在学生の方へ

ホーム教員紹介

早野慎吾(Shingo Hayano)

プロフィール・所信

 2004年3月20日に20年近く住んでいた東京の杉並区から、宮崎に移転してまいりました。神奈川県生まれですが、なぜかいつも「江戸っ子」といわれています。
 宮崎に来て数年経ちますが、現在も宮崎を堪能しています。日南海岸、関之尾の滝等々、すばらしいですね。言語調査では宮崎の方々にいろいろとお世話になっていますが、調査の都度、いい人が多いことを実感しています。いい人が多いというのも宮崎県の特徴といえると思います。宮崎にいられるうちに、十分宮崎を楽しんでおこうと考えております。
 2005年から外国人児童生徒の日本語教育に関する共同研究を開始しました。メンバーは次の方たちです。敬称略
 松井洋子(宮崎公立大学)
 田中利砂子(志學館大学)
 宮田好恵(三松小学校)
 小田原恵美子(宮崎大学院生)
 田村京子(宮崎大学附属中)
 佐藤和之(真岡西小学校)
 永田 剛
 宮崎県(外国人児童生徒少人数地域)と栃木県真岡市(外国人児童生徒多人数地域)をフィールドして、児童の日本語力や教育支援の方法について調査、分析しています。JSL(Japanese as a Second Language)児童生徒の実態だけでなく、日本生れで日本育ちの外国人FJB(Foreigners of Japanese Birth)児童生徒の実態もわかってきました。チームとして既に3回の学会発表および8編の研究論文をまとめています。何とか形になるようになってきました。

研究内容

 専門は日本語学・社会言語学です。音声言語におけるコミュニケーションや言語のバリエーションについて研究しております。効果的なコミュニケーションとは何か、言語のバリエーションがコミュニケーションにおいてどのような意味を持つかなどを研究しています。最終的な目標は人間の言語使用と心理に関するモデルを構築することですが、現在は宮崎方言とJSL(Japanese as a Second Language)の言語習得を中心に研究しております。
 日本語史や文献に関しては、やや苦手としています。大学院生の時、助動詞の史的研究をしていたことがありましたが、恩師と知識量があまりに違いすぎることに気づき、この分野はあきらめようと思った次第です。
 何の因果か言語学、日本語学関係の学会ばかりでなくモンゴル学会にも所属しておりますが、モンゴル語はできません。授業では、フィンランド語、ラテン語、ロシア語等の構造を解説していますが、特定の言語現象の説明に使っているだけで、それらの言語をくわしく説明することはできません。

(所属学会)
上智大学国文学会、日本語学会、日本中部言語学会、日本モンゴル学会、全国大学国語教育学会、日本語教育学会

論文・著書・業績等

(著書・単著)一般書および書評等を除く
1『方言と地域文化─日本語として、また国語としての方言教育─』玉造町教育委員会1991
2『地域語の生態シリーズ 関東篇首都圏の言語生態』おうふう1996
3『看護研究のための文章論』学校法人日南学園2008

(著書・共著)
4「地域言語の区画」」『地域言語と文化─玉造のことば─』玉造方言研究グループ編 玉造町教育委員会 1991
5「音声・音韻」」『地域言語と文化─玉造のことば─』玉造方言研究グループ編 玉造町教育委員会 1991
6「アクセント」」『地域言語と文化─玉造のことば─』玉造方言研究グループ編 玉造町教育委員会 1991
7「文法」」『地域言語と文化─玉造のことば─』玉造方言研究グループ編 玉造町教育委員会 1991
8「語彙」『地域言語と文化─玉造のことば─』玉造方言研究グループ編 玉造町教育委員会 1991
9「個人の言語使用と志向性─敬語について─」『多々良鎮男先生傘寿記念論文集』多々良鎮男先生傘寿記念論文集編集委員会編 1992
10「地域言語の分類─方言・標準語・共通語─」『北海道方言研究会二十周年記念論文集ことばの世界』北海道方言研究会編 1994
11「首都近郊都市における方言形の分類─茨城県水戸市の場合─」山田達也先生喜寿記念論文集地域語研論文集』港の人 2002
12『日本語をまなぶ・宮崎をまなぶ にほんご』宮崎県国際交流協会2008

