かる」として、施設の維持を既成事実化している。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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