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経済
復興予算4割使われず 23年度、想定通り進まず
2012.6.28 23:27
政府が平成23年度予算で計上した東日本大震災の復興費約15兆円のうち、約4割が23年度内に使われなかったことが28日、分かった。第1次~第3次補正予算の復興費の執行状況を復興庁が集計した。
政府が被災地との調整に手間取り、復興事業が想定通りに進まなかったためで、これほどの規模の予算が執行されなかったのは極めて異例だ。29日にも発表する。
復興費14兆9243億円のうち、年度内に執行されたのは全体の60・6%の9兆514億円にとどまった。40%近い、5兆8728億円が使われなかった計算だ。
震災直後は被害状況の把握が難しく、予算が多めに計上された面もあるが、政府は使い残した予算について、24年度に繰り越したり、予定していた事業に充てない「不用額」として処理する方針だ。
この結果、24年度に繰り越されるのは4兆7694億円に上る。集落の集団移転など幅広い事業に使えるお金として、国が被災地の自治体に配分する「震災復興交付金」は3次補正予算で1兆5612億円を計上していたが、1兆3101億円を繰り越す。
また、災害廃棄物や放射性物質の仮置き場がなかなか見つからないことなどから、災害廃棄物処理事業費の3941億円、除染事業費の1681億円についても、それぞれ同様に処理する。
一方、不用額は、道路や港湾の復旧に充てる災害復旧事業費など1兆1034億円に上る見通し。政府は全額を24年度に新しく設けた復興特別会計に繰り入れる方向で調整する。
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