(研究論文)
13「栃木県芳賀郡方言のアクセント」『名古屋・方言研究会会報』7名古屋・方言研究会会報 1990
14「助動詞「べい」の通時的研究─中世における消失過程を中心として─」『静大国文』35 1991
15「無アクセント地域話者の共通語化─10代、20代の アクセント獲得状況について─」『東日本の音声─論文編(1)─』東北大学国語学研究室1991
16「静岡市方言のアクセント体系」『東日本の音声─論文編(1)─』東北大学国語学研究室 1991
17「文アクセントにおける「上昇」について」『Sophia University Working Papers in Phonetics1991』 上智大学音声学研究室1991
18「栃木・茨城両方言の接尾語─「メ」「コ」「ボ(−)」について─」『名古屋・方言研究会会報』8名古屋・方言研究会会報1991
19「文アクセントについて─いわゆる無アクセントを理解するために─」『東日本の音声─論文編(2)─』東北大学国語学研究室1992
20「外来語の発音と表記─ ティ・ディ・ジェについて─」『静大国文』36 1992
21「無アクセント地域話者のアクセント獲得要因─10代・20代のアクセント獲得状況とその要因について─」『日本語アクセントとイントネーション』1992
22「指示詞コソアの原理─現場指示と文脈指示─」『静大国文』37 1993
23「地方共通語について─方言と共通語─」『名古屋・方言研究会会報』10名古屋・方言研究会 1993
24「栃木県芳賀郡益子町益子方言の比喩語について」『方言資料叢刊第三巻方言比喩語の研究』1993 方言研究ゼミナール
25「千葉県松戸市小金方言の比喩語について」『方言資料叢刊第三巻方言比喩語の研究』 1993 方言研究ゼミナール
26「言語使用とパーソナリティ」『Ars Linguistica』1 中部言語学会 1993
27「茨城県玉造方言の変化 ─伝統方言と新規方言─」『Ars Linguistica』4 中部言語学会 1997
28「首都圏の新方言チッタ」『名古屋・方言研究会会報』16名古屋・方言研究会 1999
29「松下大三郎初期の口語 研究─『日本俗語文典』と「遠江文典」について─」Ars Linguistica』6 中部言語学会 1999
30「非弁別的アクセントの実態と系統」『Ars Linguistica』6 中部言語学会 1999
31「東京語話者と茨城語話者のイメージ─水戸調査から─」『名古屋・方言研究会会報』20名古屋・方言研究会 2002
32「茨城方言における遊びのかけ声・台詞」『Ars Linguistica』9 中部言語学会 2002
33「発話素(utteranceme)としての文節」『Ars Linguistica』11 中部言語学会 2004
34「日本語教育における地域語問題−首都圏の調査を例として−」『日本語支援教育研究報告書』宮崎大学大学院 2005
35「方言コンプレックスのメカニズム」『Ars Linguistica』12 中部言語学会 2005
36「キャンパスことばの研究−常磐大学(茨城県水戸市)の調査から−」『宮崎大学教育文化学部紀要 人文科学』14 2006
37「無アクセントの比較研究−栃木・茨城アクセントと宮崎アクセントの比較−」『地域文化研究』vol.1 宮崎地域文化研究会 2006
38「外国人児童生徒に対する教育支援の現状−宮崎地区の調査から−」『宮崎大学教育文化学部紀要 教育科学』14 2006
39「教養としての日本語−国語の学力について−」『宮崎大学教育文化学部教育実践センター紀要』14 2006
40「年少者に対する日本語教育支援に関する研究−宮崎地区の現状と課題−」『宮崎大学教育文化学部紀要 人文科学』15 2006
41「非日本語話者に対する地域語教育」『宮崎大学教育文化学部紀要 教育科学』15 2006
42「宮崎県都城市の言語動態−言語形式とアイデンティテイ−」『Ars Linguistica』13 2006
43「国語科教育における地域言語教育(1)−方言・共通語・標準語−『宮崎大学教育文化学部紀要 教育科学』16 2007(九州地区国立大学間連携教育系・文化系論文集(審査付)に掲載)
44「年少者に対する日本語教育支援に関する研究(2)−保護者と家庭環境の調査から−」『宮崎大学教育文化学部紀要 人文科学』16 2007
45「宮崎の言語動態−宮崎県南部域を中心として−」『国文学−解釈と鑑賞−』至文堂2007
46「国語科教育における地域語教育(2)−方言の役割について−」『宮崎大学教育文化学部紀要 教育科学』17 2007
47「マイノリティ言語話者への教育支援−JSL児童生徒多人数地域での取り組み−」『宮崎大学教育文化学部紀要 教育科学』17 2007
48「年少者に対する日本語教育支援に関する研究(3)−コミュニティにおけるJSL日本語支援モデルの構築−」『宮崎大学教育文化学部紀要 人文科学』17 2007
49「九州方言における二段活用の現況−宮崎県南部域の調査から−」『ArsLinguistica』14 2007
50「宮崎語話者と東京語話者のイメージ(1)」『宮崎大学教育文化学部紀要 人文科学』18 2008
51「文字に書かれた宮崎方言」『地域文化研究』2 宮崎地域文化研究会 2008

(報告書(学会発表要旨集を含む))
52「栃木・茨城両方言の接尾語─「メ」「コ」「ボ(−)」について─」『日本方言研究会第49回研究発表会発表原稿集』1989 p.82-89 53「無アクセント地域話者の共通語化−10代、20代のアクセント獲得状況とその要因について−」『平成3年度科研費重点領域研究『研究成果中間報告書1991』1991 p.13-18
54「個人の志向性と言語使用─栃木県益子町の調査より─ 」『国語学会平成4年度秋季大会予稿集』1993 p.53-59
55「個人の志向性と言語使用−栃木県益子町の調査より−」 『国語学』172 国語学会1993 38-39
56「日本語教育における地域語問題−首都圏の調査を例にして−」『日本語支援教育研究報告書』宮崎大学大学院 2005 p.48-54
57「多変量解析を用いた国語学力要因分析」『国語科教育研究第109回岐阜大会研究発表要旨集』2005 p.19-22
58「地域学としてのみやざき学構築」『全国大学コンソーシアム協議会報告書』2007 p.120-123
59「宮崎方言における形容詞の一段活用化−その発生要因と宮崎県南部域の現況−」『日本方言研究会第86回研究発表会発表原稿集』2008 p.53-64

オフィスアワー

前期:月曜日昼休み(いつでもどうぞ) 後期:月曜日昼休み(いつでもどうぞ)
アクセス サイトマップ リンク
  ページ先頭へ

Copyright (c) Faculty of Education and Culture & Graduate School of Education. All Rights Reserved.

宮崎大学教育文化学部・大学院教育学研究科 〒889-2192 宮崎市学園木花台西1-1-58-2889